万能調味料
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運命とは時に愉快なもので、一生のうちにこれでもかと不運が重なる事があるのを、本日思い知った向井康二は、とある会場の前で途方に暮れていた。
今日は好きな写真家の展示会で、1ヶ月前からチケットを予約して今日まで待ち焦がれていた……はずだった。
目覚ましの電池が切れていて、起きたのは開場時間もとうに過ぎて昼近く。
展示会場までは1時間もかかる上に、閉場時間は午後3時。
急いで家を出て会場についてから、カバンの中にチケットがないことに気づいた。
そういえば昨日リビングのテーブルに置いたままだった気がする……
チケットを取りに戻ったとしても、閉場時間に間に合わない……と言うのは分かりきっていた。
オマケに何だか雲行きが怪しい……
向「はぁ……ほんま最悪や…なんで今日に限ってこんな運が悪いん…?」
カメラも持参したというのに、曇りでは何となく気分が上がらない。
せっかくの休日が無駄になってしまったな…と、雨に備えて防水バッグにカメラをしまう。
しばらくの後にポツポツと降り出した雨を凌ぐために、向井は近くの喫茶店に入りコーヒーを注文した。
こじんまりとしているが雰囲気のいい店で、店内に入るとふわりとコーヒーの香りが漂ってきて、それが酷く安心する香りだった。
雨の嫌な雰囲気が少し和らいだ気がした。
カウンター席につき、注文したコーヒーが来るまで少しカメラをいじる。
ファインダー越しに店内を見渡すと、ふと1枚の壁掛けされた写真に目が止まった。
「これ……ええなぁ……」
おそらく今日と同じ様な雨がシトシトと降った後だろう。
水溜まりに反射した雲の切れ間から覗く、青空を切り取った写真。
「よぉ、こんな瞬間撮れたなぁ…」
『それ、僕が撮ったんだよね』
向井が振り向くと、先程までカウンターの中でコーヒーを入れていたマスター。
『実は写真を撮るのが好きでさ…たまぁ~にお店が休みの日には、外に出て写真撮ってるんだ。』
お客さんも写真撮ったりするの?と、注文されたコーヒーがテーブルに置かれ、それ…と言うように指さされたカメラに視線を落とす。
「趣味で撮ったり、たまに雑誌とかに取ってもらえたり…ってとこやねぇ。」
本業の方が忙しいし…という言葉は喉元まで出かかったが、ぐっと飲み込んだ。せっかくの趣味談義に後ろ向きな発言は止そう…と思った。