＝＝＝幸村　目線＝＝＝

病気が完治して2週間前からリハビリも兼ねて部活に出るようになった。

快晴で心地よい風が頬をかすめる

部活もひと段落してみんなで食堂へ行くようだったのでついて行くことに


食堂へ入るとうちの生徒ではない私服の女の子が自動販売機から飲み物を
買っているところが目に入った。

あぁ、めんどくさい。きっと話しかけてくるだろう。
皆もそう思っているようでブン太や赤也が
「タイミングわりぃ」「くそっが」と小声で悪態をついている。



そう思っていたのに彼女はお茶を抱え俺たちが入ってきたドアへ向かう

ふっと彼女の表情を見るとまるで、さも当然のように堂々と歩いていた。
その表情が凛としていて、なぜか心に残るものがあった。

R陣もびっくりしたようだったが、気にせず自動販売機で各々買っていった

ブ「さっきの子、声かけてくるかと思ったけどしなかったな」
赤「そっすね、めんどくさいことにならなくて良かったっす」
柳「転入生かもしれないな」

そんな会話を横目に「先に帰るね」と皆に声をかけて
彼女の後を追いかけた。

気になってしょうがない。彼女がどんな子なのか気になる…

彼女が出た方へ向かうとそこには誰も居なくて
精「（・・・残念・・・でも、まだ構内にいるかも。）」

淡い希望を胸に校内を歩き回った。


図書館を見ようと階段をあがると彼女が図書館の扉のガラス部分をのぞき込んでいた

本、好きなのかな？

精「今日は土曜日だから司書さんが居なくて開いていないよ」

無意識に声をかけてしまった。

俺の声で彼女が振り向く

時間が止まった気がした。
胸までの赤茶の髪がなびき、青空を目に閉じ込めたような瞳
健康的な白い肌。桜色の唇。端正な顔立ち。

「あ、そうですよね…ごめんなさい💦ーーでは💦」

そう言って彼女は照れたように笑い違う教室など見にかけていった。



会話してしまった。普通の生徒のように、、
俺を特別と扱わず。その事実に嬉しくて、緊張して、
何よりこの胸の高鳴りが苦しくて心地よい・・・・・・


これは…何なんだー…


＝＝＝幸村　目線　END＝＝＝