姫先輩と王子後輩
桜花(おうか)高等学校には横暴でわがままなお姫様とそのお姫様に使われている王子がいるという…
「おい! 由紀!鞄持て」
そう言って、小柄な子と言っても差し支えない姫宮桃華(ももみや とうか)が隣を歩く自分よりかなり背の高い男性で自分の後輩でもある若王子由紀(わかおうじ ゆき)にそう命じた。
「わかりましたよ、桃ちゃん先ぱ―――」
由紀がしぶしぶ桃華の鞄の紐に手をかけようとすると、
「誰が桃ちゃんだ! 俺様の名前は桃華だ!!」
と、名の通り桃色の髪を揺らしながら桃華は拳を後輩である由紀に繰り出した。
「っと、女子にはそう呼ばせてるじゃないか…」
由紀は桃華の拳をヒョイっと簡単に避けて思わずタメ口で答える。
「うるせぇな! 女はいいんだよ! 女は! 男に言われても全然嬉しくねぇわ!」
だって、と一言置き。
「俺、男だしな!」
そう、彼、桃ちゃんもしくは姫こと姫宮桃華は小柄で襟足よりちょっと長めの桃色の髪に大きな赤い目とパッと見女の子と間違われそうだがれっきとした男子高校生である。
「つか、由紀! なにさりげなくタメ口聞いてんだ! この先輩様をなんだと思って…」
一方、王子こと若王子由紀は桃華とは逆に高身長で白髪が目立つ、切れ長の紫の目をした男子高校生で桃華の幼なじみであり、1年後輩である。
「はいはい、このままだとらちあかないんで先輩も鞄も担いでいきますよ」
怒る桃華になだめるように話しかけると由紀は軽々と桃華を自分の肩に担いだ。
「今日も姫先輩と王子は仲睦まじいな~」
「な~!」
と、周囲を歩く後輩たちもいつもの光景だと微笑ましそうにしている。
「1年ども! なに勘違いしてんだ! 全然仲良くねぇ!!」
その声に桃華は怒りを覚えキャンキャンと犬のように吠えるが可愛い容姿と由紀に担がれているのも相まって全然説得力がない…
「「「きゃ~! 桃ちゃんせんぱ~い♪」」」
「よぉ!おはよー! 可愛い後輩たち」
打って変わって女子が声をかければ見事に上機嫌な桃華であった。
これもまたいつもの朝の風景である。
「おい! 由紀!鞄持て」
そう言って、小柄な子と言っても差し支えない姫宮桃華(ももみや とうか)が隣を歩く自分よりかなり背の高い男性で自分の後輩でもある若王子由紀(わかおうじ ゆき)にそう命じた。
「わかりましたよ、桃ちゃん先ぱ―――」
由紀がしぶしぶ桃華の鞄の紐に手をかけようとすると、
「誰が桃ちゃんだ! 俺様の名前は桃華だ!!」
と、名の通り桃色の髪を揺らしながら桃華は拳を後輩である由紀に繰り出した。
「っと、女子にはそう呼ばせてるじゃないか…」
由紀は桃華の拳をヒョイっと簡単に避けて思わずタメ口で答える。
「うるせぇな! 女はいいんだよ! 女は! 男に言われても全然嬉しくねぇわ!」
だって、と一言置き。
「俺、男だしな!」
そう、彼、桃ちゃんもしくは姫こと姫宮桃華は小柄で襟足よりちょっと長めの桃色の髪に大きな赤い目とパッと見女の子と間違われそうだがれっきとした男子高校生である。
「つか、由紀! なにさりげなくタメ口聞いてんだ! この先輩様をなんだと思って…」
一方、王子こと若王子由紀は桃華とは逆に高身長で白髪が目立つ、切れ長の紫の目をした男子高校生で桃華の幼なじみであり、1年後輩である。
「はいはい、このままだとらちあかないんで先輩も鞄も担いでいきますよ」
怒る桃華になだめるように話しかけると由紀は軽々と桃華を自分の肩に担いだ。
「今日も姫先輩と王子は仲睦まじいな~」
「な~!」
と、周囲を歩く後輩たちもいつもの光景だと微笑ましそうにしている。
「1年ども! なに勘違いしてんだ! 全然仲良くねぇ!!」
その声に桃華は怒りを覚えキャンキャンと犬のように吠えるが可愛い容姿と由紀に担がれているのも相まって全然説得力がない…
「「「きゃ~! 桃ちゃんせんぱ~い♪」」」
「よぉ!おはよー! 可愛い後輩たち」
打って変わって女子が声をかければ見事に上機嫌な桃華であった。
これもまたいつもの朝の風景である。
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