FEH創作支援会話フィル&リョウマ「剣に聖が宿る」
支援C
フィル:たのもーっ!
リョウマ:む?君は確か・・・
フィル:フィルです!リョウマ王子、今お時間よろしいでしょうか?
リョウマ:大丈夫だ。何か用か?
フィル:私とお手合わせいただきたいのです。
リョウマ:剣の稽古をつけろということか?
フィル:はい!白夜の剣術、学ばせていただきたいのです。
ご迷惑でしたでしょうか?
リョウマ:いや、構わない。君は剣士にしては若すぎるとは思っていたが、
自らを磨くのに余念が無いというのは感心する。
俺も異国の剣術には興味があったのでな。
フィル:ありがとうございます!
リョウマ:しかし子供であろうとも剣士であるのならば
俺は容赦はせん。
この命を奪うつもりで来ることだ!
フィル:はい!真剣にいきます!
リョウマ:こい!
支援B
フィル:はあっ!せいっ!
リョウマ:精が出るな、フィル。
フィル:リョウマ王子!先日はお手合わせいただき、ありがとうございました!
リョウマ:こちらこそありがとう。君の剣術は勉強になった。
フィル:それで、私に何か御用でしょうか?
リョウマ:うむ。
君は俺の想像していた以上に筋が良い。
俺も同じ剣士として君に興味が湧いてきたんだ。
フィル:きょ、恐縮です。
リョウマ:しかし、フィルは剣士として未熟なところもある。
だからエクラに相談したのだが、しばらく訓練の時は付ききりで俺が相手をしようと思う。
フィル:本当ですか!?
リョウマ:ああ。
俺は弟子をとったことはないが・・・
フィルが一人で訓練しているのを見ると、いてもたってもいられなくなってな。
共に戦う以外に、何か君の力になれることはないか考えてみたんだ。
君もあの一戦だけでは白夜の剣術を完全に掴んだとはいえないだろう?
フィル:はい!リョウマ王子から学べることは多い・・・。
願ってもないことです!
リョウマ:そういってくれるのは嬉しい。
だが、フィルの剣術も中々のものだぞ?
フィル:そ、そうでしょうか?
リョウマ:ああ。
自惚れで言うのではないが、まさか剣の速さで圧倒されるとは思いもよらなかった。
剣士としての鍛錬を続ければ、フィルは素晴らしい剣士になれるだろう。
俺はその手伝いをしたいし、
逆に君の剣から学べることもある。そう思っているのだ。
フィル:私も、私の剣がリョウマ王子の力になれるなら嬉しいです!
では早速、今これから稽古をつけていただいてもよろしいでしょうか?
リョウマ:ああ、いいだろう。
俺も即興だが、フィルのような速さで向かってくる剣に対抗する術を考えてきてみた。
是非試させてもらおう。
フィル:はい!では、参ります!
支援A
リョウマ:よし、今日はここまでだ。
フィル:ふぅ・・・ありがとうございました!
リョウマ:うむ。
しかし・・・。
フィル:?
リョウマ:また腕を上げたな、フィル。
君の成長には驚かされるばかりだ。
フィル:い、いえ!
自分はまだまだです。
リョウマ:・・・だが、まだ迷いがあるな。
フィル:はい・・・
リョウマ王子はすごいですね・・・わかってしまうなんて。
リョウマ:気負いすることはない。迷いは誰にでもある。
フィル:はぁ・・・
リョウマ:すぐには難しいか。
心配するな。フィルと何度か手合わせをして、
フィルの強さを俺なりに解釈してみたんだ。
フィル:私の強さ?
リョウマ:知っての通り、俺は一国の王子だ。
剣には常に責任が伴い、国のために剣を振るう。
俺は国の為に強くなることを義務付けられた。
フィル:はい。リョウマ王子のお話は分かります。
リョウマ:そのことに俺は不満は無い。
しかし・・・直感的な話になるのだが、それではどうしても限界があるのだ。
俺はカレル殿と同じく剣聖と呼ばれた身だが、
国に忠を尽くしている限り、剣に聖が宿ることはないと俺は思う。
フィル:剣に聖が宿る・・・ですか?
リョウマ:ああ。そもそも剣聖の称号とは、剣を振るう聖人というものだ。
優れた技術を持った剣士というものは剣豪と呼び、戦士の域を出ないものとなる。
しかしどれほどの技術をもったとして、戦士が聖人たりえるだろうか?
俺は自分をそのような聖人だとは信じられないのだ。
王子でもあり、軍の将でもあるからな。
自らの国の為にとはいえ、結局のところ利益の為に人を殺めるのだ。
そのような人物が聖なるものとは思えない。
フィル:・・・うーん。
リョウマ:わからなくてもいい。これはあらゆる剣士が直面する疑問だろう。
俺にも明確な答えはわからん。
だが・・・僅かにだが、フィルにはその素質を感じられる。
フィル:私に?
リョウマ:そこで先ほどの話に戻るのだが、フィルの剣は自由なのだ。
俺にはフィルの剣が、誰にも囚われることのない風そのものに見えた。
すでに俺も心眼に頼らなければお前の動きに追いつけない程にある。
これはフィルの心が剣に表れていることの証明にはならないだろうか?
フィル:それと私に剣聖の素質があることとどういう関係が?
リョウマ:うむ。
それはきっと人の夢とも関係している。
ただ純粋に剣の道に取り組むこと・・・
それはフィルにとっては当たり前のことかも知れない。
しかし、その自由を得たことはきっとフィルに力をくれるだろう。
カレル殿・・・今の姿からは剣聖となる未来は想像はつかないが、
彼も君と同じく自由を手にしたからこそ、その悟りを開くことができたのでは・・・
と、俺は考えているのだ。
フィル:・・・ううん、私にはまだよくわからないです。
でも、私が剣に集中できたことを嬉しく思わなかったことはありません。
それこそが剣聖への道であったのなら、こんなに幸福なことはないと思います。
リョウマ:ああ、大事なことだ。
ふふ、君といると俺も童心を思い出すよ。
ただ純粋に剣を振るうことを楽しみに過ごした日々を・・・
フィル:そ、それは・・・私がまだ子供っぽいということでしょうか?
リョウマ:ははは、そうともいえるな。
だが俺も楽しいよ、フィル。
戦の中ではこんな素直に剣に向き合えることはない。
剣士としては未だ道半ばである師匠だが、
これからも私との手合わせに付き合ってくれないか?
フィル:ええ、よろこんで!
支援S
フィル:あっ・・・
リョウマ:・・・。
む、フィルか。
フィル:すいません、王子。黙想の邪魔してしまったみたいですね。
リョウマ:いや、大丈夫だ。
そうだ、少しいいか?フィル。
フィル:はい、何でしょう?
リョウマ:俺はこうして手の空いた時に瞑想をしているが、
その時には俺の故郷・・・白夜国の風景が頭に浮かぶんだ。
桜の木々、平和を尊ぶ人々・・・俺にとっては雷神刀と等しく宝である故郷だ。
フィル:桜かぁ・・・私は見たことがないです。
リョウマ:しかし、ある日考えたことがある。
俺達は別の世界の者だが・・・エクラに召喚された。
言うなれば、この出会いは泡沫の夢のようなものだ。
フィル:夢?
リョウマ:幻と言い換えてもいい。
志を共にした仲間達や、かつてすれ違った筈の人間との再会も、
他の世界の者との出会いも、いつかはあるべき現実に戻る。
なかった事になるのだ。
フィル:そういうものでしょうか?
リョウマ:ああ。フィルもいつかは元の世界、
元の時代に帰らなくてはならなくなるだろう。
フィル:それは・・・なんだか寂しいものですね。
リョウマ:そうだな・・・。
だが、俺も俺なりに他の仲間に対して助けられることはなかったか、
残せるものはないか、考えてみたんだ。
フィル:それで私に剣の稽古をつけてくださったのですか?
リョウマ:ああ。もしかしたらあの日々さえ消えてしまうかもしれないが・・・。
俺はフィルと戦えて楽しかったぞ。
フィル:リョウマ王子・・・。
リョウマ:君は俺にとって仲間であると同時に、手強い好敵手だった。
俺がフィルに稽古をつけるとは言ったが、
相手をする度フィルの風の如き剣術に俺は悩まされたよ。
なんとか対抗策を編み出せないか、君に秘密で色んな修行もした。
その為にナバールやカレル殿、オグマに漆黒の騎士といった様々な英雄に頭を下げて
特訓に付き合ってもらっていたんだ。
フィル:ええっ!?
わ、私の剣に対抗するためだけに、そんなことまでしてたんですか!?
リョウマ:ああ。
とはいっても、カレル殿には断られてしまったが。
他にも色々な英雄に協力してもらった。
剛剣の使い手のアイク。踊るような剣術を扱うラズワルド。
隻眼の傭兵セーバー。俊足の剣士ロンクー。
俺は君と闘うという目的のために、剣士として純粋な時間を過ごせたのだ。
これは俺の元の世界では決して手に入らない、貴重な一時だったろう。
フィル:リョウマ王子は立場もありますからね。
確か今は白夜の王で、国政とかをやっているんでしたよね?
リョウマ:ああ。俺達の世界での戦いが終わってからも、俺は修行を欠かした事はなかった。
だが、元の世界に戻ってもここまで剣に取り組めることはもうないだろう。
君のおかげで、王ではなく一人の剣士として自分を見つめなおすことができた。
ありがとう、フィル。
フィル:そ、そんな。私のほうこそリョウマ王子から色んなことを教わりました。
戦の話、剣の話、心の話・・・どれも私にとっては大切な時間でした。
リョウマ:それはよかった。
花が散るように、俺達が共にする時間もいつかはなくなってしまうだろう。
しかし、君の夢が新たな芽となり花を咲かすことを俺は願っているよ。
フィル:はい、ありがとうございます!
リョウマ:なんだか俺のことばかり話してしまったな。
そうだ、フィルの故郷のことを訊いていいか?
フィル:私の故郷ですか・・・。
私の故郷はサカといって、どこまでも草原が続くようなところなんです。
私は本当のサカの民じゃないのでサカのことをよく知らないんですけど・・・
でも、リョウマさんに一度見てもらいたい景色です!
リョウマ:どこまでも続く草原か・・・。
俺はそのような場所を知らないが、それはきっと美しい土地なのだろう。
世界は広いな、フィル。
フィル:はい!私もリョウマさんの国の桜、見てみたいです。
リョウマ:ああ。桜の花はきっとフィルによく似合うだろう。
フィル:たのもーっ!
リョウマ:む?君は確か・・・
フィル:フィルです!リョウマ王子、今お時間よろしいでしょうか?
リョウマ:大丈夫だ。何か用か?
フィル:私とお手合わせいただきたいのです。
リョウマ:剣の稽古をつけろということか?
フィル:はい!白夜の剣術、学ばせていただきたいのです。
ご迷惑でしたでしょうか?
リョウマ:いや、構わない。君は剣士にしては若すぎるとは思っていたが、
自らを磨くのに余念が無いというのは感心する。
俺も異国の剣術には興味があったのでな。
フィル:ありがとうございます!
リョウマ:しかし子供であろうとも剣士であるのならば
俺は容赦はせん。
この命を奪うつもりで来ることだ!
フィル:はい!真剣にいきます!
リョウマ:こい!
支援B
フィル:はあっ!せいっ!
リョウマ:精が出るな、フィル。
フィル:リョウマ王子!先日はお手合わせいただき、ありがとうございました!
リョウマ:こちらこそありがとう。君の剣術は勉強になった。
フィル:それで、私に何か御用でしょうか?
リョウマ:うむ。
君は俺の想像していた以上に筋が良い。
俺も同じ剣士として君に興味が湧いてきたんだ。
フィル:きょ、恐縮です。
リョウマ:しかし、フィルは剣士として未熟なところもある。
だからエクラに相談したのだが、しばらく訓練の時は付ききりで俺が相手をしようと思う。
フィル:本当ですか!?
リョウマ:ああ。
俺は弟子をとったことはないが・・・
フィルが一人で訓練しているのを見ると、いてもたってもいられなくなってな。
共に戦う以外に、何か君の力になれることはないか考えてみたんだ。
君もあの一戦だけでは白夜の剣術を完全に掴んだとはいえないだろう?
フィル:はい!リョウマ王子から学べることは多い・・・。
願ってもないことです!
リョウマ:そういってくれるのは嬉しい。
だが、フィルの剣術も中々のものだぞ?
フィル:そ、そうでしょうか?
リョウマ:ああ。
自惚れで言うのではないが、まさか剣の速さで圧倒されるとは思いもよらなかった。
剣士としての鍛錬を続ければ、フィルは素晴らしい剣士になれるだろう。
俺はその手伝いをしたいし、
逆に君の剣から学べることもある。そう思っているのだ。
フィル:私も、私の剣がリョウマ王子の力になれるなら嬉しいです!
では早速、今これから稽古をつけていただいてもよろしいでしょうか?
リョウマ:ああ、いいだろう。
俺も即興だが、フィルのような速さで向かってくる剣に対抗する術を考えてきてみた。
是非試させてもらおう。
フィル:はい!では、参ります!
支援A
リョウマ:よし、今日はここまでだ。
フィル:ふぅ・・・ありがとうございました!
リョウマ:うむ。
しかし・・・。
フィル:?
リョウマ:また腕を上げたな、フィル。
君の成長には驚かされるばかりだ。
フィル:い、いえ!
自分はまだまだです。
リョウマ:・・・だが、まだ迷いがあるな。
フィル:はい・・・
リョウマ王子はすごいですね・・・わかってしまうなんて。
リョウマ:気負いすることはない。迷いは誰にでもある。
フィル:はぁ・・・
リョウマ:すぐには難しいか。
心配するな。フィルと何度か手合わせをして、
フィルの強さを俺なりに解釈してみたんだ。
フィル:私の強さ?
リョウマ:知っての通り、俺は一国の王子だ。
剣には常に責任が伴い、国のために剣を振るう。
俺は国の為に強くなることを義務付けられた。
フィル:はい。リョウマ王子のお話は分かります。
リョウマ:そのことに俺は不満は無い。
しかし・・・直感的な話になるのだが、それではどうしても限界があるのだ。
俺はカレル殿と同じく剣聖と呼ばれた身だが、
国に忠を尽くしている限り、剣に聖が宿ることはないと俺は思う。
フィル:剣に聖が宿る・・・ですか?
リョウマ:ああ。そもそも剣聖の称号とは、剣を振るう聖人というものだ。
優れた技術を持った剣士というものは剣豪と呼び、戦士の域を出ないものとなる。
しかしどれほどの技術をもったとして、戦士が聖人たりえるだろうか?
俺は自分をそのような聖人だとは信じられないのだ。
王子でもあり、軍の将でもあるからな。
自らの国の為にとはいえ、結局のところ利益の為に人を殺めるのだ。
そのような人物が聖なるものとは思えない。
フィル:・・・うーん。
リョウマ:わからなくてもいい。これはあらゆる剣士が直面する疑問だろう。
俺にも明確な答えはわからん。
だが・・・僅かにだが、フィルにはその素質を感じられる。
フィル:私に?
リョウマ:そこで先ほどの話に戻るのだが、フィルの剣は自由なのだ。
俺にはフィルの剣が、誰にも囚われることのない風そのものに見えた。
すでに俺も心眼に頼らなければお前の動きに追いつけない程にある。
これはフィルの心が剣に表れていることの証明にはならないだろうか?
フィル:それと私に剣聖の素質があることとどういう関係が?
リョウマ:うむ。
それはきっと人の夢とも関係している。
ただ純粋に剣の道に取り組むこと・・・
それはフィルにとっては当たり前のことかも知れない。
しかし、その自由を得たことはきっとフィルに力をくれるだろう。
カレル殿・・・今の姿からは剣聖となる未来は想像はつかないが、
彼も君と同じく自由を手にしたからこそ、その悟りを開くことができたのでは・・・
と、俺は考えているのだ。
フィル:・・・ううん、私にはまだよくわからないです。
でも、私が剣に集中できたことを嬉しく思わなかったことはありません。
それこそが剣聖への道であったのなら、こんなに幸福なことはないと思います。
リョウマ:ああ、大事なことだ。
ふふ、君といると俺も童心を思い出すよ。
ただ純粋に剣を振るうことを楽しみに過ごした日々を・・・
フィル:そ、それは・・・私がまだ子供っぽいということでしょうか?
リョウマ:ははは、そうともいえるな。
だが俺も楽しいよ、フィル。
戦の中ではこんな素直に剣に向き合えることはない。
剣士としては未だ道半ばである師匠だが、
これからも私との手合わせに付き合ってくれないか?
フィル:ええ、よろこんで!
支援S
フィル:あっ・・・
リョウマ:・・・。
む、フィルか。
フィル:すいません、王子。黙想の邪魔してしまったみたいですね。
リョウマ:いや、大丈夫だ。
そうだ、少しいいか?フィル。
フィル:はい、何でしょう?
リョウマ:俺はこうして手の空いた時に瞑想をしているが、
その時には俺の故郷・・・白夜国の風景が頭に浮かぶんだ。
桜の木々、平和を尊ぶ人々・・・俺にとっては雷神刀と等しく宝である故郷だ。
フィル:桜かぁ・・・私は見たことがないです。
リョウマ:しかし、ある日考えたことがある。
俺達は別の世界の者だが・・・エクラに召喚された。
言うなれば、この出会いは泡沫の夢のようなものだ。
フィル:夢?
リョウマ:幻と言い換えてもいい。
志を共にした仲間達や、かつてすれ違った筈の人間との再会も、
他の世界の者との出会いも、いつかはあるべき現実に戻る。
なかった事になるのだ。
フィル:そういうものでしょうか?
リョウマ:ああ。フィルもいつかは元の世界、
元の時代に帰らなくてはならなくなるだろう。
フィル:それは・・・なんだか寂しいものですね。
リョウマ:そうだな・・・。
だが、俺も俺なりに他の仲間に対して助けられることはなかったか、
残せるものはないか、考えてみたんだ。
フィル:それで私に剣の稽古をつけてくださったのですか?
リョウマ:ああ。もしかしたらあの日々さえ消えてしまうかもしれないが・・・。
俺はフィルと戦えて楽しかったぞ。
フィル:リョウマ王子・・・。
リョウマ:君は俺にとって仲間であると同時に、手強い好敵手だった。
俺がフィルに稽古をつけるとは言ったが、
相手をする度フィルの風の如き剣術に俺は悩まされたよ。
なんとか対抗策を編み出せないか、君に秘密で色んな修行もした。
その為にナバールやカレル殿、オグマに漆黒の騎士といった様々な英雄に頭を下げて
特訓に付き合ってもらっていたんだ。
フィル:ええっ!?
わ、私の剣に対抗するためだけに、そんなことまでしてたんですか!?
リョウマ:ああ。
とはいっても、カレル殿には断られてしまったが。
他にも色々な英雄に協力してもらった。
剛剣の使い手のアイク。踊るような剣術を扱うラズワルド。
隻眼の傭兵セーバー。俊足の剣士ロンクー。
俺は君と闘うという目的のために、剣士として純粋な時間を過ごせたのだ。
これは俺の元の世界では決して手に入らない、貴重な一時だったろう。
フィル:リョウマ王子は立場もありますからね。
確か今は白夜の王で、国政とかをやっているんでしたよね?
リョウマ:ああ。俺達の世界での戦いが終わってからも、俺は修行を欠かした事はなかった。
だが、元の世界に戻ってもここまで剣に取り組めることはもうないだろう。
君のおかげで、王ではなく一人の剣士として自分を見つめなおすことができた。
ありがとう、フィル。
フィル:そ、そんな。私のほうこそリョウマ王子から色んなことを教わりました。
戦の話、剣の話、心の話・・・どれも私にとっては大切な時間でした。
リョウマ:それはよかった。
花が散るように、俺達が共にする時間もいつかはなくなってしまうだろう。
しかし、君の夢が新たな芽となり花を咲かすことを俺は願っているよ。
フィル:はい、ありがとうございます!
リョウマ:なんだか俺のことばかり話してしまったな。
そうだ、フィルの故郷のことを訊いていいか?
フィル:私の故郷ですか・・・。
私の故郷はサカといって、どこまでも草原が続くようなところなんです。
私は本当のサカの民じゃないのでサカのことをよく知らないんですけど・・・
でも、リョウマさんに一度見てもらいたい景色です!
リョウマ:どこまでも続く草原か・・・。
俺はそのような場所を知らないが、それはきっと美しい土地なのだろう。
世界は広いな、フィル。
フィル:はい!私もリョウマさんの国の桜、見てみたいです。
リョウマ:ああ。桜の花はきっとフィルによく似合うだろう。
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