ぱろっ
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自室で床に座っているナナの頬に柔らかい、自分のものではない髪が触れる。さらに横で彼女が見ている液晶画面を共に見る顔があった。
画面はノートパソコンで、ナナはキーボードを忙しなく指で叩いている。
「リンク」
「ん?」
「飲み物買ってきたいから離して」
「僕が行ってくるよ。何がいい?」
「ミルクティーがいい」
「わかった」
横にあった顔、もとい彼女を後ろから抱きしめていたリンクは、ナナのお腹に回していた手を離して立ち上がった。
それからナナから鍵を受け取って外に出て行った。見送った彼女は再びパソコンと睨めっこを始める。
暫くすればリンクは帰ってきた。
「ただいま」
「おかえり」
「これでいい?」
「うん。ありがとう」
「終わりそう?」
「あと少し」
彼はナナに求められた物を渡すと、また彼女の後ろに座ってお腹に手を回し抱きしめた。ナナはもらったミルクティーを一口飲んでキーボードをたたく。その間、リンクは邪魔にならない程度にナナの頬に自分の頬を合わせる。
「レポート終わり!」
「お疲れ様」
「リンクもありがとう。資料貸してくれて」
「いいよ。僕終わってたしナナと居られるし」
ナナはレポートを書いていたようで、それが今終わったようだった。リンクは彼女に労りの言葉をかけた。それから控えていた密着度をさらにあげてナナのこめかみや耳に口づけをし始めた。
「くすぐったいよ」
「ん」
「ふふっ」
口づけが首にまでたどり着くと、彼は顔を離してナナの頬にまた自分の頬を合わせた。くすぐったさで笑ったナナは自重をリンクにあずける。それが嬉しいのか、リンクはさらに隙間をなくすように体を密着させた。
「ね、これから何する?」
「ナナは何がしたい?」
「リンクっていつもそう。自分の意見も言ってよ」
「僕はナナがやりたいことを一緒にやりたい」
「そーじゃなくてぇ」
いつも主導権を渡すリンクに、ナナは今度こそ言ってやらねばと顔を彼に向ける。
しかしリンクはにこにこと幸せそうに笑っている。その顔が本当に幸せそうで、暖かく見つめてくる青い瞳が綺麗で、彼女は口を結んだ。
「なぁに?」
最後に溶けるような声で聞いてくる。
いつもこの流れに負けて結局彼女のやりたいことになるのだ。しかし今回は違った。
ぎゅうと目をつむって小さく顔を横に振る。
「私だってリンクのお願いをかなえたいの!」
「えー?」
「好きな人のお願いはかなえたいじゃない…リンクだってそうでしょ?」
「そういわれると困るな…」
彼と同じ気持ちであることを話せば、リンクは笑いながら困った顔になった。ナナのお腹に回していた片方の手を彼女の手に伸ばして絡めとる。悩んでいるのか手をにぎにぎと優しく握ったり、撫でたりして遊びはじめた。
「ね、何したい?ねぇ」
「うーん…何かしたい…したいことか…えぇーと…」
「そこまで悩むこと…?」
「だって、ナナと一緒に居られるだけで幸せだから…」
またナナは口を結んだ。
そしてうまくまとまらない頭でリンクの体に頭突きを一ついれる。
「いたっなんで?!」
「…」
「照れてる?」
「…」
「んふふ、可愛い。大好き。ナナのこと好きだよ」
「んー!」
彼女の行動に一瞬戸惑ったが、理由がわかればリンクはナナを包むように抱きしめる。密着しているせいで、彼の声と言葉が彼女の耳を優しくなでていく。
熱さと暖かさが同時に体中をめぐり、余計ナナの顔を赤くさせた。
「僕、こうしてナナと一緒にいるのがやりたいことかも」
「んえ」
「こうやって好きって言って、ナナを抱きしめて、くっついてるのが一番やりたい」
「でも、そんなの毎日で…」
「うん。毎日君に言いたいし、抱きしめたい」
「…」
リンクは優しく、強くナナを抱きしめる。幸せそうなはずなのに、切なそうな目で彼女を見る。
「…リンク、泣かないで」
「泣いてないよ」
「でも、悲しそう」
「そうかな」
「そう見えるよ」
ナナは空いている手で彼の頬を撫でた。その手に彼はすりよる。
「ごめんね。なんだか、無理なお願い言っちゃって」
「違う違う!ナナは何も悪くないよ!」
「でも、そんな考えることだと思わなくて…」
「僕がナナのこと好きすぎてどうにかなりそうなだけだから!本当に!だから落ち込まないで!」
「…うん」
しょんぼりと落ち込んだナナを見て、リンクは慌てて弁明を始める。優しくナナを包み、顔に口づけを落としていく。
額から始まり、瞼、鼻、頬と下がり、最後にナナの唇に触れて離れた。
「…ねえナナ」
「なに?」
「ひとつやりたいこと思いついたんだけど」
「なに⁉言って言って!」
先ほどまでの落ち込み具合が消え、元気に食いついた。
リンクは安心した顔になり、そのままナナの耳元に顔を寄せる。
「僕の部屋に来て朝までベッドに一緒に居てほしい」
「…」
なんだそんなことか。とナナは思ったが、よくよく彼の言葉を反芻して顔から湯気が出そうなほど真っ赤にした。
変わらずリンクはにこにこと笑って見ている。そこに深い意味があるのかないのか、ナナにならわかってしまう。
「どう?僕のやりたいこと」
「…いいよ」
「やった」
「でも明日は授業だから起こしてね!」
「わかってるよ」
二人は少し笑いあうと、外に出る準備を始めた。
「パソコンもっていく?」
「うん」
「じゃあ朝ごはん用に何か買っていこうか」
「いい加減何か作れるようになりなよ」
「ナナのご飯が食べたいからあんまり頑張らないでおくね」
「私の代わりに作るっていう考えはないの?」
会話をしながら、部屋の電気が消え、飲みかけのミルクティーが残された。
君は心臓