公安×志賀 颯太郎
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志賀さん話の続き
※桃山と津軽さん視点編
歩さんの笑顔を思い出しながら、
満員電車を抜けて、病院に出勤した。
(今日で潜入から1週間…)
(昨日の接触をきっかけに、)
(進展させないと)
意気込んで更衣室のドアを開ける。
同僚の女性たちからの挨拶を受けながら、
様々な噂に耳を傾けるも、
これといった情報はなかったーーー
あっという間に、ランチタイム。
公園のベンチに座り、適当に買ったサンドイッチを口に放り込む。
スマホを見ると、志賀さんから返信が来ていた。
『今夜、空いているか?君が良ければ、約束した話をしたい』
(ちょ、直球…!!)
早速の誘いをYESで返信し、
津軽さんにも報告を入れる。
(今夜、志賀さんと会う約束ができました。情報を引き出してきます…っと)
返信して、スマホを閉じようとすると、
電話が鳴った。
(ん…津軽さんだ)
(急ぎの用かな…)
桃山「はい、お疲れ様です」
津軽「ウサ、何時からどこ?」
桃山「へっ?」
津軽「さっきの」
桃山「あ、ああ…まだ場所は…あっ、ちょっと待ってください。いま返信きたかもしれません。確認するので一回電話離しますね」
断りを入れてメッセージを開くと、
志賀さんからの返信が来ていた。
そのまま記憶して、津軽さんに伝える。
桃山「わかりました。19時から港区の×××ってお店です」
津軽「了解。…ウサ、浮かれてないよね?」
桃山「えっ?」
津軽「…いや、何でもない。忘れて」
桃山「は、はい…」
津軽「じゃ、用件はそれだけだから」
桃山「はい、お疲れ様です」
ツーツー…と、電話が切れた。
(浮かれてないよねって、どういう…)
意図が分からず、じっと考え込む。
よくよく考えると、場所と時間を聞かれたことも不自然だ。
(まさか応援よこすわけないだろうし…)
津軽さんのことだから、何か意図はあるはず。
(と、とりあず!今日の夜、)
(情報を引き出せるようにがんばろう…!)
頭から考えを離して、切り替えた。
※ここから津軽視点※
19時。港区の×××に到着。
女性A「王子、行きましょ!」
津軽「ああ、うん」
名前も知らない女の子とお店に入る。
1人で入るような店じゃないし、
適当に連絡のついた女の子を連れてきた。
(王子ってことは、)
(ホスト時代に知り合ったのかな)
(ま、どうでも良いけど…)
女の子とは、適当に会話を合わせながら、
店内を見回す。目当ての席を見つけて、
そこからちょうど視角になりそうな、
離れた席を指定して座った。
目の前にいる女の子と会話してるフリをして、頭の中では違うことを考えていた。
(ハニトラだって、頭ではわかってる)
(感情なんで芽生えない、)
でも、と心の中で考えがつっかえる。
こんなこと、普段はしない。
自分がどうかしてるとも思う。
(ウサなら、)
(万が一、本気にってことも…)
(……相手だって、狼な訳だし)
そう、自分は万が一に備えてきただけ。
女性警官の身を守るため。
大切な班員の部下を守るため。
……なんてのは、口実だってわかってる。
(大体、透くんが、)
(あんなこと言うから…)
ーーー今朝のこと。
登庁すると、石神班がざわついていた。
話題の中心は、透くんのようだ。
津軽「なに、どうしたの」
人だかりに近づいて、声をかける。
石神「大したことはない、全員席に戻れ」
黒澤「はーい」
バラバラと席に散っていく中、
気になって、透君に声を掛けた。
津軽「良いことでもあった?」
黒澤「やっぱり津軽さんも気になっちゃいます?ちょもちゃんのこと…」
津軽「えっ」
(ウサの話だったの?)
(まったく想定外なんだけど…)
想定外ということは悟られないように、
いつものポーカーフェイスで、
透君と会話を続ける。
津軽「班長としては気にかけないとね。…で、うちのウサがどうしたの?」
透君は少し俺に近づき、声を潜めて言った。
黒澤「昨日、見たんですよ。捜査中に」
津軽「……」
黒澤「で、例の人と良い感じでしたよ。結婚でも申し込まれそうな勢いで。めちゃくちゃお似合いでした」
ーーーなんて言うから。
(俺だって男だよ!?)
(煽られたら…気になるじゃん…)
誰にでもない主張を自分に向けて、
小さくため息をつく。
遠くから見える彼女は、
楽しそうに談笑しているようだ。
女性A「……王子?」
津軽「ん?」
女性A「料理、食べないの?美味しいよ」
いつの間にか、料理が運ばれてきていた。
グラスを交わして、口に運ぶ。
食べながらも、適当に会話を受け流しながら、意識はちょもたちの席に向けていた。
(……ウサって、あんな可愛かったっけ)
(なんか、今日めちゃくちゃ可愛くない?)
遠目に見える姿からも、
張り切っておしゃれしてきたことがわかる。
(あのワンピース見たことないし…)
(いつの間に新しいワンピ買ってたんだよ…)
(いやいや、なに彼氏ヅラしてんの俺)
悶々と、自分で会話が続く。
ニコニコとしている目の前の女の子に、
適当に頷いたり、相槌を返しながら。
(あっ、ちょもが志賀の手を…)
(あの仕草、普段俺がやってるやつじゃ…)
(……ちょっと、成長しすぎじゃない?)
(俺の指導が効いてるってこと…?)
ウサの成長ぶりに感心して、心の中で頷く。
ウサは、すぐ周りと打ち解ける。
性格、育ち、天性のものだと思う。
(俺とは、違う人間)
彼女の持つ、ひた向きな姿勢、志、強さ、
そこに惹かれる人は、男女問わずだろう。
(わかってる、わかってる…)
(でも、俺の手元に……)
自分の意識に集中してしまった。
ふっと、ちょもたちの席を見ると、
立ち上がって店を出て行こうとしている。
テキストメッセージでモモに連絡して、
追跡を頼んだ。
津軽「……じゃ、そろそろ出よっか」
女性A「えー!もう行っちゃうの?王子ともっと一緒にいたいな……」
(その言葉をウサから聞けたら、)
(どんなに心地よかったか…)
また、どうでも良い思考が過ぎる。
津軽「ごめんね、ちょっと用事あってさ」
女性A「ほ、他の女じゃないよね!?」
津軽「んーどう思う?なーいしょ」
女性「王子のいじわる!もう知らない!」
女の子はスタスタと先に出て行ってしまい、
伝票だけが手元に残る。
(ま、こう言う女の子ばっかりだよな)
(これくらい軽かったら、楽なのに)
淡い気持ちを胸にしまって、
伝票を手に取り、店の出口に向かった。
※続く
※桃山と津軽さん視点編
歩さんの笑顔を思い出しながら、
満員電車を抜けて、病院に出勤した。
(今日で潜入から1週間…)
(昨日の接触をきっかけに、)
(進展させないと)
意気込んで更衣室のドアを開ける。
同僚の女性たちからの挨拶を受けながら、
様々な噂に耳を傾けるも、
これといった情報はなかったーーー
あっという間に、ランチタイム。
公園のベンチに座り、適当に買ったサンドイッチを口に放り込む。
スマホを見ると、志賀さんから返信が来ていた。
『今夜、空いているか?君が良ければ、約束した話をしたい』
(ちょ、直球…!!)
早速の誘いをYESで返信し、
津軽さんにも報告を入れる。
(今夜、志賀さんと会う約束ができました。情報を引き出してきます…っと)
返信して、スマホを閉じようとすると、
電話が鳴った。
(ん…津軽さんだ)
(急ぎの用かな…)
桃山「はい、お疲れ様です」
津軽「ウサ、何時からどこ?」
桃山「へっ?」
津軽「さっきの」
桃山「あ、ああ…まだ場所は…あっ、ちょっと待ってください。いま返信きたかもしれません。確認するので一回電話離しますね」
断りを入れてメッセージを開くと、
志賀さんからの返信が来ていた。
そのまま記憶して、津軽さんに伝える。
桃山「わかりました。19時から港区の×××ってお店です」
津軽「了解。…ウサ、浮かれてないよね?」
桃山「えっ?」
津軽「…いや、何でもない。忘れて」
桃山「は、はい…」
津軽「じゃ、用件はそれだけだから」
桃山「はい、お疲れ様です」
ツーツー…と、電話が切れた。
(浮かれてないよねって、どういう…)
意図が分からず、じっと考え込む。
よくよく考えると、場所と時間を聞かれたことも不自然だ。
(まさか応援よこすわけないだろうし…)
津軽さんのことだから、何か意図はあるはず。
(と、とりあず!今日の夜、)
(情報を引き出せるようにがんばろう…!)
頭から考えを離して、切り替えた。
※ここから津軽視点※
19時。港区の×××に到着。
女性A「王子、行きましょ!」
津軽「ああ、うん」
名前も知らない女の子とお店に入る。
1人で入るような店じゃないし、
適当に連絡のついた女の子を連れてきた。
(王子ってことは、)
(ホスト時代に知り合ったのかな)
(ま、どうでも良いけど…)
女の子とは、適当に会話を合わせながら、
店内を見回す。目当ての席を見つけて、
そこからちょうど視角になりそうな、
離れた席を指定して座った。
目の前にいる女の子と会話してるフリをして、頭の中では違うことを考えていた。
(ハニトラだって、頭ではわかってる)
(感情なんで芽生えない、)
でも、と心の中で考えがつっかえる。
こんなこと、普段はしない。
自分がどうかしてるとも思う。
(ウサなら、)
(万が一、本気にってことも…)
(……相手だって、狼な訳だし)
そう、自分は万が一に備えてきただけ。
女性警官の身を守るため。
大切な班員の部下を守るため。
……なんてのは、口実だってわかってる。
(大体、透くんが、)
(あんなこと言うから…)
ーーー今朝のこと。
登庁すると、石神班がざわついていた。
話題の中心は、透くんのようだ。
津軽「なに、どうしたの」
人だかりに近づいて、声をかける。
石神「大したことはない、全員席に戻れ」
黒澤「はーい」
バラバラと席に散っていく中、
気になって、透君に声を掛けた。
津軽「良いことでもあった?」
黒澤「やっぱり津軽さんも気になっちゃいます?ちょもちゃんのこと…」
津軽「えっ」
(ウサの話だったの?)
(まったく想定外なんだけど…)
想定外ということは悟られないように、
いつものポーカーフェイスで、
透君と会話を続ける。
津軽「班長としては気にかけないとね。…で、うちのウサがどうしたの?」
透君は少し俺に近づき、声を潜めて言った。
黒澤「昨日、見たんですよ。捜査中に」
津軽「……」
黒澤「で、例の人と良い感じでしたよ。結婚でも申し込まれそうな勢いで。めちゃくちゃお似合いでした」
ーーーなんて言うから。
(俺だって男だよ!?)
(煽られたら…気になるじゃん…)
誰にでもない主張を自分に向けて、
小さくため息をつく。
遠くから見える彼女は、
楽しそうに談笑しているようだ。
女性A「……王子?」
津軽「ん?」
女性A「料理、食べないの?美味しいよ」
いつの間にか、料理が運ばれてきていた。
グラスを交わして、口に運ぶ。
食べながらも、適当に会話を受け流しながら、意識はちょもたちの席に向けていた。
(……ウサって、あんな可愛かったっけ)
(なんか、今日めちゃくちゃ可愛くない?)
遠目に見える姿からも、
張り切っておしゃれしてきたことがわかる。
(あのワンピース見たことないし…)
(いつの間に新しいワンピ買ってたんだよ…)
(いやいや、なに彼氏ヅラしてんの俺)
悶々と、自分で会話が続く。
ニコニコとしている目の前の女の子に、
適当に頷いたり、相槌を返しながら。
(あっ、ちょもが志賀の手を…)
(あの仕草、普段俺がやってるやつじゃ…)
(……ちょっと、成長しすぎじゃない?)
(俺の指導が効いてるってこと…?)
ウサの成長ぶりに感心して、心の中で頷く。
ウサは、すぐ周りと打ち解ける。
性格、育ち、天性のものだと思う。
(俺とは、違う人間)
彼女の持つ、ひた向きな姿勢、志、強さ、
そこに惹かれる人は、男女問わずだろう。
(わかってる、わかってる…)
(でも、俺の手元に……)
自分の意識に集中してしまった。
ふっと、ちょもたちの席を見ると、
立ち上がって店を出て行こうとしている。
テキストメッセージでモモに連絡して、
追跡を頼んだ。
津軽「……じゃ、そろそろ出よっか」
女性A「えー!もう行っちゃうの?王子ともっと一緒にいたいな……」
(その言葉をウサから聞けたら、)
(どんなに心地よかったか…)
また、どうでも良い思考が過ぎる。
津軽「ごめんね、ちょっと用事あってさ」
女性A「ほ、他の女じゃないよね!?」
津軽「んーどう思う?なーいしょ」
女性「王子のいじわる!もう知らない!」
女の子はスタスタと先に出て行ってしまい、
伝票だけが手元に残る。
(ま、こう言う女の子ばっかりだよな)
(これくらい軽かったら、楽なのに)
淡い気持ちを胸にしまって、
伝票を手に取り、店の出口に向かった。
※続く