公安×志賀 颯太郎
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
19-1のつづき
そしてーーー
黒澤「もしかして、志賀先生ですか?」
志賀「はい」
黒澤「いやー!まさかお会いできるとは。私、○△ジャーナルの✖︎✖︎と申します。先日の医療雑誌を拝読しましてーーー」
(よよよ、よりによって、)
(黒澤さんに出会ってしまうなんて…!)
会場に入ってから志賀さんに連れられ、
医療や財界などの人と挨拶を交わしていた。
そんな中、黒澤さんから声をかけられた。
黒澤さんはどうやら、経済雑誌のジャーナリストとして潜り込んでいるようだ。
(今回は合同捜査じゃないから、)
(石神班も、捜査してるんだ…)
(津軽さんは、何も言ってなかったけど…)
黒澤「ーーーところで、お連れの方は…」
志賀「ああ、私の婚約者だ。ちょも」
志賀さんに呼ばれたと同時に、
腰に手を当てて、身体を引き寄せられる。
黒澤さんと目が合うと、ほんの一瞬だけ目を細めて、すぐに営業スマイルを向けられる。
桃山「ええと…、桃山ちょもと申します。」
黒澤「桃山さんですか。志賀先生、ご婚約おめでとうございます。今後の参考としてぜひ教えていただきたいのですが、こんなに綺麗な方とは、一体どうやって知り合えるんですか?」
志賀「それはーーー」
(黒澤さん、若干楽しんでるような…)
桃山「…す、すみません。私ちょっと席を外しますね」
志賀さんと黒澤さんに声をかけて、
その場を離れ、静かな廊下に出た。
桃山「ふぅ……」
変な汗をかいた。
パタパタと片手で顔を仰ぎながら、
廊下のソファに座り込む。
(一旦、頭を冷やそう…)
目を閉じで、今日の出来事を振り返る。
突然、志賀さんに連れられて、パーティ会場にやってきて。会いたくなかった黒澤さんに会ってしまい…。
?「お客様、お困りですか?」
桃山「あっすみません。ちょっと休んでいただけで……って」
目を開いて声の主を見るとーーー
東雲「………どうかしましたか?」
桃山「あっ……む…」
そこには、ホテルマンに扮した歩さんが立っていた。
思わず名前を呼びかけ、慌てて自分で手を口に当てて黙った。
桃山「………」
東雲「大丈夫ですな?お疲れでしたら、空き室にご案内しますが…」
桃山「あ、じゃ、じゃあお願いします!」
そうして歩さんに連れられ、
同じフロアの廊下の先を抜けて、
ホテルの一室に通される。
スイートルームのようで、扉からみえる廊下の奥には、ソファとテーブルや高そうな花瓶がみえる。
東雲「どうぞ、こちらをお使いください。」
桃山「あ、ありがとうございます。……あっあの、空調の調整を教えていただきたいので、中に一緒に入っていただいても…?」
東雲「…ええ。かしこまりました」
歩さんを招き入れて、扉がガチャンと閉じる。
桃山「ええっと、こっちに…」
先に歩さんを部屋に通しながら、
しっかり鍵をかけて、戸締りをした。
ソファにたどり着く前に、
歩さんが立ち止まり、こちらを振り返る。
営業スマイルは消え失せて、眉間に皺を寄せて、怪訝そうな顔をしている。
東雲「……で、なんでここに?キミが」
桃山「えーっと……リアルシンデレラストーリーを歩んでいまして…」
東雲「何それ。…あの人の指示?」
桃山「大元はそうです。ただ、志賀さんといるのは、成り行きというかなんというか…」
東雲「志賀…?」
桃山「…あっ!そこは知らなかったんですね。ええと…」
捜査資料に触れない程度で、
簡単に、現状の説明をする。
歩さんは表情ひとつ変えず、話を聞いて、
言葉を発した。
東雲「ふーん…。物好きな人もいたもんだね。キミが婚約者だなんて」
ふっとからかうような笑みを見せる。
(物好きって…!)
(そりゃヤマタヌポンだけど…)
(でも歩さんの……彼女…なんだけど…)
なんとも言えないもやっとした感情が、
胸の奥でギュッとする。
桃山「そ、それは相手にも色々事情が…。いやでも私は歩さん一筋なんで!これもハニトラなんで!仕事なんで!」
強がって歩さんに訴えかけると、
真剣な表情に戻った。
東雲「……まぁ、いつもより」
歩さんは、品定めでもするように、
じっと上から下まで視線を走らせる。
(な、なんか緊張する…)
桃山「な、なんでしょう…か…」
恐る恐る聞くと、またからかうような笑みを見せてきた。
東雲「…いいんじゃない?馬子にも衣装って言うし」
桃山「そ、そこは綺麗だねって褒めるところじゃ!!」
東雲「……他の男が選んだドレス着て、褒めるわけないじゃん」
ボソッと、歩さんが何かを呟いた。
桃山「え?いま何か言いました?」
東雲「……別に。そろそろ、志賀先生が探してるんじゃない?」
桃山「たしかにそうかもしれません。…-でも、ちょっとだけ…ぎゅってしてもいいですか…!」
東雲「ダメ。いま勤務中」
あっさり断られて、肩を落とす。
そりゃ、ダメだとは思ってたけど、即答…。
桃山「………はい」
東雲「…そんなハグしたいなら、うちに来れば。今夜」
桃山「え!!!いいんですか!!」
東雲「顔、近すぎ。…好きにすれば」
桃山「ふふ…頑張ります!」
東雲「……バカ」
歩さんは、鏡の前で身だしなみを整えて、
扉の鍵を開けて、営業スマイルに戻る。
東雲「それでは、また何かありましたらルームサービスまでご連絡ください。失礼致します」
桃山「……はい。ありがとうございました。」
部屋のソファに座り込む。
(歩さんのホテルマン姿、)
(めちゃかっこよかった………)
はぁぁぁとため息をつく。
(喉乾いたな…)
冷蔵庫から水のペットボトルを取り出して、
冷たい水を喉に流し込む。
そのとき、コンコンと、
扉をノックする音が聞こえた。
?「ちょも、いるか?」
声が聞こえて、扉に近づく。
桃山「はい」
?「ちょも、俺だ。開ける」
開いた扉の先に、志賀さんが立っていた。
志賀「大丈夫か?…顔が赤いな」
桃山「そ、颯太郎さん。すみません、突然離れてしまって…」
志賀「いや、いいんだ。不慣れな場で無理をさせてしまっていただろう。すまない。…それよりも、」
そのままを引かれ、ソファに座らせられる。
真剣な顔で手首を握られた。
桃山「な、なにを……」
志賀「静かに、大丈夫だから」
ふっと優しい笑顔を向けられる。
(あっ、脈測ってるのか…)
(いきなり手を握られて焦った…!!)
志賀「大丈夫そうだが…」
今度は首に手を当てられて、そのまま、
そっとおでこに手を当てられる。
(顔が近くて……)
(余計熱があがるって!!!)
(なんだこれ、ハニトラかけられてる…!?)
志賀「…問題ないな」
桃山「は、はい。…ありがとうございます」
志賀「いや、お礼を言うのは、俺の方だ」
桃山「……」
志賀「……」
じっと見つめられて、気まずくなって目を逸らす。
(……ん?っていうか、)
(いまホテルの一室で、2人きり…)
(……ま、まさかそんな展開ないよね!)
(……いやいや、公安として寧ろハニートラップを仕掛けるべきなのでは!?)
頭の中で思考がぐるぐる巡る。
ふと、志賀さんの手が髪に触れた。
桃山「!?」
志賀「…あ、ああ。すまない。無意識だった」
照れくさそうに、慌てて手を引く。
どうすべきか悩んでいると、志賀さんが立ち上がった。
志賀「君は、もう少しここにいてくれ。迎えを寄越す」
桃山「……あ、あの!」
志賀「どうした?」
桃山「も、もし良かったらなんですけど…。颯太郎さんの…いえ、志賀さんの連絡先を伺ってもいいですか…?」
志賀「……」
桃山「あっいやっ、でも清掃員の分際でダメですよね!なんでもないです!今日は素敵な体験をありがとうございました」
志賀「……まだ、終わってない」
桃山「えっ?」
志賀「……桃山さんに、理由を説明していない。また次に、必ず話す」
メモに電話番号を書いて渡された。
メモを受け取ると、重なるように手が置かれる。
桃山「て、手が……」
志賀「桃山さん、今日は本当にありがとう。…君と出会えた良い夜だった」
志賀さんは、そのまま手を口元に近づけ、
手の甲にキスをされた。
(!?!?)
驚いていると、志賀さんがまたふっと柔らかい絵がを向けて、笑う。
手を離し、髪を撫でるように頭を撫でられて、志賀さんが部屋から出て行った。
唖然。心臓がドキドキしている。
(………ふふふふふかくにも、ときめいてしまった)
(ハニトラ仕掛けるどころか、)
(仕掛けられてるよ…!!!)
気持ちを落ち着かせるため、
ペットボトルの水を再び喉に流し込む。
(冷静に、冷静に………)
(これは仕事。仕事の付き合い……)
清掃員として情報収集するよりも、
志賀さん個人に近づけた方が、
断然情報は集まるだろう。
とりあえず、今日のことを津軽さんに報告して…。
※つづく
そしてーーー
黒澤「もしかして、志賀先生ですか?」
志賀「はい」
黒澤「いやー!まさかお会いできるとは。私、○△ジャーナルの✖︎✖︎と申します。先日の医療雑誌を拝読しましてーーー」
(よよよ、よりによって、)
(黒澤さんに出会ってしまうなんて…!)
会場に入ってから志賀さんに連れられ、
医療や財界などの人と挨拶を交わしていた。
そんな中、黒澤さんから声をかけられた。
黒澤さんはどうやら、経済雑誌のジャーナリストとして潜り込んでいるようだ。
(今回は合同捜査じゃないから、)
(石神班も、捜査してるんだ…)
(津軽さんは、何も言ってなかったけど…)
黒澤「ーーーところで、お連れの方は…」
志賀「ああ、私の婚約者だ。ちょも」
志賀さんに呼ばれたと同時に、
腰に手を当てて、身体を引き寄せられる。
黒澤さんと目が合うと、ほんの一瞬だけ目を細めて、すぐに営業スマイルを向けられる。
桃山「ええと…、桃山ちょもと申します。」
黒澤「桃山さんですか。志賀先生、ご婚約おめでとうございます。今後の参考としてぜひ教えていただきたいのですが、こんなに綺麗な方とは、一体どうやって知り合えるんですか?」
志賀「それはーーー」
(黒澤さん、若干楽しんでるような…)
桃山「…す、すみません。私ちょっと席を外しますね」
志賀さんと黒澤さんに声をかけて、
その場を離れ、静かな廊下に出た。
桃山「ふぅ……」
変な汗をかいた。
パタパタと片手で顔を仰ぎながら、
廊下のソファに座り込む。
(一旦、頭を冷やそう…)
目を閉じで、今日の出来事を振り返る。
突然、志賀さんに連れられて、パーティ会場にやってきて。会いたくなかった黒澤さんに会ってしまい…。
?「お客様、お困りですか?」
桃山「あっすみません。ちょっと休んでいただけで……って」
目を開いて声の主を見るとーーー
東雲「………どうかしましたか?」
桃山「あっ……む…」
そこには、ホテルマンに扮した歩さんが立っていた。
思わず名前を呼びかけ、慌てて自分で手を口に当てて黙った。
桃山「………」
東雲「大丈夫ですな?お疲れでしたら、空き室にご案内しますが…」
桃山「あ、じゃ、じゃあお願いします!」
そうして歩さんに連れられ、
同じフロアの廊下の先を抜けて、
ホテルの一室に通される。
スイートルームのようで、扉からみえる廊下の奥には、ソファとテーブルや高そうな花瓶がみえる。
東雲「どうぞ、こちらをお使いください。」
桃山「あ、ありがとうございます。……あっあの、空調の調整を教えていただきたいので、中に一緒に入っていただいても…?」
東雲「…ええ。かしこまりました」
歩さんを招き入れて、扉がガチャンと閉じる。
桃山「ええっと、こっちに…」
先に歩さんを部屋に通しながら、
しっかり鍵をかけて、戸締りをした。
ソファにたどり着く前に、
歩さんが立ち止まり、こちらを振り返る。
営業スマイルは消え失せて、眉間に皺を寄せて、怪訝そうな顔をしている。
東雲「……で、なんでここに?キミが」
桃山「えーっと……リアルシンデレラストーリーを歩んでいまして…」
東雲「何それ。…あの人の指示?」
桃山「大元はそうです。ただ、志賀さんといるのは、成り行きというかなんというか…」
東雲「志賀…?」
桃山「…あっ!そこは知らなかったんですね。ええと…」
捜査資料に触れない程度で、
簡単に、現状の説明をする。
歩さんは表情ひとつ変えず、話を聞いて、
言葉を発した。
東雲「ふーん…。物好きな人もいたもんだね。キミが婚約者だなんて」
ふっとからかうような笑みを見せる。
(物好きって…!)
(そりゃヤマタヌポンだけど…)
(でも歩さんの……彼女…なんだけど…)
なんとも言えないもやっとした感情が、
胸の奥でギュッとする。
桃山「そ、それは相手にも色々事情が…。いやでも私は歩さん一筋なんで!これもハニトラなんで!仕事なんで!」
強がって歩さんに訴えかけると、
真剣な表情に戻った。
東雲「……まぁ、いつもより」
歩さんは、品定めでもするように、
じっと上から下まで視線を走らせる。
(な、なんか緊張する…)
桃山「な、なんでしょう…か…」
恐る恐る聞くと、またからかうような笑みを見せてきた。
東雲「…いいんじゃない?馬子にも衣装って言うし」
桃山「そ、そこは綺麗だねって褒めるところじゃ!!」
東雲「……他の男が選んだドレス着て、褒めるわけないじゃん」
ボソッと、歩さんが何かを呟いた。
桃山「え?いま何か言いました?」
東雲「……別に。そろそろ、志賀先生が探してるんじゃない?」
桃山「たしかにそうかもしれません。…-でも、ちょっとだけ…ぎゅってしてもいいですか…!」
東雲「ダメ。いま勤務中」
あっさり断られて、肩を落とす。
そりゃ、ダメだとは思ってたけど、即答…。
桃山「………はい」
東雲「…そんなハグしたいなら、うちに来れば。今夜」
桃山「え!!!いいんですか!!」
東雲「顔、近すぎ。…好きにすれば」
桃山「ふふ…頑張ります!」
東雲「……バカ」
歩さんは、鏡の前で身だしなみを整えて、
扉の鍵を開けて、営業スマイルに戻る。
東雲「それでは、また何かありましたらルームサービスまでご連絡ください。失礼致します」
桃山「……はい。ありがとうございました。」
部屋のソファに座り込む。
(歩さんのホテルマン姿、)
(めちゃかっこよかった………)
はぁぁぁとため息をつく。
(喉乾いたな…)
冷蔵庫から水のペットボトルを取り出して、
冷たい水を喉に流し込む。
そのとき、コンコンと、
扉をノックする音が聞こえた。
?「ちょも、いるか?」
声が聞こえて、扉に近づく。
桃山「はい」
?「ちょも、俺だ。開ける」
開いた扉の先に、志賀さんが立っていた。
志賀「大丈夫か?…顔が赤いな」
桃山「そ、颯太郎さん。すみません、突然離れてしまって…」
志賀「いや、いいんだ。不慣れな場で無理をさせてしまっていただろう。すまない。…それよりも、」
そのままを引かれ、ソファに座らせられる。
真剣な顔で手首を握られた。
桃山「な、なにを……」
志賀「静かに、大丈夫だから」
ふっと優しい笑顔を向けられる。
(あっ、脈測ってるのか…)
(いきなり手を握られて焦った…!!)
志賀「大丈夫そうだが…」
今度は首に手を当てられて、そのまま、
そっとおでこに手を当てられる。
(顔が近くて……)
(余計熱があがるって!!!)
(なんだこれ、ハニトラかけられてる…!?)
志賀「…問題ないな」
桃山「は、はい。…ありがとうございます」
志賀「いや、お礼を言うのは、俺の方だ」
桃山「……」
志賀「……」
じっと見つめられて、気まずくなって目を逸らす。
(……ん?っていうか、)
(いまホテルの一室で、2人きり…)
(……ま、まさかそんな展開ないよね!)
(……いやいや、公安として寧ろハニートラップを仕掛けるべきなのでは!?)
頭の中で思考がぐるぐる巡る。
ふと、志賀さんの手が髪に触れた。
桃山「!?」
志賀「…あ、ああ。すまない。無意識だった」
照れくさそうに、慌てて手を引く。
どうすべきか悩んでいると、志賀さんが立ち上がった。
志賀「君は、もう少しここにいてくれ。迎えを寄越す」
桃山「……あ、あの!」
志賀「どうした?」
桃山「も、もし良かったらなんですけど…。颯太郎さんの…いえ、志賀さんの連絡先を伺ってもいいですか…?」
志賀「……」
桃山「あっいやっ、でも清掃員の分際でダメですよね!なんでもないです!今日は素敵な体験をありがとうございました」
志賀「……まだ、終わってない」
桃山「えっ?」
志賀「……桃山さんに、理由を説明していない。また次に、必ず話す」
メモに電話番号を書いて渡された。
メモを受け取ると、重なるように手が置かれる。
桃山「て、手が……」
志賀「桃山さん、今日は本当にありがとう。…君と出会えた良い夜だった」
志賀さんは、そのまま手を口元に近づけ、
手の甲にキスをされた。
(!?!?)
驚いていると、志賀さんがまたふっと柔らかい絵がを向けて、笑う。
手を離し、髪を撫でるように頭を撫でられて、志賀さんが部屋から出て行った。
唖然。心臓がドキドキしている。
(………ふふふふふかくにも、ときめいてしまった)
(ハニトラ仕掛けるどころか、)
(仕掛けられてるよ…!!!)
気持ちを落ち着かせるため、
ペットボトルの水を再び喉に流し込む。
(冷静に、冷静に………)
(これは仕事。仕事の付き合い……)
清掃員として情報収集するよりも、
志賀さん個人に近づけた方が、
断然情報は集まるだろう。
とりあえず、今日のことを津軽さんに報告して…。
※つづく