東雲 歩
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石神班との合同捜査
津軽「秀樹くん、はじめようか」
石上「ああ」
今日から、合同捜査。
自然と、気が引き締まる。
捜査対象としてあがっているのは、育児セミナーをはじめ、様々な育児支援を行っている団体。別の捜査線から、違法取引に関わってある実態がみえつつあり、規模感を踏まえての合同捜査ということだった。
(つい先日も、宗教団体を検挙したばかりなのに…ほんと絶えないな)
今回、石神班は、団体そのものの捜査がメインとなり、津軽班は、団体に関係する組織や関係者を調べる算段となった。
石神「………以上だ。質問は?」
津軽「ないかな」
石神「そうか。あと一つ、相談がある」
津軽「ん?」
石神「桃山を潜入捜査に貸してもらえないか」
津軽「ん、…わかった。ウサ、石神班について」
桃山「はい、分かりました」
石神「では、桃山は、黒澤と一緒にセミナーに潜入してくれ」
津軽「ウサ、日頃から鍛えてる成果をみせてね」
桃山「はい!よろしくお願いします」
ーーーそして、会議が終わり。
各々自席に戻り、ふと、瀬戸内くんをみると、いつもより背中が丸まっている。
(猫背じゃなくて、猫みたいな…)
桃山「どうしたの、海くん?」
瀬戸内「………(うじうじ)」
桃山「おーい」
聞こえてないのかなと思い、席に近づく。
大石「……夫婦役、だからか?」
瀬戸内「いーんです。俺は。内勤だし」
(もしかして、偽装カップルの成果を、)
(見せつけるチャンスがなくなって…)
(拗ねてる…?)
桃山「えっと…。海くん。私、黒澤さんに扱かれてくるから、また一緒に潜入できるときまで、お互いがんばろ!」
瀬戸内「ちょもちゃん…」
猫背のまま上目遣いの瀬戸内くんと目が合う。
近寄って、ハイっとコンビニで買った、
小さいチョコレートを渡した。
桃山「はい、大石くんも頑張ろうね!」
大石「ありがとうございます」
津軽「ウサ、俺には?」
津軽さんが横からひょいと現れて、
手元ごと持ち上げられた。
津軽「はい、ウサも頑張ってきてね」
桃山「頑張ってきてねって、エール送られてるのに、チョコ奪われるっておかしくないですか」
津軽「え?なに?ウサの心も奪ってほしい?」
桃山「……いいです」
津軽「そこはぜひお願いしますだよね、モモ」
百瀬「………」
津軽「モモも冷たいっ」
瀬戸内「ちょもちゃん…ありがとう…」
津軽さんの声にかき消されそうなくらい、
小さな声で、瀬戸内くんがお礼を言った。
(海くん、微笑ましいな…)
(本当に小動物のような…かわいい…)
津軽「でもさ、瀬戸内とウサじゃ、せいぜい兄弟じゃない?夫婦にはみえないなー。モモ、どう思う?」
百瀬「レンタル彼氏じゃないですか」
百瀬さんは向かいの席から、
フッと蔑むようにこちらをみている。
桃山「な!!それは!私にだいぶ失礼なんじゃ…!!」
津軽「ははっ。瀬戸内でレンタル彼氏だったら、俺は貢がれホストじゃん…」
桃山「いや、貢いでないですし。さっきのチョコだって、津軽さんが勝手に…」
津軽「もー、そんなにチョコ食べたいならあげる。はい、ジンギスカンキャラメル」
あーんと言われ、思わず開けた口に向かって、ポイっと苦いキャラメルが放り込まれる。
(に、苦い…)
桃山「苦いし…チョコじゃない…」
複雑な味をひとなめして、水で流し込んだ。
津軽さんは、百瀬さんにも食べさせようとしている。
?「ちょもちゃん!」
後ろから声がかかり振り返ると、
黒澤さんが立っていた。
桃山「あ!黒澤さん、今回はよろしくお願いします」
黒澤「ちょもちゃんと一緒に潜入なんて、ドキドキしちゃいますね★いま、ちょっと打ち合わせの時間をいいですか?」
桃山「はい!もちろんです」
黒沢「あ、あと、提案なんですけど…。今日から捜査の期間は、お互い名前で呼び合いませんか?」
桃山「えっ!名前で、ですか?」
(それはちょっと照れるけど、)
(黒澤さんのことだから、意図があるよね…?)
黒澤「はい。夫婦で呼び合うのに、“黒澤さん“はないでしょう?普段から、呼び慣れておいた方が、捜査にも支障がないと思って…どうですか?」
桃山「た、たしかに…!わかりました。では、透さん、お願いします」
深々と頭を下げると、
津軽さんの笑い声が聞こえてきた。
津軽「ウサ、お見合いじゃ無いんだから…」
腕を組んで笑っている。
(な、なんかムカつく…)
(で、でも挨拶は大事じゃん…!?)
黒澤「俺は、ちょもちゃんのそういうところ、好きですよ」
黒澤さんの優しい笑顔を向けられて、
津軽さんに対する怒りが落ち着いてきた。
(……落ち着こう)
(津軽さんに構ってないで、)
(真面目に仕事しよ!!!)
黒澤「早速ですが、セミナー前にちょっと見ておきたいところがあって。いまから出れますか?」
桃山「はい!大丈夫です」
津軽「透くん、いまだけ、ウサをよろしくね」
黒澤「いやだなぁ津軽さん。ずっとよろしくでも、俺は全然構わないですよ★」
津軽「それはないかな〜」
ハハハと2人のから笑いを横目に、
外出の支度をして、立ち上がった。
桃山「お待たせしました」
黒澤「じゃあ、行きましょう」
津軽「ウサ、帰りが遅くなる時は、津軽さんに連絡するんだよ」
桃山「津軽さんはお母さんですか…。報告はします。いってきます」
津軽さんに視線で見送られ、
廊下に出るとーーー
黒澤「あっお疲れ様です」
東雲「っ」
桃山「あっ…ゆ…東雲さん」
ちょうど、公安課のフロアに戻ってきた
歩さんと遭遇した。
東雲「へぇ、合同捜査って本当だったんだ」
黒澤「歩さん!俺、今回は役得ですよ★」
東雲「?」
黒澤「ね、ちょも?」
キョトンとした歩さんを横目に、黒澤さんは、意味深な笑顔をこちらに向ける。
桃山「……?」
黒澤「ちょもちゃん。ここは、名前を呼び合う場面ですよ」
桃山「!!そ、そんな人前では恥ずかしいです…」
黒澤「…そ、そういう反応もいいですね!加賀さん的に言うと、調教の甲斐がありますね〜★」
黒澤さんは楽しそうに笑う。
歩さんは興味なさそうに、ふっと視線を逸らした。
東雲「…ああ、そういうこと」
そして一言呟き、間を通り過ぎて行く。
黒澤「釣れないな〜。ちょもちゃんのこと、好きにしちゃいますよ!」
東雲「バカなの…」
歩さんの呟きが聞こえたような…。
黒澤「歩さんに、この幸せ分けてあげようと思ったんですけどね。ちょもちゃん、気を取り直して、いきましょう!」
桃山「はい!」
※歩さん目線※
加賀班としての捜査。
難波さんからの単独任務。
そして教官の業務。
(忙しすぎない…?)
(この時期、こんなもんだっけ…?)
最近は、また警察庁と公安学校と、
行き来がはじまって、夜遅くに帰宅している。
よって当然、あの子と会う時間も限られる。
(まともに顔を合わせたのは、)
(3週間と13時間前じゃん…)
せめて、公安課と学校の行き来がなければ。
とはいえ難波さんからの要望につき、
断れるはずもなく。
(っていうか断っても、)
(どうせ学科で行かないといけないし…)
そんなことを考えながら、
本日の報告を終え、警察庁に戻ってきた。
(そういえば、津軽班と石神班は、)
(今日から合同捜査だっけ)
加賀班は別任務を優先して、
今回の捜査には、関わっていない。
あの子が、今回どんな捜査をするのか。
そんなことを考えていると、
あっという間にフロアについてしまった。
部屋に戻ろうとしたとき、
正面から見覚えのある顔が出てきた。
黒澤「あっお疲れ様です」
東雲「っ」
桃山「あっ…ゆ…、東雲さん」
透とちょもだ。
(例の合同捜査か…)
東雲「へぇ、合同捜査って本当だったんだ」
黒澤「歩さん!俺、今回は役得ですよう★」
東雲「?」
(役得?それってどういう…)
透と彼女を見比べると、
ちょももキョトンとした顔をしている。
黒澤「ね、ちょも?」
透が、ちょもに目配せする。
透が彼女に名前を呼ばせようとしてるが、
恥ずかしいとか何とか言っている。
(そういうこと…)
(いや、なに見せつけられてんの。オレ…)
東雲「…ああ、そういうこと」
この子は、またペアで潜入するらしい。
別に男女での潜入が珍しいわけでは無いが、
前回は例の後輩と、その前はオレと。
その前は後藤さん、難波さんとも…。
(…人手不足といえ、多すぎない?)
(まぁ、とやかく言えることじゃないし)
(…いいけど。仕事だし)
とは言え、何とも言えない気持ちもよぎり、
彼女から顔を背けた。
そのまま横を通り過ぎる。
黒澤「釣れないな〜。ちょもちゃんのこと、好きにしちゃいますよ!」
透が後ろから、おめでたい言葉をかけてくる。
東雲「バカなの…」
そっとつぶやいた言葉。
あの子は、どんな顔していたのか。
(……オレの名前も。呼んでよ、なんて)
(……口が裂けても言えないし)
津軽「秀樹くん、はじめようか」
石上「ああ」
今日から、合同捜査。
自然と、気が引き締まる。
捜査対象としてあがっているのは、育児セミナーをはじめ、様々な育児支援を行っている団体。別の捜査線から、違法取引に関わってある実態がみえつつあり、規模感を踏まえての合同捜査ということだった。
(つい先日も、宗教団体を検挙したばかりなのに…ほんと絶えないな)
今回、石神班は、団体そのものの捜査がメインとなり、津軽班は、団体に関係する組織や関係者を調べる算段となった。
石神「………以上だ。質問は?」
津軽「ないかな」
石神「そうか。あと一つ、相談がある」
津軽「ん?」
石神「桃山を潜入捜査に貸してもらえないか」
津軽「ん、…わかった。ウサ、石神班について」
桃山「はい、分かりました」
石神「では、桃山は、黒澤と一緒にセミナーに潜入してくれ」
津軽「ウサ、日頃から鍛えてる成果をみせてね」
桃山「はい!よろしくお願いします」
ーーーそして、会議が終わり。
各々自席に戻り、ふと、瀬戸内くんをみると、いつもより背中が丸まっている。
(猫背じゃなくて、猫みたいな…)
桃山「どうしたの、海くん?」
瀬戸内「………(うじうじ)」
桃山「おーい」
聞こえてないのかなと思い、席に近づく。
大石「……夫婦役、だからか?」
瀬戸内「いーんです。俺は。内勤だし」
(もしかして、偽装カップルの成果を、)
(見せつけるチャンスがなくなって…)
(拗ねてる…?)
桃山「えっと…。海くん。私、黒澤さんに扱かれてくるから、また一緒に潜入できるときまで、お互いがんばろ!」
瀬戸内「ちょもちゃん…」
猫背のまま上目遣いの瀬戸内くんと目が合う。
近寄って、ハイっとコンビニで買った、
小さいチョコレートを渡した。
桃山「はい、大石くんも頑張ろうね!」
大石「ありがとうございます」
津軽「ウサ、俺には?」
津軽さんが横からひょいと現れて、
手元ごと持ち上げられた。
津軽「はい、ウサも頑張ってきてね」
桃山「頑張ってきてねって、エール送られてるのに、チョコ奪われるっておかしくないですか」
津軽「え?なに?ウサの心も奪ってほしい?」
桃山「……いいです」
津軽「そこはぜひお願いしますだよね、モモ」
百瀬「………」
津軽「モモも冷たいっ」
瀬戸内「ちょもちゃん…ありがとう…」
津軽さんの声にかき消されそうなくらい、
小さな声で、瀬戸内くんがお礼を言った。
(海くん、微笑ましいな…)
(本当に小動物のような…かわいい…)
津軽「でもさ、瀬戸内とウサじゃ、せいぜい兄弟じゃない?夫婦にはみえないなー。モモ、どう思う?」
百瀬「レンタル彼氏じゃないですか」
百瀬さんは向かいの席から、
フッと蔑むようにこちらをみている。
桃山「な!!それは!私にだいぶ失礼なんじゃ…!!」
津軽「ははっ。瀬戸内でレンタル彼氏だったら、俺は貢がれホストじゃん…」
桃山「いや、貢いでないですし。さっきのチョコだって、津軽さんが勝手に…」
津軽「もー、そんなにチョコ食べたいならあげる。はい、ジンギスカンキャラメル」
あーんと言われ、思わず開けた口に向かって、ポイっと苦いキャラメルが放り込まれる。
(に、苦い…)
桃山「苦いし…チョコじゃない…」
複雑な味をひとなめして、水で流し込んだ。
津軽さんは、百瀬さんにも食べさせようとしている。
?「ちょもちゃん!」
後ろから声がかかり振り返ると、
黒澤さんが立っていた。
桃山「あ!黒澤さん、今回はよろしくお願いします」
黒澤「ちょもちゃんと一緒に潜入なんて、ドキドキしちゃいますね★いま、ちょっと打ち合わせの時間をいいですか?」
桃山「はい!もちろんです」
黒沢「あ、あと、提案なんですけど…。今日から捜査の期間は、お互い名前で呼び合いませんか?」
桃山「えっ!名前で、ですか?」
(それはちょっと照れるけど、)
(黒澤さんのことだから、意図があるよね…?)
黒澤「はい。夫婦で呼び合うのに、“黒澤さん“はないでしょう?普段から、呼び慣れておいた方が、捜査にも支障がないと思って…どうですか?」
桃山「た、たしかに…!わかりました。では、透さん、お願いします」
深々と頭を下げると、
津軽さんの笑い声が聞こえてきた。
津軽「ウサ、お見合いじゃ無いんだから…」
腕を組んで笑っている。
(な、なんかムカつく…)
(で、でも挨拶は大事じゃん…!?)
黒澤「俺は、ちょもちゃんのそういうところ、好きですよ」
黒澤さんの優しい笑顔を向けられて、
津軽さんに対する怒りが落ち着いてきた。
(……落ち着こう)
(津軽さんに構ってないで、)
(真面目に仕事しよ!!!)
黒澤「早速ですが、セミナー前にちょっと見ておきたいところがあって。いまから出れますか?」
桃山「はい!大丈夫です」
津軽「透くん、いまだけ、ウサをよろしくね」
黒澤「いやだなぁ津軽さん。ずっとよろしくでも、俺は全然構わないですよ★」
津軽「それはないかな〜」
ハハハと2人のから笑いを横目に、
外出の支度をして、立ち上がった。
桃山「お待たせしました」
黒澤「じゃあ、行きましょう」
津軽「ウサ、帰りが遅くなる時は、津軽さんに連絡するんだよ」
桃山「津軽さんはお母さんですか…。報告はします。いってきます」
津軽さんに視線で見送られ、
廊下に出るとーーー
黒澤「あっお疲れ様です」
東雲「っ」
桃山「あっ…ゆ…東雲さん」
ちょうど、公安課のフロアに戻ってきた
歩さんと遭遇した。
東雲「へぇ、合同捜査って本当だったんだ」
黒澤「歩さん!俺、今回は役得ですよ★」
東雲「?」
黒澤「ね、ちょも?」
キョトンとした歩さんを横目に、黒澤さんは、意味深な笑顔をこちらに向ける。
桃山「……?」
黒澤「ちょもちゃん。ここは、名前を呼び合う場面ですよ」
桃山「!!そ、そんな人前では恥ずかしいです…」
黒澤「…そ、そういう反応もいいですね!加賀さん的に言うと、調教の甲斐がありますね〜★」
黒澤さんは楽しそうに笑う。
歩さんは興味なさそうに、ふっと視線を逸らした。
東雲「…ああ、そういうこと」
そして一言呟き、間を通り過ぎて行く。
黒澤「釣れないな〜。ちょもちゃんのこと、好きにしちゃいますよ!」
東雲「バカなの…」
歩さんの呟きが聞こえたような…。
黒澤「歩さんに、この幸せ分けてあげようと思ったんですけどね。ちょもちゃん、気を取り直して、いきましょう!」
桃山「はい!」
※歩さん目線※
加賀班としての捜査。
難波さんからの単独任務。
そして教官の業務。
(忙しすぎない…?)
(この時期、こんなもんだっけ…?)
最近は、また警察庁と公安学校と、
行き来がはじまって、夜遅くに帰宅している。
よって当然、あの子と会う時間も限られる。
(まともに顔を合わせたのは、)
(3週間と13時間前じゃん…)
せめて、公安課と学校の行き来がなければ。
とはいえ難波さんからの要望につき、
断れるはずもなく。
(っていうか断っても、)
(どうせ学科で行かないといけないし…)
そんなことを考えながら、
本日の報告を終え、警察庁に戻ってきた。
(そういえば、津軽班と石神班は、)
(今日から合同捜査だっけ)
加賀班は別任務を優先して、
今回の捜査には、関わっていない。
あの子が、今回どんな捜査をするのか。
そんなことを考えていると、
あっという間にフロアについてしまった。
部屋に戻ろうとしたとき、
正面から見覚えのある顔が出てきた。
黒澤「あっお疲れ様です」
東雲「っ」
桃山「あっ…ゆ…、東雲さん」
透とちょもだ。
(例の合同捜査か…)
東雲「へぇ、合同捜査って本当だったんだ」
黒澤「歩さん!俺、今回は役得ですよう★」
東雲「?」
(役得?それってどういう…)
透と彼女を見比べると、
ちょももキョトンとした顔をしている。
黒澤「ね、ちょも?」
透が、ちょもに目配せする。
透が彼女に名前を呼ばせようとしてるが、
恥ずかしいとか何とか言っている。
(そういうこと…)
(いや、なに見せつけられてんの。オレ…)
東雲「…ああ、そういうこと」
この子は、またペアで潜入するらしい。
別に男女での潜入が珍しいわけでは無いが、
前回は例の後輩と、その前はオレと。
その前は後藤さん、難波さんとも…。
(…人手不足といえ、多すぎない?)
(まぁ、とやかく言えることじゃないし)
(…いいけど。仕事だし)
とは言え、何とも言えない気持ちもよぎり、
彼女から顔を背けた。
そのまま横を通り過ぎる。
黒澤「釣れないな〜。ちょもちゃんのこと、好きにしちゃいますよ!」
透が後ろから、おめでたい言葉をかけてくる。
東雲「バカなの…」
そっとつぶやいた言葉。
あの子は、どんな顔していたのか。
(……オレの名前も。呼んでよ、なんて)
(……口が裂けても言えないし)