case2 異質性
僕の好きな人は
いい匂いがする。
花じゃない、甘くもない、
香水なんかじゃ作れない匂い。
僕の好きな人は、
身の回りをよく気にする。
自分に自信が無い、と本人は言うけれど、
僕の世界では君がいちばん綺麗だから、
って伝えられたらどれだけいいのかな。
僕の好きな人は、
よく、夜に連絡をくれる。
昼間はずっと寝ているのに、
夜、僕がお風呂から上がった時に
何件かメッセージが入っている。
「起きてるか?」
なんて、
もちろん起きてる。
少し電話をして、好きな人のおやすみをきく。
ベッドに潜り込んで、君の見えない世界に落ちていく。不安定な状態だからだろうか、ひたすらに好きな人の温もりを感じたくなる睡眠。
だから。僕は、夜眠りに入るのは遅い。
夢を見た、赤い小さな花が咲いているところ。
たくさんの赤に包まれて、目の前に現れたのは、好きな人。
「ねぇ、ここはなんでこんなに赤いの?」
「あんたが俺に言ってくれたんだ、赤が君には良く似合うって。」
好きな人は切なそうに、愛おしそうに僕を見た。
あぁ、確かに君には赤が良く似合う、けど、他人の血では映えないんだ。
いい匂いがする。
花じゃない、甘くもない、
香水なんかじゃ作れない匂い。
僕の好きな人は、
身の回りをよく気にする。
自分に自信が無い、と本人は言うけれど、
僕の世界では君がいちばん綺麗だから、
って伝えられたらどれだけいいのかな。
僕の好きな人は、
よく、夜に連絡をくれる。
昼間はずっと寝ているのに、
夜、僕がお風呂から上がった時に
何件かメッセージが入っている。
「起きてるか?」
なんて、
もちろん起きてる。
少し電話をして、好きな人のおやすみをきく。
ベッドに潜り込んで、君の見えない世界に落ちていく。不安定な状態だからだろうか、ひたすらに好きな人の温もりを感じたくなる睡眠。
だから。僕は、夜眠りに入るのは遅い。
夢を見た、赤い小さな花が咲いているところ。
たくさんの赤に包まれて、目の前に現れたのは、好きな人。
「ねぇ、ここはなんでこんなに赤いの?」
「あんたが俺に言ってくれたんだ、赤が君には良く似合うって。」
好きな人は切なそうに、愛おしそうに僕を見た。
あぁ、確かに君には赤が良く似合う、けど、他人の血では映えないんだ。
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