美しき青春の日々よ
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背中が痒い。手を後ろに伸ばして掻こうと試みるものの、痒い部分の周辺しか掻けず、中心には届かない。何とももどかしい。手を色んな方向から伸ばすが、やはり届かない。
「何やってんだよ、名前」
そんな私の姿が気になったのか、声を掛けて来たのは隣の席の政宗だった。横を見なくても声で判った。
「んー、背中が痒いんだけど手が届かなくて」
「そうゆう事なら俺が掻いてやるよ」
「断る。君は前に一回、背中掻いてもらった時にブラのホックを外した前科があるから」
「じゃあ、俺がやってやろうか?」
話していた人物とは別の人物の声がして、顔を横に向けると、さっきまで二人で話をしていのか、政宗の席の傍らに元親が立っていた。
「えー、元親が掻いたら何か私の背中が血だらけになりそうなんだけど」
「なんねーよ!何だよ血だらけって!お前の中の俺はどんだけ手加減と言うものを知らないんだよ!」
「Positive(その通りだ)。だから俺が掻いてやるよ」
「煩い、卑猥眼帯。ねー就さ、…あーごめん」
後ろの席の就さんに振り返りながら声をかけたら読書中だった。就さんは読んでいた本から視線を外し、私を見る。
「構わぬ。何だ」
「あー、背中が痒いから就さんに掻いてもらおうかと思ったんだけど…」
「Why!?何で毛利に頼むんだよ!」
「何でって…就さんだからだよ」
「何そのお前の毛利への信頼の高さ!」
「言っとくがな、名前!こうゆう奴に限って実はムッツリなんだぜ!?」
「長曾我部、殺す」
私が就さんに背中を掻く事を頼んだら、眼帯二人が抗議の喚き声を上げた。就さんがムッツリだと言った元親は、現在進行形で就さんから制裁を加えられている。
私は就さんがムッツリだろうと、そうでなかろうと、どっちでも良い。…いや、やっぱりどうかな…。
「何々?旦那達、何騒いでんの、名前ちゃん?」
いつの間にそこに居たのか。体をしゃがませて、私の机に頬杖をついて政宗達の様子を笑いながら傍観している佐助の姿が在って、気配を全く感じなかった私は吃驚した。
「え、いや、背中が痒くって―」
「え?何?背中痒いの?だったら俺様が―」
「「「猿飛いいいいい!!!!!!」」」
「えぇ!?何で!?!?」
佐助が優しさを見せた瞬間、暴れていた三人が一斉に佐助に襲い掛かる。優しさと言うか、若干、下心が見えた気がする。
気が付けば、背中の痒みは治まっていたのだが、奴等の無益な争いは止まる様子がない。
ガラッ
教室のドアが開く音が耳に入り、見てみると、放送で名前を呼ばれ、職員室に行っていた人物が帰って来た。
「お帰り、半兵衛さん。どうだった説教は?」
「僕が説教なんて受けるわけないだろう。馬鹿か君は」
軽い冗談を軽く暴言で返す半兵衛さん。この人に冗談は通じないのか。
軽々しく言うものならば、心が傷付くだけと言う事を私自身の心をもってして知る事になった。
「……彼等は何をしているんだい?」
私の席の方へと歩み寄りながら尋ねる半兵衛さんは、冷ややかな眼差しを奴等に向けていた。
「あー…先ず、私の背中が痒くなってですねー…」
「背中が痒いのかい?だったら、僕が掻いてあげるよ」
「えっ、ちょ!」
腕を引っ張り、座っていた私を立ち上がらせて、半兵衛さんは前から腰に手を回し、その状態のまま服に手を入れようとしていた。
「ちょちょちょちょちょ!待って待って待って!!」
「何だい?」
「あの…、もう背中痒いの治まりましたから」
「…………」
「…………」
「………チッ……」
プチ
美しき青春の日々よ
(ちょっ、ぎゃあああ!!!!)
(What!?竹中、テメェ何してやがる!)
(おまっ!何で服に手ぇ入れてんだよ!)
(貴様、覚悟は出来ているだろうな)
(ちょっとちょっと!一人だけ良い思いしないでよ!)
(やれやれ、ホックを外したくらいで騒がないでくれないか)
(この卑猥眼鏡!)
MANA3*080905
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