明智軍の下剋上
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もう皆さん、我慢の限界だったそうです。
明智軍の下剋上
「『第二回 光秀てめぇ、この野郎、調子乗ってんじゃねぇぞ!我等の力を思い知れ!』」
「「「おおーーーー!!!!」」」
「…」
明智軍の兵の皆さんが下剋上を起こそうとしています。
あの明智さんに無謀にも刃向かおうとしています。
大丈夫だろうかこの人達。皆で仲良く茸の拾い食いでもしたのかもしれない。
絶対、頭がおかしくなってる。
「第二回って第一回があったんですか?」
「第一回は我等の心の中で終わった」
ええ……もう無理だって。第二回も止めといた方が良いですよ。心の中で終わらせといた方が良いですって。はい。
そして、もう二度とこんな過ちを犯そうとしないで下さい。
「止めときましょうよ」
「いや…今回、我等には名前殿が付いている!」
そうか。じゃああなた達より非力な私には誰が付いてくれるんですか。
「何で私を呼んだんですか?」
「名前殿の存在は今回の作戦には欠かせないのです」
「……私、何も出来ませんよ」
「いえいえ!居て下さるだけで結構です」
そんなの嘘っぱちだ。
「明智さんに「ぎゃふん」と言わせれば満足なんですか?」
「「ぎゃふん」などと何処の人間が言うと申すのですか」
おっと、リアルな突っ込みが…。
「我等は光秀様を殺す!」
う゛ぇぇぇ!?!?何つか野望が大き過ぎですよ!!欲張り過ぎ!!
絶ッ対、無理だこれ。私は確信した。
第一希望は諦めて第三希望あたりに妥協してくれないだろうか。「ぎゃふん」あたりに。
「でも明智さんって、あれ持ってるじゃないですか。あれ」
「ああ…これだろう」
と目の前に出したのは、やたらでっかい鎌。
ああ…これこれ。
って
「いつの間に!?」
「これさえなければ、光秀様は無力に等しいよ」
「いや、それはどうでしょうか」
でも明智さん、これがなかったら、どう戦うんだろう…。
少し気になる。
てかまさかとは思いますが作戦って丸腰の人間を袋叩きにするってだけの作戦じゃないですよね。
「良いか、皆の者!作戦決行は暁!準備を整えよ!!」
「「「おおーーーー!!!!」」」
あ、無理だこれ。
―早朝―
「皆の者!準備は良いか!!」
「「「おおーーーー!!!!」」」
「……眠っ」
「名前殿!やる気を出して下され!」
「いや、だって…眠い…」
私、居るだけで良いんじゃないんですか?
やる気とか。もう眠いです。
明智さんも眠いって。あの人絶対に低血圧だよ。
「では、いざ…
おらぁーーー!!!!光秀、この野郎ぉ!!!!出て来いやーー!!!!」
えぇぇ!?!?!?何言っちゃってるの、この人!!しかも呼び捨て!?
何で他校の不良に落とし前付けに来た不良みたいなんだ!!
シーン…
「…」
「…」
「寝てますって」
「おい!光秀、出て来んかい!!」
「はよ!!起きんかい!」
「ぶっ殺してやる!」
「光秀がなんぼのもんじゃい!」
「光秀ばーか!」
「阿呆!!」
不良がいっぱい居る…。ヤクザも紛れ込んでいる。
ここは伊達軍か。
「名前殿も!ご一緒に!!」
「…えぇ……眠い…」
「地獄を見せてやる!!!!」
「死ねぇ!!」
「…え…あぁ……」
「永遠の眠りにつかせてやる!!」
「あいつの仇を…!!今、果たしてやる!!!!」
「変態光秀!!!!」
「…明智さぁーん」
「…何ですか……騒々しい」
うわっ!吃驚したぁ…幽霊かと思った……。
寝起き丸出しですね明智さん。声が掠れてますし、少し髪が乱れてますよ。
「「「おおお早う御座います!!みみ光秀様!!」」」
……ヤクザは一瞬にしていつもの明智軍に戻った。
「…………………お早う御座います。名前」
「あ…お早う御座います」
「光秀!……様…」
無理に呼び捨てにしなくても良い思う。明智さん寝起きだからかバリバリ機嫌悪そうですよ。顔が怖い。
「……何ですか…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「死ねええええええ!!!!」
いいいきなりそんな!無茶だ!
どんなタイミングで覚悟を決めちゃったんですか!!
「……煩い……」
ドグォッ
明智さんが殴った。
あの明智さんが人を殴った。
その細腕から到底、思いもしない様な鉄拳が炸裂した。音がこの世界では有り得ない様な音だった。
余りにもショッキングな光景を目の当たりにした誰もが呼吸をするのを忘れ、その場に究極の静寂と抱えきれない重さの空気をもたらした。
「誰ですか…こんな茶番を考えたのは」
じ…地獄からの使者が目の前に居る。
無実の私を含め、この場に居る人間は処刑されるだろう。
「「「名前殿が考えた作戦です」」」
「………名前が?」
「え!?え?!?!」
私が何をしましたか!?寧ろ私、被害者ですよ?!?!扇風機に紐を入れてそのまま、物凄い勢いで巻き込まれた紐みたいな感じで巻き込まれた被害者ですよ!!
何ですか!?これ、何ですか!?居るだけイコール犠牲者だなんて聞いてませんよ?!思いもしません!!!!
えぇ!!思いもしないでしょう!!
ちょっ…そこの人!!何で明智さんに鎌、返してるんですか!?その意味は?!?!
「さぁ名前…私を満足させて下さい」
「明智さん明智さん明智さん!!!!これは陰謀です!!この人達の陰謀であってですね!」
「ぎゃふん」
「!?」
「私に「ぎゃふん」と言わせたかったのでしょう?」
私は兵の皆さんの方を見た。
素晴らしい笑顔で私を見ている。中には哀れむ様に見る人も居た。そんなに悲しい顔をするくらいなら助けてほしい。
小声で「頑張れ~」とも聞こえた。
ぶっ飛ばしてやる。
無事に生きて帰れたらだが。
「明智さん!話を聞いて下さい!」
「ぎゃふんぎゃふんぎゃふんぎゃふんぎゃふんぎゃふんぎゃふんぎゃふん」
「もうわかりました!もう充分です!」
「ああ…楽しいですね…とても」
「ぎゃふん」と連呼する明智さんに追いかけ回され、生死の境を無駄にさ迷いまくった私は、何とか生き延びる事が出来た。
その後、私は奴等の事を包み隠さず明智さんに密告してやった。
私は見事に『第三回 光秀(略)』を阻止し平和をもたらした。
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**0909/MANA3