名指し願い
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貴様って誰ですか。
名指し願い
「おい」
「…」
「おい、貴様」
「…」
「おい、阿呆面」
「…」
「おい、馬鹿者」
「…」
「…………良い加減にしろ、この出来損ないの屑が」
「グブオォッ!!!!………がっ…ごほっ……っ………な…なんですか!?いきなり真顔で喉に水平チョップなんて!!正気の沙汰じゃないですよ!!」
「我が呼んでおるにも関わらず気付かぬ貴様が悪い」
「わ…私を呼んでたんですか?」
「貴様以外、誰が居る」
………いや確かに元就さんと私、以外この部屋には居ませんけど…。
そうか…私を呼んでたのか。私の耳が正常なら、まともな呼び方はなかった気がする。
「元就さん。私は貴様とゆう名前ではありません」
「貴様など、貴様で充分であろう」
「私の名前を知らないんですか?」
「貴様の下卑た名など我が知る由もないわ」
私の名前を知らない限り下卑た名なんて言えないじゃないですか。矛盾してますよ。
てか下卑た名って…私の名前は普通ですよ。多分。
「呼ぶなら名前で呼んで下さいよ。誰を呼んでるのか解りませんから」
「断る。我が人をどう呼ぼうが我の勝手」
「じゃあ私は元就さんの事をもっちゃんって呼んでも良いんですか?」
「貴様…我を愚弄するか」
やっぱり怒られた。
「我を誰だと思っている。我は日輪の申し子であるぞ」
だから、どうした。
私にとってそんな肩書き何の威厳もないですよ。
「名前で呼ばれた方が嬉しいじゃないですか」
「………そうか。ならば我が貴様に相応しい名を付けてやろう。有り難く思え」
何故だ。
「元就さん。私には、既にちゃんとした名前が」
「貴様は今日からペペロンと名乗るが良い」
何故だ!!!!
誰だペペロンって!?誰だそいつ?!?!私の事なのか!?
そして、まさかの横文字!!
何処で覚えて来たんだ、この人!でも一度、元就さんはザビーって異国の人と関わってるしな…。
「どうした、ペペロン。我の与えた名が気に食わぬと申すのか」
えぇ。気に食いませんよ。はい。
てか、ペペロンってやっぱり私の名前だったのか。畜生。実に美味しそうな名前じゃないですか。
「私はペペロンじゃないです」
「どうしたと言うのだ、ペペロン。血迷ったのか?」
凄い早さでペペロンが浸食してる。血迷ったって…急にペペロンって言い出した元就さんの方が血迷ってますよ。もう全てに迷ってる。出口のない迷路で迷ってる。
「元就さん勘弁して下さい。さっきも言おうとしましたが私には既に名前」
「ペペロンに異議するならば、やはり貴様は貴様で充分だ。屑めが」
…………何か……言い方からしたらペペロンって名前は貴様より高等だったのか?いや、そんな筈はない!!ペペロンが高等だなんて!そんなの信じない!!私は後悔なんかしてない!!後悔なんか…!!
てか、また屑って…!!畜生ッ!!
「……良いですよ。どうせ、私なんて………ペペロン以下なんですよ…」
「我は」
「はい?」
「女は生涯を共にする奴しか名を呼ばぬ」
「…」
「その覚悟があるのなら、我は貴様の名を呼んでやる」
え?
ん?
意味が解らない。
でも何か、プロポーズに聞こえる。
「え………元就さん。意味が良く解らないんですけど………」
「まぁ良い。今後の為にも今から慣れるよう、呼んでやる」
貴方の言う今後って何だ。
てか最終的に何故、貴方が決める。
「では、名前」
「は…はっはい!!」
名前、知ってた!!名前、知ってた!!名前、知ってた!!名前、知ってた!!!!
初めて名前、呼んでもらえた気がする!!
「喉が渇いた。茶を持って来い。今すぐに」
「…」
え?生涯を共にするパシリの事だったんですか?私てっきり奥さんの事だと思いましたよ。ははは。
お茶ね。お茶お茶。はいはい。
これを境に元就さんは私を名前で呼んでくれます。
一生、パシリ大決定です。
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MANA3*0924