衝動リリック
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僕はその後どうすれば良いか悩み迷った。きっと僕が考えるものは正しい事ではないのだろう。だが、例えそれが背徳であったとしても幸せだった。今までに味わった事のない至福の時の中を生き、この上なく満たされていた。しかし、僕はそれ以上望んでしまったのだ。満たされていたはずの心が、本能が、欲望が、渇望するのだ。全てを貪欲なまでに貪り尽くせと。自分がここまで浅ましく醜い人間だとは意想外だった。いや、これは切っ掛けにしか過ぎない。そう、これは切っ掛け。その切っ掛けがなければ今の僕は在りはしないだろうし、この様な行動には出なかっただろう。それにより果たして隠されていた本性が暴かれたのか、或いは下劣な外道と称されるまでに淪落してしまったのか、どちらかとはわからないがそんな事は取るに足らない。人間の本質とはそう言うものだ。心身を休ませる為に眠り、飢えを凌ぐ為に食物を口にし、相手を愛し欲情するから目合う、これはそれらの生理的な現象と同等なのである。だからと言って僕の言行を正当化出来るなどとは思っていない。詭弁だと言われるのは尤もだろう。こう言ってしまえば身も蓋もないのだが、これは理屈ではないのだ。一概に純粋や狂気であると割り切れるものではない。
「そうは思わないかい、名前?」
猿轡に布を口に噛み、手足を縄で縛られた状態で床に転がる名前。言うまでもく彼女を拘束したのはこの僕だ。壁に背中を預け、片足を伸ばし、曲げたもう片足で頬杖をついてその光景を見据えていた。彼女の恐怖を帯びた目から流れた涙が頬を濡らし、何かを訴え様としているのかくぐもった声が漏れる。それは容赦なく神経を苛烈に煽った。煽情的なその姿は僕を恍惚させた。徐に立ち上がり彼女の元へと歩み寄る。一歩と一歩と近付く僕に焦ったのか名前は何とか脱出を試み様と懸命に身を捩るもののその抵抗は何の意味も為さない。呆気なく傍らに辿り着けば彼女は諦念を抱き覚悟を決めたかの様に固く目を閉ざす。強ち彼女の考えている事は当たらずと雖も遠からずかもしれないがそれが現実となるかは名前次第だ。僕は彼女に選択肢を与えようと思う。その場で肩膝を着いて屈み込み、彼女の顎を掴んで顔をこちらへと向かせる。今一度、絶望に満ちた瞳に現と僕の姿を写す彼女に微笑みながら問いかけた。
「名前、君が選びたまえ。僕に犯されたい?それとも殺してほしいかい?」
衝動リリック
(何て人間臭い愛なのだろう。)
―――――
書きたい事は解るけど何を書いてるか解らなくなった。
MANA3*111015