欠落した世界
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「ほら、名前、見えているかい」
見渡す限りに広がる赤。夥しい数の転がる屍。血塗れで佇み渇いた笑いを響かせる僕。
夢は現実のものとなったのだ。
「僕は証明してみせたよ」
抱懐した思想を歪曲することなく、僕は僕のやり方で証明したのだ。
力は生きる為には必要なのだと。
「あぁ、そうさ、僕は証明した」
夢は叶った。
約束も果たした。
なのに…―
「ねぇ、名前」
達成感など微塵にも感じられなかった。胸から滲み広がるのは喜悦ではなく、ひたすらの虚しさだけであった。
「…僕は……証明出来たのだろうか…」
抱懐した思想を歪曲することなく、僕は僕のやり方で実現させたこの世界には、もう君はいない。
欠落した世界
(夢を実現させた世界は思いの外に赤かった。)
090822*MANA3