はっぴばーすでぇはんべぇ
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さあ、今日も一日頑張ろう。
はっぴばーすでぇはんべぇ
今日は何しようか。
前に行った茶屋でお団子でも食べに行こうか。そう言えば読みかけの本があった様な。部屋も少し散らかってる気がする。そろそろ片付けをした方が良いかな。
今日は天気が良いし…
「一日中、寝るに決定」
「名前。居るかい?」
あの声は半兵衛さん?!何だろこんな朝早くから。私の完璧な今日一日の計画を潰しに来たのだろうか。そうはさせてなるものか。
「名前、居ないのかい?」
「誰も居ません」
「入るよ」
ガラッ
「なっ?!何で入って来るんですか!?誰も居ないって言ったじゃないですか!」
「そうか。じゃあ誰も居ないはずの部屋に居る君は一体、誰なんだ」
「何か用事ですか」
思いっきり話を逸らしてやった。自分の都合が悪くなったら話を逸らすに限ります。半兵衛さんが不満そうな顔をしているけど無視します。
「…今日は何の日か知ってるかい?」
「今日?今日って9月11日ですよね?」
9月11日?何かあっただろうか?
あ…もしかして。
「そう言えば私の時代では警察相談の日と言う日があった様な。それに台風襲来の時期だから農家の厄日と言われていた気も」
「今日は僕の誕生日なんだよ」
おっと無視。凄く無視。まるで私の話をなかったかの様に無視しましたよこの人。私も違うとは薄々、わかっていましたよ。
「え?誕生日なんですか?」
「そうだよ」
「へぇ…おめでとうございます」
「…」
「…」
「それだけかい?」
「え?じゃあ…残念でしたね」
「何が残念だと言うんだい」
「ええ…もう何なんですか?」
「何か僕に贈り物はないのかい?」
自分の誕生日だからって何て人だ。私こんな人初めて見ましたよ。
「ないですよ。今日が半兵衛さんの誕生日と言う事実を今知りましたから」
「………チッ…」
し…舌打ち!?果たして私にマイナスな点があっただろうか?!いやでも、誕生日にプレゼントがないのも悪い気がする。うん。どうしよう。
取り敢えず、ここはやっぱりあれで行こう。
「じゃあ…肩叩きでもしましょうか?」
「……いらない」
ちょっと考えた。絶対ちょっと考えた。
「もう半兵衛さん我が儘ですよ。私、お金もないですから何か買ってあげる事も出来ませんよ?」
「夢を見たんだ」
「………夢?どんな夢ですか?」
私がそう聞くと、半兵衛さんは笑った。
それはそれは極上の笑みだった。
「名前がね」
「はい」
「僕の誕生日にね」
「はい」
「贈り物と言ってね」
「はい」
「名前自身をね」
「はい」
「僕に捧げた夢」
「はい…は?」
「正夢だと期待して名前の部屋に来たのに」
いや、期待しないで下さい。私そんな破廉恥娘ではないので。
てか、どんな夢見てるんですか!?!?どんな夢を見ちゃってるんですか?!?!
夢で良かったと心底思う。
「名前」
「はい?」
「夢を実現させると言う事はとても素晴らしい事だと思わないかい?」
「思いません。全く思いません。最悪です」
「そうだね。最高だよね」
「話、聞いて下さいよ」
ドサッ
一瞬の事で何が起こったか解らないが、視界にはニヤリと笑う半兵衛さんと天井が見えた。
どうやら状況は良くない様だ。
滅茶苦茶良くない様だ。
「半兵衛さん。何のつもりかわかりませんが、今退いてくれるならなかった事にしてあげますよ」
「名前が僕に言ったんじゃないか。君自身を僕に捧げると」
「それ夢でしょう!?それ夢でしょう!?夢と現実をごちゃ混ぜにしないでくれますか?!?!」
「…少し黙ってくれないか」
私は本当に半兵衛さんに黙らされてしまった。
「フッ…奪っちゃった」
「…」
「今年はこれで許してあげるよ。僕はこれから秀吉の所に行かないといけないから。じゃあね」
私は唖然と半兵衛さんが去って行くのを見届けた。
それよりも
「……キスされた…」
てか『今年は』って…。
来年は肩叩きで許してくれないだろうか。
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**0912/MANA3