遠くない未来
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視界に入った奴を手当たり次第に殺した。
狂ってる?何とでも言えば良い。
これは復讐なのだ。
「君かい?」
「それとも君か?」
「僕から彼女を奪ったのは」
「名前を殺したのは」
多くのが悲鳴が響き渡り、それを斬り裂く度に、歩んだ道は血に染まった。
赤が広がり、薫る。
「ひぃ…や、止め…」
「お前か?」
「お願いしますっ、殺さ」
「死ね」
返り血が顔に、体に付着する。
言い訳は聞かない。聞いてどうなる?名前が還って来るとでも言うのか?
「屑が」
悲鳴は一つ残らず消えた。
赤に汚れた僕だけが佇んでいる。
「名前…」
最早、声なんて届かない。
「どうして君が…」
どうして?
「一体…誰が…」
誰が?
思い出せ。
「半兵衛さん」
思い出せ、誰が居た?
「半兵衛さん」
彼女の側に誰が居た?
「僕の命はもうすぐ終わる」
「……半兵衛さん…」
「やり残した事はある。君とだって一緒に居たい」
「…………」
「まだ死にたくはない…」
誰だ?彼女の一番近くに居たのは?
「名前」
誰だ?死を恐れたのは?
「名前」
誰だ?彼女との別れを一番恐れたのは?
「すまない」
死んでくれ。
彼女を残して逝くだなんて考えられなかった。
でも、認めたくはなかった。
僕がこの手で名前を殺したなんて。
認めたくなかった。
認めたくない。
罪を人に擦り付ける事によって現実から逃げた。
でも真実は変えられない。
名前は死んだ。
僕は生きている。
「…名前……僕は……」
まだ君と一緒に居たかったんだ。
殺戮衝動は止まない。
彼女との再会、それだけが悲劇の終焉。
遠くない未来
人を殺め、流れる血が綺麗だと思い、後悔したのは君だけだった。
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MANA3*080404