竹中半兵衛
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あー、何があったかを話せばいいんですよね。そうですねぇ…、えーっと、ちょ‥っと、待ってくださいね。何からどう話せばいいのやら…。えー…昨日、半兵衛さんが、私に食べられる野草だって言って、どこで採取して来たのか、秘境にしか群生していなさそうな、この世のものとは思えない見た目の草を食べさせたじゃないですか。私は嫌だって言ったのに無理矢理。その後、味とか食感とか体調の変化とか色々、聞いてきましたよね。食べられる野草とか言ってましたけど、絶対に食べてはいけないやつでしたよね、あれ。何であの時、始終ニヤニヤとこっちを見ていたんですか。お蔭であの後、気分が悪くなって、ずっと寝込んでいたんですからね。え?そんなことはどうでもいいから、必要な部分だけ話せ、ですか?ど、どうでもいいって…そんな…。未知の野草を口に捻じ込まれた私からすれば、決して、どうでもいいわけではないのですが、いや、あのすみません。それからですね…夜には体調も回復したのですが、何せずっと寝ていたせいで、目が冴えちゃって、ちょっと散歩をしに外へ出たんですよ。辺りは静まっていて、歩けないほどではありませんでしたが、少しだけ外へ出たことを後悔するほどには暗かったですね。でも、だからこそ、遠くでぽつりと揺らめく不審な灯りを見つけられました。最初は見張りの方だと思ったんですよね。でも、何と言いますか、女の勘?ってやつですか?何となく、胸がざわつくような嫌な予感がしたんですよ。足は自然と灯の方へと向かってました。はっきりとした理由もないのに足音も無意識に消していました。それから…何だっけ…。すみません、その時の出来事のせいか、半兵衛さんに食べさせられた野草の効果かわからないのですが、些か記憶が混濁してまして…。いやいや、ふざけていませんよ。至って真面目です。どちらかと言えば、私に野草を咀嚼させておきながら、名前を尋ねたら知らないとかぬかした半兵衛さんの方がふざけていますよ。何で名前も知らないそんなものを私に食べさせたんですか。名前を知らないということは私の命がどうなっても知らないと同義ですからね。………すみません、何でもないです。はい。…それで、…灯りの方へ近付き、そこは蔵がある場所で、物陰からこっそりと覗くと人が居ました。二人でした。やっぱり、見張りの方なのかと思った矢先、二人の足元に人が倒れているのに気が付きました。根拠はありませんでした。でも、それを目の当たりにした私は、ああ、これは由々しき事態なのだと、疑いませんでした。だって、二人は倒れている人に目もくれない様子でした。おかしいですよね、人が倒れているのに気にもせず、蔵の鍵を抉じ開けようとしているなんて。恐怖や迷いを感じる暇もなく、先に体が動いていました。近くにあった小石を拾って、身を潜める場所とは反対側のなるべく遠くへ投げました。小石が茂みに落ちる僅かな音でも二人は敏感に反応して、一人がその場を離れ、小石を投げた方へ歩いていきました。その隙を見計らい、私は手で地面の砂を掴んで、残った一人に近付くと、こちらに気付いて振り向いた相手へ、掴んだ砂を顔めがけて投げつけました。不意打ちに怯んだところで、恐らく、倒れていた人が持っていた槍が傍に落ちていたのでそれを拾って、相手の首元をめがけてぶん殴りました。打ち所が良かったと言うべきか、悪かったと言うべきか、とにかく、運良く一撃で仕留めることが出来ました。仕留めたと言っても、殺してはいないですよ。多分。生死は確かめていません。あくまで私の希望的観測です。殴った相手が気を失って動かなくなったのを見届けてから、元々、そこに倒れていた人の安否を確認しに駆け寄って声をかけると、返事はありませんでしたが、微かに呼吸をしていました。そのことにほっとしたのと同時に頭に鈍い衝撃を感じて、視界と意識がぐらぐらと揺れる中、振り返ってみると、さっき茂みの方へ様子を見に行っていたもう一人が帰って来てました。驚きも束の間、武器を振り被る姿を見て、私は渾身の力で体当たりをかましました。ですが、ただの女の力ではどうにもなるわけもなく、その上、先ほど頭に受けた衝撃がひどかった影響か、抵抗らしい抵抗もできず、意識も霞んでいく一方でした。最初の一人がうまく行き過ぎていたんですね。相手は体に纏わりつく邪魔な私をボコスカ殴って何とか引き剝がそうと躍起になっていましたが、私も私で離してしまうと、どうなってしまうのかわかったものじゃないので必死で食らいつきました。そうこうしてるうちに、異変を察知した見張りの方々が集まって来て、そこで私の記憶はぶつっと途切れてしまって、気付けば、布団の中にいました。いやあ、本当に生きていてよかったです。はは、ははは。
語ることも笑うこともなくなると、まるで静かな湖の水底のような重苦しい沈黙が部屋に訪れる。正面に姿勢正しく座る半兵衛さんはいつものような余裕に満ちた微笑も、人を食ったような皮肉な笑みもない。一言も発さず、ただ、冷厳な瞳がじっと私を見詰めていた。初めて半兵衛さんと出逢ったあの日を彷彿とさせるほどの真顔で。無慈悲なほど平等に、淡泊なほど執拗に、徹底して人を見定めるような一切の感情が死んだその顔はまさしく、戦場で畏怖される沈黙の異名に相応しいものだった。
「…話は終わったかい?」
「………は、い」
抑揚のない、顔に負けず劣らず感情を排した声だった。それに対する、たった一言の返事が自分のものでないような嗄れ声に驚く。それは自分の身に起こった出来事を長々と話し過ぎたことによるものか、この言いようのない張り詰めた緊張のせいか。思い出したかのように唾を飲み込む音がやけにうるさく聞こえた。
「い、いやあ、でも、よかったです。私が遭遇した二人って蔵を狙っていた闖入者だったんですよね?咄嗟のことで、自分でも驚きましたが、狙われた蔵も倒れていた見張りの方も無事だったそうですし。私がこのくらいの怪我をしただけで済んだのなら安いものです。寧ろ、御の字だと思うんですよね」
「黙って」
すべてを飲み込む深い澱みのような重苦しい静謐にいたたまれずに、自ら聞かれてもいないことをペラペラと話し出すが、冷淡に制されてしまい、返事もせずに口を閉ざす。軽い口調ではあったが、今、言ったことはすべて私の本心だ。見張りの人も軽傷で済み、死なずに済んだ。目的は知らないが、蔵に荒らしや盗みに入られた形跡はなかった。夜に紛れて領内へと敵に踏み込まれたことは問題であるものの、豊臣にとって、被害はほぼ皆無に等しいだろう。斯く言う私は、頭と左目に巻かれた白布、腕や首、さらには服の下のあちこちには布以外に、薬草と和紙、油紙が貼り付けられていて、誰がどう見ても立派な満身創痍の重傷患者だった。生まれてこの方、こんな大怪我をしたのは初めてである。だが、普段、何ら役に立ってない私からすれば、自分の行動と結果に後悔なんてものは微塵もなく、寧ろ、誇らしいと胸を張れるほどには満足している。労いや称賛の言葉を期待しなかったと言えば嘘になる。だが、そのような淡い期待はこの地獄のような重圧が満ちた部屋へ私を呼び出し、正座で待ち構えていた地獄の遣いが放つ威圧感によって霧散した。その理由についてだが、何となくではあるが、およその察しはつく。二人の間に流れる静黙は、もはや湖の底というよりは、酸素の欠乏した深海のようで、残された右目がこの現実と半兵衛さんの視線から逃れようと試みるが、その鋭い双眸は私の逃避を許してはくれなかった。
「此度の君の行動についてだが、—」
静寂を切り裂いた声に、私は思わず膝の上に置かれた手をぐっと握り締め、背筋をそれ以上なく真っすぐに正す。
「豊臣の軍師の立場から言わせてもらうと、味方の命を救い、蔵を守り、たった一人で闖入者を足止めし、被害を抑えた君の判断と行動は称賛に値する」
何とも抑揚のない無機質な声だった。言葉では褒められているはずなのに、温もりというものがまったく感じず、その称賛は鋭利な刃物となって心に突き刺さる。
「しかし、相手が男二人に対して君は一人。実戦経験どころか、まともに武器を握ったこともない女が、寸鉄も帯びず、何の策も勝算もなく挑んだ事実はあまりにも軽率で危険だったとも言える。一歩間違えれば、最悪の場合は命を落としていただろう。君の行動を勇気ある功績とするか、分を弁えない無謀とするか。実に判断に苦しむよ」
容赦なく突き付けられた一点の曇りもない真実。まったくもって半兵衛さんの仰るとおりで、胃の底に冷たい鉛を流し込まれたような気分になる。私がこうして生きていられたのは奇跡や偶然、幸運に他ならず、そこに私の実力や資質などは一切伴われない。自覚していた痛い所を改めて的確に指摘されるド正論にぐうの音も出ない。いつもの理不尽に怒ったり、不機嫌に詰ったりする時は言わずもがな恐ろしいのだが、半兵衛さんお得意の粘着質な皮肉や嫌味は影を潜め、こちらに有無を言わせず、ただ事実だけを理路整然と並べられる今の状態が、私にとって最も恐ろしい。その正論は負ったばかりで、いつ治るとも知れない傷と精神に深く響いてくる。
「頭と口から血を流し、全身を傷や痣で覆われて死んだように横たわった君の姿を目の当たりにした、僕の気持ちがわかるかい?」
変わらず半兵衛さんの表情は無だった。不意を突かれた問いかけに、言葉の意味を咀嚼するまで長い沈黙が流れる。ようやく頭では理解が追いついたものの、返すべき言葉が見つからず、唇は固く結ばれたままだった。
「…は。わからないだろうね。だから、そんな瀕死の重傷を負ってなお、呆けた顔をしているのだろう」
質問の核心を理解できず、答えに窮し、ただ困惑に瞳を揺らす私を見て、半兵衛さんは予期していたと言わんばかりに目を眇めて鼻で笑ったが、どろりと濁った墨を湛えたその瞳はまったくと言って笑っていない。
「君はさっきこの騒動の顛末を御の字だと言った。これしきの怪我で済んだのだから安いものだ、と。君を失うかもしれない恐怖で、僕の理性は焼き切れそうになると言うのに、今の姿で君がへらへらと軽薄に笑いながら口にする言葉が、どれほど僕の神経を逆撫でし、絶望させるか、想像できるかい。君のその短慮が、無謀が、…何よりも、自分を粗末に扱ったその心が、心底許し難い。今の君を直視することさえ不快で、そして、耐え難いほどに悲しいんだ」
徐に半兵衛さんが身を乗り出せば、白い布が巻かれて死角となった左側に何かがじわりと触れる感覚にびくり肩が跳ねる。伸ばされたであろう手が頬に寄り添ったかと思えば、左目辺りをゆっくりと摩る指の触感。布越しから伝わる感覚が、こそばがゆく、肌がぞわぞわと粟立つ。
「片目は視力が落ち、最悪、光を失う恐れがあるそうだね。この程度の騒動で、君がそれほどまでに重い代償を払う必要があったとは、僕には到底思えない」
「で、でも、…人の命と比べれば、…」
「二度も言わせるな。君が誰かの命と自分のそれを天秤にかけること自体、僕にとっては等しく不愉快なのだよ」
張り詰めた糸のような均衡が、別の歪な形へと変貌していく。最初は、命を危険に晒した軽率さを叱られているのだと思っていた。けれど、頬を撫でる指の熱は、もっと独善的で、逃げ場のない偏執的な狂気を孕んでいる。人として最善を尽くしたはずなのに、この人はまるでそれが取り返しのつかない過ちであるかのように突き付けて、単に自分を粗末にしたことではない、もっと別の、私の理解が及ばない何かを罰せられている気がして私は激しく混乱し、死にかけたばかりだというのに、再び命を脅かされるような錯覚に陥り戦慄する。底知れない苛烈な熱量に射すくめられ、私は喘ぐように言葉をこぼした。
「…すみません、でした…」
「謝罪はいらない」
容易く撥ね退けられた謝罪。謝れば済むとは思っていないが、そう言われてしまえば私にはもう術がない。反省はしている。けれど、この終わりの見えない重圧に、いっそ折檻でもされた方がどれほど楽だろうかという、どうかしている考えさえ浮かんでしまう。
「いや、あの、それは…次からは気をつけるっていう意味で…」
「違う」
食い気味に放たれた拒絶の一言が、私の紡ごうとした言葉を無残に散らす。頬から滑り落ちた指が、もう一方の手と共に後頭部を抱え込む。逃げ場を封じるように強引に引き寄せられ、狭まった視界のすべては瞬く間に、深淵のような双眸で埋め尽くされた。
「次などという言葉を口にするな。僕が欲しいのは、その場限りの気休めの約束じゃない。君がその身を、その命を、他人のために使い潰す。その短慮な献身そのものを、僕は今、この場で明確に拒絶しているんだ」
感情を削ぎ落とした声がかえって、内側で煮え繰り返る激情を鮮烈に際立たせる。唯一、世界を映している私の右目を覗き込み、一言一言、呪いを刻みつけるように囁いた。底知れぬ瞳の奥には、濁った執着と支配的な情愛が混ざり合い、重く渦巻いている。半兵衛さんを突き動かす根源の正体は、今の私にはまだ見えない。けれど、泥濘のような狂執が、その眼差しから濁流のように溢れ出していることだけは、肌に刺さるほど痛烈に伝わってきた。
「見えるかい?右目だけで見る僕は、さぞかし歪んで映っているだろうね。君がこの世界を半分しか見られないというのなら、残りの半分は僕が埋めてあげよう」
「そ、それはどういう」
「壊れてからでは遅いのだよ。君が自分を大事にできないと言うのなら、これからは君のすべてを僕が管理する。傷付いた体も、片目に映る景色も、眠る時間も、口にするものも、この先の未来も、命も、そのすべてを僕が掌握する。その方が合理的で安全だし、僕も安心できる」
「か、管理って…」
通常において人間とは管理されるものなのであろうか。その傲慢な響きに息が詰まる。けれど、私の狼狽など一切意に介さない。獲物を追い詰めた獣が漏らす満足げな吐息のように、その声は低く甘く、そして瞬き一つさえ許されないほどの、支配的な緊張感を持って、私を沈めようとしていた。
「当然だろう。これは君自身の行動が招いた報いだ。君が己の価値もわからずに僕の預かり知らぬところで自壊するのを黙って見過ごすほど、僕は寛容ではない。君がどれだけ絶望したとしても、泣いて縋っても、僕をどれだけ憎んでも、疎んでも、未来永劫呪っても構わない。君が生きてさえいれば、そんなものは些末な問題だ。それが嫌なら今すぐ選びたまえ。僕に君のすべてを捧げるか。今後、独り善がりな犠牲に逃げて、僕の心を不要に搔き乱すような裏切りは二度としないと一生を懸けて証明するか。さあ、君の答えを聞こうか」
流石は天下の天才軍師様と言うべきか。私の意思を尊重し、確認するような体裁を整えておきながら、その実、提示された条件はどちらも半兵衛さんの掌の上に置かれていることに変わりはない。これは対等な対話などではなく、ただの暴力的な脅迫に他ならなかった。拒否権なんてものは存在しない。私は極限の恐怖の中で、ただ生存本能に従い、辛うじて理性的な響きのする方を選ぶ他なかった。
「あ、あの、わかりました。自分を大事にします…」
絞り出すような私の誓いは、震えて消え入りそうなほど弱々しかった。半兵衛さんは無言のまま獲物を観察する猛禽のごとき鋭さで、私の覚悟を品定めするように見据えて離さない。声が届いていないのではという恐怖が頂点に達した瞬間、至近距離の双眸がわずかに和らぎ、柔らかな弧を描いた。やがて、部屋を凍らせていた張り詰めた緊張感は魔法が解けたように消えていく。
「よろしい」
肺を潰さんばかりの重圧が消え、部屋に酸素が戻ってくる。殺気にも似た重苦しさはどこへやら、半兵衛さんはようやく溜飲を下げたのか、いつもの涼やかな、それでいて真意の読めない笑みを取り戻す。私の髪を梳く指先は、さっきまでの支配欲を隠し通すかのように、あまりにも繊細で慈悲深かった。耳を打つ甘い声も、髪を梳く慈愛に満ちた手つきも、確かに私を安らげようとしている。それなのに、喉元に刃を突きつけられていたかのような戦慄の残滓が、バクバクとうるさい鼓動となって胸の裏側を叩き続けていた。
「うん、いい子だ。少し厳しく言い過ぎたね。すまなかった。でも、それだけ君が大切で失うのが怖かったんだ」
「あ、はい…ご心配をおかけしました」
「顔色が悪いね。これ以上は体に障るだろう。嫌なことは忘れて、今日はもうゆっくり休みたまえ」
あの極限の地獄を少し厳しく言い過ぎたの一言で片付けてしまうあたり、半兵衛さんの博愛の精神には恐れ入る。顔色が悪い、体に障る、嫌なことのすべての元凶に休めという慈悲深い提案を受け入れ、心身ともに激しく疲労した私は部屋に戻って横になった。結局、半兵衛さんが何に一番腹を立てていたのか、私の凡庸な頭では正解に辿り着けそうになく、頭痛がするので考えるのはやめた。暗闇の中で対峙した闖入者たちの殺気なんて、半兵衛さんのあの凍てつくような無言の追及に比べれば、まだ可愛げのあるものだった。命を救った功績を称えられるどころか、一生ものの呪縛のような約束をさせられるなんて、一体誰が予想しただろう。怪我の痛み以上に、すべてを掌握すると言われた瞬間の、心臓を直接握り潰されるような戦慄が消えない。これからは、あの人に二度とあのような虚無顔をさせないため、そして私の自由を少しでも死守するために、全力で自分を大事にすると決めた。心配された左目も、腫れが引けば視力に影響はなく、大事に至らなかったのがせめてもの救いである。とはいえ、半兵衛さんのあの執念深い視線だけは、いまだに私の右目にこびり付いて離れない。
余談ではあるのだが、後日、ふと思い至って尋ねてみた。
「…ちなみになんですが半兵衛さん」
「なんだい」
「半兵衛さんが私に名もなき謎の野草を無理矢理食べさせたのは、私の身を危険に晒す自壊に当たると思うのですが」
「逆だよ。君が何を口にし、どう苦しみ、どう回復するか。君のすべてを僕が知り尽くすということは、緊急事態において君の生存率を飛躍的に高める、君の安全を保障することにそのまま直結するんだ。言わば、究極の献身なのだよ」
あなたは一体何を言っているんだ。そんなわけがあるか。その献身を人は毒盛りと呼ぶんだぞ。そう叫びたい衝動を抑え、私は自分の命を守るためにそうですかと返事する他なかった。
不合理の代償
MANA3/260420
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