伊達政宗
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「名前。それは何だ?」
「んー…携帯電話」
携帯電話‐政宗編‐
「Ah~?ケッタイデワ?」
「違う違う。け・い・た・い・で・ん・わ。伝令の人が居なくても、これさえ有れば遠く離れた誰かにも伝えたい事が伝えられる事が出来る私の時代にある便利な秘密道具です」
「ほぉ…そいつは凄えな」
「それよりも私はこの時代に居てもアンテナが三本立ってる事が凄いと思いますけど」
普通、有り得ない。
こっちの時代に居ても携帯が弄れるのは凄く助かる事なのだが。
それにしても政宗さん。携帯、ガン見し過ぎじゃないですか?
「…俺も欲しい」
「はい?」
「俺もケッタイデワが欲しい」
「えぇ…何に使うんですか?」
「それが有ったら、お前といつでも話が出来るんだろ?」
「まぁ、そうですが」
「だからケッタイデワが欲しい」
えぇ…
「面倒臭い」
「What?!お前は俺といつでも話したくねぇのかよ!?」
「いや…そういう訳じゃ…」
「じゃあ俺にも寄越せ」
畜生。戦国時代のジャイアンめ。
まあ、理由は確かに嬉しいけど。うん。
「解りましたよ。帰ったら政宗さんの携帯、買って来ますよ」
「OK!約束だからな!」
滅茶苦茶、喜んでるよ政宗さん。夢見がちな子供の様だよ。
―翌日―
「はい。政宗さん。お約束の…―」
「ケッタイデワか!?」
政宗さんが勢いよく私の持っていた箱を奪った。畜生。元祖ジャイアンめ。てか『携帯電話』ですから。
ああ…綺麗な包装紙をビリビリに破いちゃってるよ、この人。「ya-ha!」言いながら破いちゃってるよ。
「OH!Myケッタイデワ!Thank you 名前!!」
「いえいえ」
凄い喜び様ですね政宗さん。目が輝いてますよ。
「良し名前。早速、使い方をLectureしてくれ」
「はいはい」
―数時間後―
「―…で、ここの送信ボタンを押して下さい」
「お…おう」
覚束ない指の動きだが、私の説明は確実に最終段階を終えようとしている。
「はい。これで私の携帯にメールが届きます」
「助かったぜ名前。これでどんなに離れていても俺達はいつでも繋がってる事になるな」
「嫌な言い方しないで下さい。携帯折りますよ逆の方向に」
でも、政宗さん思った以上に喜んでくれてるようだし。ここまで喜ばれると私も嬉しい。
「電話のやり方は大丈夫ですよね?」
「…Yes」
「…大体の事は教えました。また分からない事があったら聞いて下さい」
「おう」
「じゃあ私は帰りますんで」
「おう」
ん?いつもなら「もうちょっと良いだろ」とか「泊まってけ」とか言うのに。まぁ良いか。
城を出た直後、見計らったかの如く私の携帯が鳴った。
ディスプレイを見ると
『ジャイアン政宗さん』
ピッ
「…もしもし」
「Hey!MyHoney!!気を付けて帰」
ピッ
電話はちゃんと使える事が立証された。
その後も電話が鳴り続いたが私はシカトを決行した。
あれ以来、あっちの時代には行っていない。こっちにはこっちの用があるので仕方ないのだが。
「政宗さん元気にしてるかなー」
あの人が元気じゃない日なんてないか。なんて思ってたら携帯が鳴った。
まさかと思って見てみると政宗さんからで、しかも、電話ではなくメール。
「おお。ちゃんと使えてるみたいですね。初メール」
From:ジャイアン政宗さん
件:(not title)
いま戦し
え?何ですかこれ。『いま戦し』?え?まさか『今、戦死』って訳じゃないですよね?え?何ですかこれ。何なんですかこれ。遺言ですか。
やたら混乱してると画像が添付されている事に気付く。写メールまで出来る様になっているとは。
まさか政宗さんの屍の写メでも添付されてるのだろうか。勘弁してくれ。
添付された画像を開く。
そこには敵軍と思われる人を踏ん付けて勇ましくポーズを取って返り血を浴びた政宗さんの姿が写っていた。
は……犯行写真!?!?
誰が撮ったんだこれ?!多分、小十郎さん…か。と言うか、こんな物を送り付けて誰かに見られでもしたら通報は免れないじゃないか!どう言うつもりだあの人!
とりあえず政宗さんは生きていた。名も知らぬ敵軍の誰かは死んでいたが。
ホッとした矢先に、また政宗さんからメールが届く。
From:ジャイアン政宗さん
件:(not title)
いま戦してま す
いや、もうそれはわかったよ!さっきの写メで充分にな!そして何故、敬語!?この『ま』と『す』の謎の空白は何なんだよ!もしかしたら、さっきのメールは途中で送信してしまったやつなのか…。二通目のメールにもご丁寧にさっきと全く同じ写メが添付されていた。止めろ。
私が混乱してる事も知らず三通目が届く。
From:ジャイアン政宗さん
件:(not title)
はやくあいた
全て平仮名の不完全燃焼な内容だったが意味はわかった。
とりあえず、私は今、戦の真っ最中の政宗さんに電話をする事にした。
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**0904/MANA3
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