06
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「そのままこちらへ参るがよい、長曾我部よ。」
「も、毛利様。富嶽を引き寄せるためとは申せ、これでは我が軍の被害が―」
「すべては策の内よ。捨て時を誤らば駒の持ち腐れとなろう。」
「し、しかしながら…この後は如何様に?」
「我が同盟を拒んでおれば、豊臣が長曾我部へ近付いたであろうことは自明。いずれかと結託し、いずれかを捩じ伏せ、九州制圧のための地固めを為すが豊臣の、竹中半兵衛の目論見。我はそれを利用せんとしておるまで。」
「そういうことをあまり口に出さない方がいいんじゃないですか元就さん。まだ来てないとは言え竹中さんがいつ来てもおかしくないですし、今の会話を聞かれてしまうかもしれませんよ。それにどこに間者が潜んでいるのかもわからないんですから。ねえ、赤川さん?」
「さ、さようにございますね。」
「手筈通りのようだね、元就君。」
「ものすごいタイミングで登場なされた。」
「四半時遅い。計算よりも多くの船を沈められたわ。」
「富嶽をこれだけ引き付けてくれれば十分だ。長曾我部の骨は豊臣が断とう。君達に肉を切らせた分は安芸の確かな安寧で報いさせてもらうよ。それから、君が噂の名前君だね。」
「一体何の噂かわからないせいで肯定ができないのですが。」
「安心するといいよ。君のそれは杞憂でしかないのだから。」
「何の話ですか?」
「元就君が僕を利用するように僕もまた彼を利用しているということさ。」
「めちゃくちゃ聞かれてるじゃないですか元就さん。どうするんですかこの状況と私の動悸を。」
「杞憂だという以上、何も焦燥する必要なかろう。」
「無茶を言いなさる。」
「では早速なのだけれど名前君。僕と一緒に豊臣に来ないかい?」
「「は?」」
「君は本来、この世界とは異なる世界の存在らしいじゃないか。そんな君からの話を是非聞きたかったのだけれども中々、その機会が巡って来なくてね。この同盟はまたとない好機というわけさ。」
「この重要な同盟にそんな恐ろしくも下らない理由が含まれていただなんて。」
「下らないとはとんでもない。秀吉も君に対して強い関心を抱いている。秀吉だけではない。三成君や大谷君、家康君だって君が豊臣へ来ることをきっと歓迎するはずさ。」
「ほぼほぼ逢ったことがない人達ばかりですが、何だか3人ほど怖そうな気がして仕方がないですし、そんな人達から謎に関心を抱かれて体の震えが止まらないです。」
「勿論、この僕も君に興味を持っているよ。」
「4人になりました。」
「竹中。何を企んでいるのか知らぬが、此奴が貴様にもたらす益など何一つない。」
「雨や曇りの日に元就さんのために晴れるようにとてるてる坊主をこしらえる私に利益がないというのですか。」
「このとおりだ。豊臣に与したところで捨て駒にもならぬ異端な塵芥よ。」
「役に立っているとは思っていませんでしたが、ここまではっきりと言われると心が痛い。」
「そこまで言うのであれば僕がもらってもかまわないのだろう?」
「もらったところで何の意味がある。百害ありて一利なしのこの女を。」
「元就さんの目に映る私って人の形を保ってますか?」
「冷酷無情と恐れられる君が塵芥と蔑む彼女の命をいつでも手折ることができるというのにその実、手放すことなく傍に置いておく。意味というのなら他でもない君自身がそれを見出しているのだよ。」
「戯言を。殺すまでの価値がないとは思わないのか。」
「殺す価値はなくとも生かす価値など更にないだろう。」
「やめてください竹中さん。あなたのその一言で目の前の命が失われるかもしれないんですよ。」
「それこそ杞憂に過ぎない。何せ彼は君のことをとても気にかけている様子だからね。」
「え!?そうなんですか元就さん!?」
「黙れ。瀬戸内にその身を沈められたくなければな。」
「話がちがうじゃないですか竹中さん。」
「沈めると言っただけで殺すとは言っていないだろう?」
「同じですよ。私はそんな楽観的な見解では捉えきれませんよ。他人事だからって適当言わないでください。」
「ならば名前に選ばせるといい。未来永劫、我の元に傅き、恭順を示すか。豊臣に寝返り、その決断を恥じ入りながら我に討ち滅ぼされるか。」
「これについては君の生死に関わる選択肢のようだね。」
「今のはどっちを選んでも死ぬ選択肢です。」
「して、どうするのだ。」
「竹中さん。元就さんには(塵芥と言われようとも何だかんだで)お世話になってますし、(そちらには怖い人が4人も居るので)豊臣さんの所には行けないです。申し訳ないです。(まだ死にたくありません。)」
「ふん。当然だな。」
「おや、ふられてしまったね。それにしても随分と嬉しそうな顔をするじゃないか元就君。」
「ええ!?本当ですか元就さん!?」
「黙れ。殺すぞ。」
「竹中さんがありもしない幻想を見たせいでシンプル暴言を浴びせられてしまいました。」
「豊臣へ来てくれるのであれば僕が君の望む甘い言葉をいくらでも囁いてあげるというのに。」
「いやいやいやいや。私はまだ死にたくはないので。それに裏切りはよくないですから。ねえ、赤川さん?」
「さ、さようにございますね。」
タクティシャン同盟2
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就サン側主人公で半兵衛サンを出すのは初めてだと思う。「殺す価値はなくとも生かす価値など更にない」は某作品の名台詞ですが、名台詞過ぎて人生に一度は言ってみたいですよね。
MANA3/250210