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夢小説設定
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「駄目ですってば!」
「何が駄目だと言うんだい?」
「逆に何でいいと思っているんですか!」
「逆に何故いけないと思っているんだい?」
「埒があかん!半兵衛さんって本編で崖から落ちて死んでしまったじゃないですか。それなのに何事もなく平然と出て来るわけにはいかないですよね?」
「僕は死んでないよ。」
「死んでないんですか!?あんな高い所から落ちておいて!?」
「ほら、よく言うじゃないか。高所からの水落ちは生存の可能性が高いと。」
「言いますけど、それは落ちた本人が主張することではないんですよ!」
「それに遺体は確認したのかい?」
「遺体ですか?」
「遺体を見て生死を確認しない限りは生きている可能性は十分にあるだろう。」
「可能性はありますけど、それも生死不明の人間が言うことではないですし、何だったらその場合、何らかの犯人であることが多いですからね。」
「僕は何の罪を犯してはいない。例え罪を犯していたとしても僕の前ではすべてが無に帰すし、それでも罪というのであれば世界の認識を正しく書き換える、それだけだよ。」
「犯人の枠には収まりきらない世界を脅かす強大な何かになろうとしている。」
「そういうわけだから僕が出ても問題ないよね。」
「だから駄目ですって!そもそも武田の道場ですよ?何のために出るんですか!」
「道場を総べる者はこの日ノ本を統べたも同然なんだろう?」
「凄い勝手なことを言っている!心象風景の中で秀吉さんと慶次さんと話していたんですから大人しく死んでいて下さい!」
「話はすべて聞かせてもらった。」
「毛利さん?!」
「この世のすべてを安芸にする大願が成就するならば、彼の道場、我が制するまでよ。」
「誰もそんな話してませんよ!全然聞いてないじゃないですか!あの道場は何でも願いが一つ叶うパワースポットでも何でもないんですよ!そもそも、毛利さんも本編で死にましたよね?」
「遺体が出なければ生存しているが定石よ。」
「どこかの智将と同じこと言ってる。普通の人間ならあの爆破で死んでいてほしいところですけどね。」
「事実、我、劇場版に出ておるし。」
「とんでもないこと言ってる!だから何で生きてるって話ですよ!」
「捨て駒ごときに屠られる我ではないわ。」
「それで済ませてしまうのはどうかと思いますが妙に納得できてしまうのだから恐ろしい。」
「劇場版なら僕も出ているよ。」
「回想でね!?それは何故か!死んでいるからなんですよ!」
「聞くところによると、仮面をつけて素性を隠せば道場に出られるらしいじゃないか。それなら僕が出ても何ら問題はないと思うけど。」
「本気で言ってるんですか?半兵衛さんが思っているよりもその仮面は役割をなしてないですよ。それで道場に行ってもそこに居るのは竹中半兵衛その人ですからね。後、何とか仮面って仮の名前も考える必要がありますよ。」
「変態仮面でよかろう。」
「ぶわははははは!痛ぁッ!何で私を引っ叩くんですか半兵衛さん!」
「それでは名前。君も天才仮面と日輪仮面が待つ道場に挑戦したまえ。」
「感性が問われる名前はさておき正体を隠す気あるんですかそれ。そして、何で私が道場に行かないといけないのか。」
「君にも叶えたい願いの一つや二つはあるだろう?」
「ありますね。死んだ人はさっさと安らかに成仏してほしいです。もしくは道場に行きたくないのですが、そのために道場に行かなければならない逆説が発生する場合はどうしたらいいですかね。」
「我が勝利した暁には名前は正室として迎える。」
「あれ!?毛利さん!?さっきと言っていること違うじゃないですか!大願の恐るべき日ノ本安芸化計画はどうなったんですか!」
「先の願いとは別よ。こちらは我が勝利した場合、貴様自身に聞き入れてもらう。」
「なら僕は健やかなる時も病める時も喜びの時も悲しみの時も富める時も貧しい時も僕を愛し、僕を敬い、僕を慰め、僕を助け、その命ある限り、僕に身も心も捧げ服従し続けると絶対忠誠を誓ってもらうよ。」
「控えめに言って地獄!何故か行きたくもない道場に挑まされてボコされた上、智将二人の手によって私の人生が滅茶苦茶にされてしまう!しかも今更ですがさらっと道場を乗っ取ってる!どういうこと!目的が変わっているじゃないですか!いいから移動式厳島だか穏やか回想だか知らないですが、劇場版に出るならその準備でもしておいて下さいよ!」
「半兵衛様!!!!」
「地獄のように面倒くさい人が来た!」
「ご無事であられたのですね半兵衛様!しかし、何故毛利がここに?」
「ほらどうするんですか半兵衛さん!このままだと劇場版に差し支えますよ!」
「元就君が名前を正室に迎えると血迷ったことを言うものだから彼女は僕のものであることを諭していたところだよ。」
「この人、今までの経緯を端折った上で若干、事実を捻じ曲げて伝えてる!」
「何だと!?名前!貴様、半兵衛様を裏切るつもりか!」
「ほら始まったじゃないですか!いつもの発作が!石田さんも劇場版の方はいいんですか!」
「?なんだその劇場版とは。」
「何で主役とも言えるあなたが知らなくて、主役でもない亡霊達が堂々とメタ発言してるんですか!半兵衛さん、本当にラストパーティーできないんですよ! いいんですか!」
「竹中。この際だ。貴様の生死を明らかにするべきではないか。案ずることはない。名前はこの先、我が一生添い遂げた末、同じ墓に入るゆえ気兼ねなく死ぬがよい。」
「私は滅茶苦茶案じますけどね!もう無条件で私が安芸という名の墓に入ることが決まってしまっている!」
「三成君。秀吉を討った伊達政宗という男が武田道場に居るらしい。今からそこに赴き、共に仇討ちを果たした末、秀吉の夢である富国強兵の夢を叶えようじゃないか。」
「承知しました、半兵衛様!」
「承知するな!半兵衛さんは自分が都合よく生きるために秀吉さんを犠牲にしてますけど、遺体がなければ生きてる説はどこに行った!」
「約束は守ってよ、名前。」
「約束を違えるなよ、名前。」
「裏切りは許さんぞ!名前!」
「そして結局、道場に行く方向になりそう!嫌だ!」
彷徨う智将
MANA3/241123
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