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「半兵衛さんが、二人!?」
「君、どういうつもりだい?昨日、城に闖入したかと思えば、また次の日に来るだなんて。」
「それはこちらの台詞だよ。まったく、忍と言えど、その神経の図太さには恐れ入るよ。」
「すでに見つかってしまった以上、さっさと諦めたらどうなんだい?」
「そちらこそ無駄な悪足掻きはよしたまえ。しかも、この僕を装うとするだなんて、虫唾が走るよ。」
「黙示録すぎる。」
「名前。今すぐこの目障りな忍をひっ捕らえるよ。」
「え、あ、はい!」
「何を言ってるんだい、裏でこそこそ嗅ぎ回っているのはそちらの方だろ。」
「え、え!」
「名前。君、まさかどちらが本物かわからないわけじゃないだろうね。」
「え、いや!」
「名前。勿論、わかっているよね?この僕が本物だと言うことくらいは。」
「あの…えーっと…。」
「君は聡明な人間だ。君が持つ慧眼なら真贋を見極められると僕は信じているよ。」
「うわあ…どうしよう。こっちが本物であってほしい…ッあだ!」
「そんな見え透いた甘言に惑わされるんじゃない。」
「うぅ…この無慈悲な暴力…間違いなく、半兵衛さんのもの…。」
「女性に手を上げるだなんて、紳士として、いや、人として、君の良識と品性を疑うよ。」
「それは本当にそう。」
「豊臣が築く弱者を淘汰し、富国強兵の世で、些末な存在である彼女が生きていられるのは僕の慈悲深さ故なのだよ。」
「言ってることはめちゃくちゃなのに凄く半兵衛さんっぽい。」
「やれやれ。こうなったら自分が本物であることを自ら証明するしかないようだ。」
「どうやらそのようだね。」
「そんなことができるんですか?」
「名前。君は先日、秀吉のことをお母さんと呼んでいたね。」
「え!な、何でそれを!」
「秀吉は君の母親ではないよ。」
「わ、わかってますよ!間違って呼んじゃったんですよ!」
「それを言うなら名前。君は大谷君のこともお母さんと呼んでいたね。」
「うぇ!そ、それも何で!」
「君の母親は一体何人いるんだい?」
「一人ですよ!一人に決まってるじゃないですか!だから間違えたんですって!本物の半兵衛さんならいざ知らず、何で敵の忍にも私だけ精神的苦痛を伴うクソしょうもない情報が漏洩しているんですか!」
「一昨日に着ていた君の衣装だけど、裏と表が逆になっていたよ。」
「まだある!何でそれをその時に言ってくれなかったんですか!どういう気持ちでそのままにしておいたんですか!」
「みっともなくて滑稽だと思っていたよ。」
「そう思うのなら教えて下さいよ!」
「昨日は衣装から褌がはみ出していたよ。」
「褌じゃないですよ!いや、この時代だと褌みたいなものかもしれませんが褌じゃないですよ断じて!てか、褌だったとしても何で教えてくれなかったんですか!」
「あまりに挑発的だったものだから、見せつける意志を感じざるを得なかったよ。」
「何ですか挑発的な褌って!見せつける訳ないでしょ!在りもしない意志を感じ取らないで下さい!」
「君が認めている日録のことだけど、」
「日録!?読んだのか!?人の日記を勝手に!?」
「○月×日の―」
「おい!おい、やめろ!やめろアホ!何、他人の私的な内容を具体的に公表しようとしてるんだ!ふざけるな!」
「昨夜の君の寝言についてだけど、」
「寝言!?何だ寝言って!何で私の寝言を知っている!寝ている私に何かしたのか!」
「吐息が絡んだ熱を孕む声で僕の―」
「ぎゃあああああ!!やめて!もはや、私でさえも観測できないような恥を晒そうとするな!そもそも、それが何の証明になるんですか!せいぜい自分がクソ野郎ということを自己紹介しているだけじゃないですか!自分のことを本物だと証明するって言ってたくせに何の時間なんだよこれ!ただただ私が辱められているだけなんですけど!」
「ああ、それはそうと、そろそろ武田に向かわせたこちらの忍が、着いた頃合いだろうね。」
「は!?うそ!?いつの間に!?そんなの俺様が見逃すはずが―」
「信じようも信じまいと君の自由だが、僕としては即時撤退することをおすすめするよ。お互いのためにもね。」
「仕方ない。ここは大人しく退散しますかっと。じゃあね、名前ちゃん!またねえ!」
「誰なんですかお前!人の個人的な部分を勝手に曝け出すだけ曝け出して!二度とこの領地と私の心に土足で踏み込むな!」
「安心したまえ。彼の言っていたことはすべて、僕も把握していることだから。」
「半兵衛さんの言う安心って何なんですか!つまり、それって半兵衛さんが監視されていたからですよね!さっきの情報をさっさと教えればこんなことにはならなかったのに!」
「時間稼ぎには丁度良かったよ。」
「私の心と自由を犠牲にした丁度いい時間稼ぎとは!人の心とかないんか!」
「そんなことよりも、名前。」
「そんなことよりも!?」
「これで僕が本物の竹中半兵衛であることは証明されたわけだけれども。」
「そうですね。あなたが人間に擬態した厄災ということが証明されましたね。」
「君が偽者である可能性はまだ残っているよね?」
「この心の奥底から湧き出る憎悪と憤激が偽りなわけないでしょうが。」
「とは言え、彼は昨日、君の姿でこの城に忍び込んでいたからね。」
「殺しましょう。」
「その前に君が本物かどうかを確かめなければいけない。」
「何をするつもりですか。それ以上、近づかないで下さい。止まれ!近づくな!」
「僕を拒否するということは、自分が偽者だと認めているのも同然だよ。」
「…ちなみになのですが、どういった確認をするのですか?」
「まずは咥内を見る。」
「まずは!?咥内を!?何故!」
「歯の形状と舌の色が本人と同じか比較する。」
「怖い!何か怖いこと言ってる!本物というお墨付きが、その怖さに拍車をかけている!しかも、まずはって何ですか!最初に口の中って言うだけでも受け入れ難いのに、それでまだ続きがあるのも信じられないのですが!」
「咥内の次は背中と腕と腿にある痣や傷の有無と状態を調べる。」
「その痣と傷って全部、半兵衛さんが最近、私に負わせたやつじゃないですか!それ確かめたら十分でしょうに!何で最初に咥内を!」
「そして、その後は、」
「尚も続く!その確認という一線を越えた狂態をどこまで見せつけるつもりですか!」
「僕が満足するまでだよ。」
「この状況で満足って言葉に違和感を持って下さい!」
「僕が責任をもって君が本物だと見極めるさ。君は安心して僕にその身を委ねてくれれば、それでいいんだよ。」
「半兵衛さんの言う安心ほど私を破滅に導くものはないのですが!」
MANA3/20250907