SS
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ん?何か落ちてる。あれは…!?!?は、はは半兵衛さん!?!?……ん?あれ?…何だあの悪趣味な仮面か。チッ。何だ、てっきり遂に天罰が下った半兵衛さんが野垂れ死んでいるものかと…。……………ちょっと待てよ?」
仮面が廊下に落ちていた。
つまり半兵衛さんは今、仮面を着けていない。
半兵衛さんの素顔が見れる!
「これは一大事だ!今まで体の一部だと思っていた仮面が着脱可能でしかもその仮面を今外している!!殆ど素顔だし、今までそんなに気にはしなかったと思うと慣れって恐ろしいけど、こうなれば俄然、好奇心が疼くぞ!一刻も早く半兵衛さんを探し出さねば!!」
「おい。」
「あ、石田さん。」
「半兵衛様を見なかったか。」
「私も丁度探している所なんですよ。」
「はっ!半兵衛様!」
「え!?何処!?何処ですか!?!?」
「何を言う!貴様の目は節穴か!半兵衛様ならそこに居られるだろう!」
「え、……あの………非常に申し上げ難いのですが…これ、半兵衛さんじゃなくて、仮面なんですけど…。」
「…………。」
「…………。」
「貴様は何を言っている。」
「私はそれを石田さんに聞きたいです。」
「この痴れ者が!半兵衛様を侮辱するのなら私は貴様を許さんぞ!!」
「侮辱してんのはあんたですよ!」
「最早、言葉を交えるのは無意味。そこに直れ!この場今すぐ斬滅してやる!!」
「駄目だこの人!早く何とかしないと!」
「何をしている。」
「ひ、秀吉様!」
「む、それは。」
「ああ、これ廊下に落ちていたんですよ。秀吉さん、半兵衛さんが何処に居るか知りませんか?」
「いや。お前は知らぬか三成。」
「い、いえ!私も半兵衛様を探していた所だったので。」
「…………そう言えば、秀吉さんは半兵衛さんの仮面を着けていない所を見た事はあるんですか?」
「…………。」
「…………。」
「…………。」
「…………。」
「………………ないな。」
「今かなり記憶を遡りましたね。え、てかないんですか!?秀吉さんも!?!?寝ている時とかお風呂の時とか知らないんですか!?!?」
「見た事はないな。流石に湯浴みには外しておると思うのだが。」
「もしかしてずっと着けてるかもしれないって事ですか!?衛生的にどうなんですかそれ!!そこまで行くともう変態ですよ!」
「貴様あああ!半兵衛様を愚弄する事はこの私が許さぬぞおおおお!!!!!!」
「うむ、確かに。到底尋常だと思えぬ。」
「秀吉様ああああああああ!?!?」
「外した所を見てなくても、せめて着けてる理由は知らないんですか?」
「気に留めた事もない。」
「(この人達、本当に友達なんだろうか。)もしかしたら半兵衛さんって仮面を着けたまま産まれたんじゃないですかね。なーんて!」
「「…………。」」
「(やばい。何か二人が神妙な顔付きで考え始めた。真剣にちょっと有り得そうじゃね?って表情をしてる。どうしよう。放って置こう。)」
「一体何を騒いでいるんだい?」
「半兵衛さん!?!?って何で仮面してるんですか!!!!」
「質問の意味を理解し兼ねる。」
「いやいや、だってほら!これ、これ!!!!」
「ああ、丁度探していたんだよ。何処にあったんだい?」
「何処にあったって、異彩を放つ存在感でこれ見よがしに廊下に落ちていましたけど!それなのに何で!!」
「代え位、用意してあるのは当然だろう。何だい欲しいのかい?なら、僕をその気にさせるまで卑しく強請ってみなよ」
「要るか!」
「半兵衛様!それをどうかこの私めに!」
「駄目だこの人!早くなんとかしないと!」
「半兵衛。」
「どうしたんだい秀吉。」
「お前は産まれたその時から仮面を着けておったのか?」
「…秀吉……。」
「何だ。」
「今日はもう休んだ方が良い。」
「ああ。」
―――
「半兵衛さんの素顔が見たいです。」
「随分と開き直ったものだね。」
「だってこうなると俄然気になるじゃないですか。」
「そうだね。見せてあげない事もないよ。」
「本当ですか!?!?」
「ただし、それがどう言う意味なのかを理解した上での申し出だと僕は受け取らせてもらう。」
「え?何を言って…。」
「おや、何も考えずに口にするとは随分と無責任じゃないか。いや、是が非でも君には責任と言うものを取ってもらおう。」
「は!?責任ってそんな!」
「人の秘密を知るとはね、そう言う事なんだよ。それにね、僕の素顔はただ一人の人にしか見せない。心に決めたたった一人の人間にしかね。」
「ちょちょっ、待って!待って下さい!!」
「ふっ、全く。君と言う人間は見ていて飽きないね。」
「なっ!!!!か、からかったんですか!」
「からかう?まさか。」
「だ、だって!」
「今の会話で僕は一つたりとも嘘を吐いてなどいない。」
「………えー…っと…それは、つまり………。」
「仮面の下を覗きたいのならいつでも言いたまえ。ただし、その時はそれなりの覚悟をしてから言う事だね。」
「(……もう軽々しく言わないでおこう。絶対に。)」
―――
「ん?何か落ちてる。あれは…!?!?は、はは半兵衛さん!?!?……ん?あれ?…何だまた仮面かい。チッ。てっきり半兵衛さんが何もない廊下で躓いて転倒した際に打ち所が悪くそのまま勝手にくたばっているものかと…。昨日今日で続けて落とすとか。意外にうっかり屋さんなんだな。それとも歳なのか。何歳か知らないけど。」
「随分、好き放題言ってくれるね。」
「!?!?!?か、仮面が喋りおる!!!!怖ッ!きもっ!一体、どうして…!」
「やれやれ。気付かないのかい?あの体、君が竹中半兵衛だと思っていた人間は所詮は器。言わば心がない人形でしかないのさ。」
「じゃあ、ま、まさか…!!!!」
「ああ、そうさ。僕が竹中半兵衛の本体なのだよ。」
ガバッ
「な、何だ…夢か……。何て笑えない夢なんだ。」
「先程からこちらを見ているが、僕の顔に何か着いているのかい?」
「…………いえ……何も………。」
「?」
MANA3*111117