SS
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「彼は石田三成君だ。秀吉の左腕として新たに豊臣に仕える事になった。」
「は、はあ…。(何か怖い。)」
「君が今後彼と関わる事は滅多にないとは思うけれど、一応紹介だけはと思ってね。」
「それは、ご丁寧にどうも。」
「三成君。彼女が例の愚図で鈍間で愚かな上に哀れで気が弱くて意気地しの僕が居ないと生きていけない寸胴の名前だよ。」
「ちょっと待って下さい。誰が愚図で鈍間で愚かな上に哀れで気が弱くて意気地なしの寸胴なんですか!?まあ、それは百歩譲ってそうだとしても私、半兵衛さんの様な人が居なくても生きていけますから!寧ろ、居ない方が良ひいいいいいっ!!!!!!!!」
「貴様ぁ、さっきから聞いていれば、半兵衛様に対して何だその口振りは。今この場で斬滅されたいのか?」
「そこまでだ三成君。彼女は僕の玩具だよ。僕以外が彼女を弄ぶのは許さない。」
「えええ!?!?」
「も、申し訳ございません、半兵衛様!」
「ええええええ!?!?!?!?」
―――
「おい、そこの愚図で鈍間で愚かな上に哀れで気が弱くて意気地しの半兵衛様が居なければ生きていけない寸胴の貴様。」
「い、石田、さん…。(ひぇー怖い!怖い上に名前で覚えてもらってないし!覚えなくて良い事を覚えてるし!滅多に会わないとか聞いたのに向こうから会いに来たんですけど!)」
「貴様は一体何なのだ。」
「はい?」
「何故、半兵衛様は貴様の様な寸胴を寵遇なされるのか。そう、貴様の様な寸胴を。」
「何で寸胴って二回言ったんですか。それに寵遇ってどこをどう見てそう思ったかは知らないですがとんでもない勘違いですよ。」
「半兵衛様に限って憂慮は不要だとは思うが、もしも貴様があの方を誑かし、仇なさんとするならば容赦はせん。」
「何言ってるんですか!寧ろ私の方が誑かされていますからね!?あなたは半兵衛さんを尊敬しているかもしれませんがあの人は他人の不幸を糧にして生きている極悪非道の代名詞ですよ!最早、あの人は、いやあれは人間じゃない!この世界に破滅をもたらさんとする厄災そのものですよ!!!!」
「貴様ぁ…性懲りもなく又しても半兵衛様を愚弄するか。」
「はっ!しまった!つい本音が!」
「秀吉様、この寸胴を斬滅する許可を私に…!」
「おまっ、三回も寸胴と言われて気にしないと思っているのか!?良い加減寸胴から離れやがれどすこい!!!!!!!!」
「ぐはあっ!」
「あばばばば!出会って間もない人に寸胴と三回も言われて思わず掌底打ちを!ご、ごめんなさい!!!!さよなら!」
「…くそっ!あの女め。このままでは済まさんぞ!」
―――
あれ以来、滅多に会う事はないはずだった石田さんが執拗に毎日私を付け回しています。わあ、見てるわー。今日も今日とて振り返れば少し距離を置いた所から石田さんが私を見てるわー。掌底した事を今でも怒っているのだろうか。だとしたらやばいわー。命の保証がないわー。でも、私謝ったし。そもそもあれは寸胴寸胴と言う石田さんにも非があるのだ。だからもうお相子で良いのでは?と言いたいがどうもそんな言い分も聞き入れてくれそうな相手ではない。しかし、このいつ斬滅されるかもわからない緊迫された膠着状態がいつまで続くのか。もう私には堪え切れません。そう言う事で、私は逃げます!
「はあ、はあ、ここまでくれば…流石に…ぎゃっ!?いつの間に!?!?。」
「それで私を出し抜いたつもりか?」
「な、何なんですか!?毎日毎日私の後を付けて!まだ掌底した事を根に持っているんですか!?」
「貴様は信用するに値しない。いつ不穏な動きを見せるやもしれんからな。こうやって私が監視をしている。」
「まだそんな事言ってるんですか!?てかこんな事して暇なんですか!?」
「今はやる事がないだけだ。それにこれも軍の為の職務には変わりない。」
「………。」
「………。」
「あ、秀吉さんだ。」
「何!?何処だ!?!?」
ダッ!
「なっ!?貴様、謀ったな!?」
「ぎゃああああ!!!!早ッ!はっや!!!!心做しかカサカサと音がする!カサカサと不快な音を立てながら追い掛けて来るんですけど!」
「っこの!」
「ぎゃああああ!!!!捕まってしまった!たった数メートル走っただけで物の見事に呆気なく捕まってしまった!命だけは!どうか命だけはああ!!!!」
「大人しくしろ寸胴め!!!!」
「ぎゃああああああ!!!!!どこ触ってんだ変態アーモンドがあ!寸胴って言うなって言ってるだろうどすこい!!!!!!!!」
「ぐはあっ!!!!」
「あばばばば!!!!顔見知り程度の人に触られたくない所を触られた挙げ句心の傷が癒えぬ内に又もや寸胴と言われ思わず暴言を吐きながら後頭部で頭突きを浴びせ怯んだ所で透かさず鳩尾に膝蹴りを食らわせここぞとばかりに掌底打ちをしてしまった!ごごごごめんなさい!!!!今度こそさよなら!もう私には構わないで下さい!」
「…くっ…許さん…あの女、絶対に許さんぞおお!!!!!!」
―――
「最近、随分と三成君と仲睦まじい様だね。」
「 ど の 辺 が ? 」
「君達が屡々一緒に居るとの噂を聞く。」
「違いますよ!向こうが一方的に因縁つけて私の事を追い掛け回すんですよ!」
「へぇ。」
「第一、あの時半兵衛さんが私を変な風に紹介しなければこんな事には。」
「そうかもしれないね。」
「あれ?そう言えば今日は石田さんの姿が見えないですね。」
「気になるのかい?」
「そう言う訳じゃないですけど。」
「今日、彼は居ないよ。」
「え?何でですか?」
「今日だけでなく暫くね。次の策を講じる為に彼には遠方へと出向いてもらった。」
「そうなんですか。」
「ああ。」
「………。」
「………。」
「え、何か半兵衛さん、機嫌悪くないですか?」
「気のせいじゃないのかい。」
「(そんな禍々しいオーラを放ちながら言われても。)あ、あの私部屋に帰っても良いですか?」
「駄目。」
「(ええええ、帰りたい。心底帰りたい。)」
「君は大人しく僕の側に居ればそれで良いんだ。」
「は、はあ…。」
「さて、それはそうと僕の側から離れていた分の埋め合わせをしてもらおうか。」
「え、一体私に何を償えと!?!?」
「そう硬くならなくても大丈夫だよ。ただ僕の気が収まるまで君を蹂躙したり嬲ったりするだけだから。」
「 ど こ が 大 丈 夫 。 常日頃の半兵衛さんじゃないですかってぎゃああああああああ!!!!!!」
MANA3*111005