01
夢小説設定
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「ふざけんじゃねぇ!!!」
そんなことを考えていると突然、店の方から叫ぶ声と、悲鳴と、皿が割れる音がした。
「あらやだ…また?」
ため息をついてバックヤードから出るオーナーを追って、俺もフルーツを置いてバックヤードから出る。
そこには割とガタイがいい方の、けれどけしてチンピラとかヤクザではない、ただのサラリーマンの男が嬢に向かって怒鳴っていて
黒服が止めに入っていた。
「原因は?」
「アイツがジュリちゃんの身体無理やり触ろうとして拒否られて…」
近くにいた黒服にオーナーが事情を聞くと、くだらない理由が語られて、俺はチッと舌打ちをする。
キャバ嬢なら何をしても許されると考えるクズは、残念ながら一定数いる。
それは意外とチンピラやヤクザよりも、酒を飲んで気が大きくなった一般人の方が多かったりする。
…まぁ、チンピラやヤクザよりも対処は楽だが。
しかしこの男、いつもの馬鹿よりタチが悪くて、黒服の説得にも怯むことなくますます暴れる。
「俺が行きます」
「え、でも…っ」
行こうとするオーナーを止めて、黒服と客の元へ行き、今にも黒服を殴ろうとする客の手を止めた。
「店内ではお静かに願います」
ギリギリと手を締め上げると、男は顔を歪めて、精一杯の虚勢を貼りながら「ああ?」と俺に叫ぶ
正面に回って男を睨み付け
「静かにしろっつってんだよ」
耳に口を近づけてそう言うと
男の生唾を飲む音がした。
「…お客様がお帰りです。案内します」
戦意喪失を感じ取ると、そのまま手を引っ張って外へ出る。
男は特別抵抗なんかはしなかった。
「今後一切この店に近づくんじゃねぇ。
今度近づいたら
ーーーー殺すからな」
そう言って手を離すと、ヒィ、と喉を鳴らしながら、逃げるように男は立ち去っていった。