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夢小説設定
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あなたの隣は
暖かくて
心地よくて
陽だまりのようでした
ーーーーーーーーーーーー
「フルーツよろしく〜」
「かしこまりました」
日本一の歓楽街、神室町
その町の一角にある、キャバクラ「ブルームーン」
俺はここで働いてる。
嬢ではなく、黒服としてと、簡単な料理なんかする雑用係として。
注文を受けてバックヤードに入ると、棚からフルーツを何種類か取り出して、ナイフでカットしていく。
これを注文した嬢は、いちごが好きで、マンゴーが苦手だったから、多めにいちごを盛ってマンゴーは盛らないことにする。
嬢についてた客はたしかこの前はりんごをたくさん食っていたなと思いつつ、多めにりんごをカットしていると、不意に声をかけられた。
「お疲れ様、蓮ちゃん」
「…お疲れ様、です。オーナー」
真っ黒な長い髪を耳にかけながら、柔らかく微笑むこの人は、ここブルームーンのオーナー。
オーナーではあるがまだ30代で、美しい人なので、こうして嬢としても働いている。
「綺麗ね。あなた本当フルーツ盛りのセンスあるわよね〜」
「あ…ありがとうございます」
「そうだ、今日ね、お店が終わった後みんなで飲みに行こうって話をしてたの。もちろん女の子だけでね。蓮ちゃんも来る?」
「いえ、俺は…」
「…そう。残念。じゃあまた今度はおいでなさいね」
「…はい」
ぽんぽんと俺の頭を撫でながら、オーナーは「いいのよ」と笑ってくれた。
オーナーと出会ったのは1月前
タチの悪い男に絡まれていたオーナーを助けたのがキッカケだった。
このとき俺は3日くらいメシを食ってなくてふらふらで、男を撃退したあと限界がきて倒れた俺をオーナーが介抱してくれた。
あなた、家はどこ?
ご飯ちゃんと食べてるの?
オーナーの問いに何も答えられないでいると、オーナーが自分の店で働かないかと言ってきた。
初めはオーナーが俺の顔を気に入ってくれて嬢として働くことを勧めてきたが、饒舌とは言い難いし、媚びるような態度を取れるとは思えず、客を楽しませるなんてとても無理だと断った。
するとオーナーは、じゃあ黒服として働けばいいと言った。
オーナーは店のあるビルの一室、ずっと物置となっていたというソコを俺の部屋として貸し出してくれた。
無口で態度も悪い俺をオーナーは怒ることも呆れることもせず、ただ受け入れてくれて。
そんなオーナーの元に集まった人間だからだろうか、黒服も嬢も皆穏やかで優しい人ばかりで、俺に良くしてくれた。
本当に、オーナーには感謝してもしたりない。
暖かくて
心地よくて
陽だまりのようでした
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「フルーツよろしく〜」
「かしこまりました」
日本一の歓楽街、神室町
その町の一角にある、キャバクラ「ブルームーン」
俺はここで働いてる。
嬢ではなく、黒服としてと、簡単な料理なんかする雑用係として。
注文を受けてバックヤードに入ると、棚からフルーツを何種類か取り出して、ナイフでカットしていく。
これを注文した嬢は、いちごが好きで、マンゴーが苦手だったから、多めにいちごを盛ってマンゴーは盛らないことにする。
嬢についてた客はたしかこの前はりんごをたくさん食っていたなと思いつつ、多めにりんごをカットしていると、不意に声をかけられた。
「お疲れ様、蓮ちゃん」
「…お疲れ様、です。オーナー」
真っ黒な長い髪を耳にかけながら、柔らかく微笑むこの人は、ここブルームーンのオーナー。
オーナーではあるがまだ30代で、美しい人なので、こうして嬢としても働いている。
「綺麗ね。あなた本当フルーツ盛りのセンスあるわよね〜」
「あ…ありがとうございます」
「そうだ、今日ね、お店が終わった後みんなで飲みに行こうって話をしてたの。もちろん女の子だけでね。蓮ちゃんも来る?」
「いえ、俺は…」
「…そう。残念。じゃあまた今度はおいでなさいね」
「…はい」
ぽんぽんと俺の頭を撫でながら、オーナーは「いいのよ」と笑ってくれた。
オーナーと出会ったのは1月前
タチの悪い男に絡まれていたオーナーを助けたのがキッカケだった。
このとき俺は3日くらいメシを食ってなくてふらふらで、男を撃退したあと限界がきて倒れた俺をオーナーが介抱してくれた。
あなた、家はどこ?
ご飯ちゃんと食べてるの?
オーナーの問いに何も答えられないでいると、オーナーが自分の店で働かないかと言ってきた。
初めはオーナーが俺の顔を気に入ってくれて嬢として働くことを勧めてきたが、饒舌とは言い難いし、媚びるような態度を取れるとは思えず、客を楽しませるなんてとても無理だと断った。
するとオーナーは、じゃあ黒服として働けばいいと言った。
オーナーは店のあるビルの一室、ずっと物置となっていたというソコを俺の部屋として貸し出してくれた。
無口で態度も悪い俺をオーナーは怒ることも呆れることもせず、ただ受け入れてくれて。
そんなオーナーの元に集まった人間だからだろうか、黒服も嬢も皆穏やかで優しい人ばかりで、俺に良くしてくれた。
本当に、オーナーには感謝してもしたりない。
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