01
夢小説設定
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冷たい
冷たい
血も凍りつくような
ーーーーーーピピピピ
耳障りな電子音が鳴り響く。
意識が現実に呼び戻された少し後、身体もそれに続く。
ふー、と息を吐くと、身体にズシリと重力がのしかかる。
「(2時間、か)」
ここ数日徹夜が続き、なんとか隙間を見つけて睡眠時間にあてた時間。
この時間があれば、『仕事』をあと2件、いや、3件終えることができたというのに
睡眠時間とは煩わしいものだ。
なくすことはできないのだろうか。
なくせるのならば、残りの寿命の半分くらいくれてやるのに。
「会長」
控えめなノック音で、横になっていた体を起こし、スーツを軽く整えると、秘書の片瀬が入ってきた。
「ジョージ・ホワイト様が18時からいらっしゃるということです」
「ああ」
「それで、こちらを」
片瀬が差し出した資料は、日本語と英語が一部ずつと、それからタブレット。
ホワイト氏との会談で使うものだ。
「…早いな」
「ええ」
ぱらぱらと資料をめくる。
簡潔で、分かりやすく、こちら側の主張がよく出ている。
「こちら、花屋敷さんが作ってくれたんですよ」
「花屋敷が?」
「以前から少しずつ進めていたそうで、本日は軽くまとめた程度だそうです。見たところ問題なかったので、私は殆ど手をつけていません」
タブレットはスクリーンに映すものだ。
こちらは資料よりももっと簡潔だ。
「優秀な方です」
片瀬はそれだけを伝えると、それでは、と言って出ていった。
彼女を秘書につけたのは、仕事ができるからだけではない。
無駄な話をしない。
感情の起伏が少ない。
他人に怒ったり、泣いたり、嫉妬したりしない。
感情抜きで他人を評価できる。
そんな彼女がとても好ましかったからだ。
「(…それに比べて)」
手元にある資料をぱらぱらとめくる。
これを作成した彼女は、片瀬とは正反対な人間だった。
冷たい
血も凍りつくような
ーーーーーーピピピピ
耳障りな電子音が鳴り響く。
意識が現実に呼び戻された少し後、身体もそれに続く。
ふー、と息を吐くと、身体にズシリと重力がのしかかる。
「(2時間、か)」
ここ数日徹夜が続き、なんとか隙間を見つけて睡眠時間にあてた時間。
この時間があれば、『仕事』をあと2件、いや、3件終えることができたというのに
睡眠時間とは煩わしいものだ。
なくすことはできないのだろうか。
なくせるのならば、残りの寿命の半分くらいくれてやるのに。
「会長」
控えめなノック音で、横になっていた体を起こし、スーツを軽く整えると、秘書の片瀬が入ってきた。
「ジョージ・ホワイト様が18時からいらっしゃるということです」
「ああ」
「それで、こちらを」
片瀬が差し出した資料は、日本語と英語が一部ずつと、それからタブレット。
ホワイト氏との会談で使うものだ。
「…早いな」
「ええ」
ぱらぱらと資料をめくる。
簡潔で、分かりやすく、こちら側の主張がよく出ている。
「こちら、花屋敷さんが作ってくれたんですよ」
「花屋敷が?」
「以前から少しずつ進めていたそうで、本日は軽くまとめた程度だそうです。見たところ問題なかったので、私は殆ど手をつけていません」
タブレットはスクリーンに映すものだ。
こちらは資料よりももっと簡潔だ。
「優秀な方です」
片瀬はそれだけを伝えると、それでは、と言って出ていった。
彼女を秘書につけたのは、仕事ができるからだけではない。
無駄な話をしない。
感情の起伏が少ない。
他人に怒ったり、泣いたり、嫉妬したりしない。
感情抜きで他人を評価できる。
そんな彼女がとても好ましかったからだ。
「(…それに比べて)」
手元にある資料をぱらぱらとめくる。
これを作成した彼女は、片瀬とは正反対な人間だった。
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