チャイナ
真新しい匂いがするベッドシーツ
自分の匂いがあまりにもしなくて身体は疲れているはずなのに眠れない。
今夜は宿舎ではなく、仕事で母国にいるためそこのホテルだ
このまま寝付けずに寝転んでいるのも明日の仕事に響くだろう
どうにかして寝ないと、そう思いホテルについてある自販機に行きホットココアを買う
同じ仕事で来ているミンハオの分も
寝ているだろうとは思いつつ、買っておこう
部屋に戻りルームキーをさし、鍵を開け中に入る
すると先程まではいなかったミンハオが自分が寝るはずのベッドに座っていた
「ヒョン…
こんな時間にどこ行ってたの?」
11人もいてる他のメンバーが誰もいない状況、慣れないベッド、眠れなかったのはミンハオも一緒のようだ
「眠れなくて、ココア買ってきた」
ホットココアからアイスココアになる前に渡せたのは僥倖だったろう
「…ありがとう」
何かを言いたそうにしつつも結局言い出せず、まだ暖かいココアをひと口飲んだ
あらかた今日のインタビューでメンバーについてたくさん話したのに今同じ建物に居ないことに寂しさを感じたのだろう
10年近くの歳月を共に過ごしたのだ
大人だろうとなかろうと、たった少しでも離れただけでホームシックになるほど繊細で心の優しいミンハオ
ヒョンとしてここは僕から切り出そう、
「1人だとこの部屋寂しくて、
ミンハオさえよかったら一緒に寝ようよ」
同じことを思っていた、という驚愕か
はたまたヒョンに言わせてしまった、という表情かは本人にしかわからないが、とにかく下がっていた顔を上げた
「…うん、
僕もそうしたくてこっち来たんだ」
そう言うが早く、
ささっとベッドに入り、ジュンが入ってくるのを待っている
さながら彼氏を待つ彼女のようだとふと思った
一瞬でもそんなことを考えてしまうと、同じベッドにいることを意識してしまう
目は1人でいた時より覚めているのに、人肌があるからか、ミンハオだからか、すぐに眠ることができた。
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