元JKの記憶喪失空っぽ夢主は、忍たま達に囲まれて生き延びたい
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若葉が陽に透ける森林の小径を歩いていると、緩やかな風が梢を揺らす。春の空気は柔らかく、胸の奥までじんわりと沁み渡っていく。
そんな中、そんな静けさを破る様に、茂みの中から水色の影が飛び出した。
「ばあっ!」
『わっ!』
頬に両手を添えて驚かせてくる姿に、足がもつれ、尻餅をついてしまう。驚かせてきた人物の正体が、一年ろ組の七松小平太くんであると理解するのに、時間を要しない。何故なら、このやり取りはよく行われるから。
木の枝の間から飛び降りて来て、にんまりと笑う小平太くんが、尻餅を付くわたしの元へと歩いてきた。
「○○さん、あーそぼ!」
『いーいよ』
断る事もせず、了承の返事をすると、七松くんは「やった!」と嬉しさを全身で表現し、そのまま音になって、周囲の空気を明るく染める。そんな中、七松くんと同室の彼が不在である事に気がつく。
『中在家くんは、一緒じゃないの?』
「長次は今日も縄鏢の訓練で、先に向かわれてしまいました。長次ってば、たまには私とも遊んでくれても良いのに……」
そう言い、中在家くんの不在について不満げであると、七松くんは唇を尖らせる。すると今度は、何かを閃いた様で、忙しなく感情が変わっていく様を見せられ、七松くんに手を引かれる。
『七松くんっ、どこへ行くの?』
「○○さんが居て下されば、長次もきっと遊びに応じてくれる筈です!」
満面の笑みを浮かべ、七松くんはそう言いのけた。しばらく彼の後ろをついていくと、私達二人から背を向ける形で、縄鏢の訓練に打ち込む中在家長次くんの背中が見えてきた。
「○○さん、この岩陰に隠れていて下さい」
七松くんに誘導され、しゃがみ込むよ様にして、岩陰に隠れる。丁度、中在家くんの視界から逸れる位置だ。七松くんは中在家くんの元へと、向かっていく。
「長次、あーそぼ!」
「あーとで」
「遊ばないの!?」
この二人のやり取りも、毎度お馴染みらしい。遊びの誘いを断られても、引き下がる様子を見せない七松くん。
すると、これを待っていたかの様にして、岩陰に身を潜めているわたしの元へとやって来た。
「○○さんも一緒に遊んで下さると話していたのに、遊ばないのか!?」
七松くんに手を引かれ、その間に「えっ?」と中在家くんの困惑を隠しきれない声が一緒に聞こえた。その場で立ち上がり、わたしは中在家くんの前に姿を見せる。
「こ、小平太! ○○さんに、ご迷惑をかけさせたら駄目だよ!」
「掛けてなどいない! ちゃんと○○さんも、"いーいよ"と答えてくれたのだから、こうして一緒に来た!」
中在家くんと遊ぶ為にと、七松くんに利用された部分もあるが、中在家くんは訓練をしたいと一歩も引く様子を見せない。
『中在家くん。今日も…えっと、縄鏢の訓練をしているの?』
「はい。まだ上手く狙いを定められませんが…、それでも、訓練は楽しいです」
照れた様に笑う姿は、着飾っておらず素直で、胸の奥からじんわりと温かさが広がるら、本当に縄鏢の訓練を楽しいと思っているんだなと思う中で先日、潮江くんから縄鏢の説明を受けた放課後の事を思い出す。
『良かったら、わたしも中在家くんの訓練、見てもいいかな』
「えっ」
わたしの提案に、二人の声がぴったり重なった。
『忍たまに混じって座学を教わっていたけれど、縄鏢の使い方や役割をまだいまいち理解出来ていないから……中在家くんが訓練をしている所を見れば、少しは理解も深まるのかなって』
「○○さん!?」
「本当ですか? 縄鏢は扱いが難しい忍器と言われて……前は鏢の先端が頬に当たって、大怪我をしてしまいましたが、慣れれば、近距離以外にも遠距離での攻撃も可能にーーー」
「長次!?」
わたしと中在家くんが縄鏢について話を盛り上げると、あわあわとしながら、七松くんは地団駄を踏みながら駆け寄り、間に割って入ってきた。
「わーっ! 長次! ○○さん! 縄鏢の事で盛り上がってないで、私と遊んでくれー!」
葉擦れの音と一緒に、彼の声が森の奥まで響いていく。その瞬間、近くの枝にとまっていた小鳥たちが、一斉に羽ばたき、空へと舞い上がった。
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若葉が陽に透ける森林の小径を歩いていると、緩やかな風が梢を揺らす。春の空気は柔らかく、胸の奥までじんわりと沁み渡っていく。
そんな中、そんな静けさを破る様に、茂みの中から水色の影が飛び出した。
「ばあっ!」
『わっ!』
頬に両手を添えて驚かせてくる姿に、足がもつれ、尻餅をついてしまう。驚かせてきた人物の正体が、一年ろ組の七松小平太くんであると理解するのに、時間を要しない。何故なら、このやり取りはよく行われるから。
木の枝の間から飛び降りて来て、にんまりと笑う小平太くんが、尻餅を付くわたしの元へと歩いてきた。
「○○さん、あーそぼ!」
『いーいよ』
断る事もせず、了承の返事をすると、七松くんは「やった!」と嬉しさを全身で表現し、そのまま音になって、周囲の空気を明るく染める。そんな中、七松くんと同室の彼が不在である事に気がつく。
『中在家くんは、一緒じゃないの?』
「長次は今日も縄鏢の訓練で、先に向かわれてしまいました。長次ってば、たまには私とも遊んでくれても良いのに……」
そう言い、中在家くんの不在について不満げであると、七松くんは唇を尖らせる。すると今度は、何かを閃いた様で、忙しなく感情が変わっていく様を見せられ、七松くんに手を引かれる。
『七松くんっ、どこへ行くの?』
「○○さんが居て下されば、長次もきっと遊びに応じてくれる筈です!」
満面の笑みを浮かべ、七松くんはそう言いのけた。しばらく彼の後ろをついていくと、私達二人から背を向ける形で、縄鏢の訓練に打ち込む中在家長次くんの背中が見えてきた。
「○○さん、この岩陰に隠れていて下さい」
七松くんに誘導され、しゃがみ込むよ様にして、岩陰に隠れる。丁度、中在家くんの視界から逸れる位置だ。七松くんは中在家くんの元へと、向かっていく。
「長次、あーそぼ!」
「あーとで」
「遊ばないの!?」
この二人のやり取りも、毎度お馴染みらしい。遊びの誘いを断られても、引き下がる様子を見せない七松くん。
すると、これを待っていたかの様にして、岩陰に身を潜めているわたしの元へとやって来た。
「○○さんも一緒に遊んで下さると話していたのに、遊ばないのか!?」
七松くんに手を引かれ、その間に「えっ?」と中在家くんの困惑を隠しきれない声が一緒に聞こえた。その場で立ち上がり、わたしは中在家くんの前に姿を見せる。
「こ、小平太! ○○さんに、ご迷惑をかけさせたら駄目だよ!」
「掛けてなどいない! ちゃんと○○さんも、"いーいよ"と答えてくれたのだから、こうして一緒に来た!」
中在家くんと遊ぶ為にと、七松くんに利用された部分もあるが、中在家くんは訓練をしたいと一歩も引く様子を見せない。
『中在家くん。今日も…えっと、縄鏢の訓練をしているの?』
「はい。まだ上手く狙いを定められませんが…、それでも、訓練は楽しいです」
照れた様に笑う姿は、着飾っておらず素直で、胸の奥からじんわりと温かさが広がるら、本当に縄鏢の訓練を楽しいと思っているんだなと思う中で先日、潮江くんから縄鏢の説明を受けた放課後の事を思い出す。
『良かったら、わたしも中在家くんの訓練、見てもいいかな』
「えっ」
わたしの提案に、二人の声がぴったり重なった。
『忍たまに混じって座学を教わっていたけれど、縄鏢の使い方や役割をまだいまいち理解出来ていないから……中在家くんが訓練をしている所を見れば、少しは理解も深まるのかなって』
「○○さん!?」
「本当ですか? 縄鏢は扱いが難しい忍器と言われて……前は鏢の先端が頬に当たって、大怪我をしてしまいましたが、慣れれば、近距離以外にも遠距離での攻撃も可能にーーー」
「長次!?」
わたしと中在家くんが縄鏢について話を盛り上げると、あわあわとしながら、七松くんは地団駄を踏みながら駆け寄り、間に割って入ってきた。
「わーっ! 長次! ○○さん! 縄鏢の事で盛り上がってないで、私と遊んでくれー!」
葉擦れの音と一緒に、彼の声が森の奥まで響いていく。その瞬間、近くの枝にとまっていた小鳥たちが、一斉に羽ばたき、空へと舞い上がった。
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