短編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
.
◆モブ視点からの六年生の話(あらすじの様な物と思ってくれて構いません)。
◆読者様から見て、登場人物の口調の乖離(と思われるもの)・解釈違いがあるかと思われます。
・
近畿地方の山奥____、忍者の教育機関として存在する全寮制の学校、忍術学園。
その学園に現在、在籍している最高学年の方々をご存知だろうか。
忍術学園一、ギンギンに忍者している。潮江文次郎先輩。
忍術学園一、クールで冷静。立花仙蔵先輩。
忍術学園一、寡黙で優しい。中在家長次先輩。
忍術学園一、人間離れした体力を身につけている。七松小平太先輩。
忍術学園一、武道派忍者且つ、巻き込まれ体質。食満留三郎先輩。
忍術学園一、不運体質。善法寺伊作先輩。
若手のプロ忍者と比較しても、差し支えのない実力の持ち主が勢揃いで、正に黄金世代。
校外実習で学園を離れていた期間内に、編入した忍たまになりたての僕は、先輩方と顔を合わせた機会はそう多くはない。
(そういえば、先輩方の中で誰かを忘れている様な……)
先輩の、あまつさえ学年間のヒエラルキーが存在する忍術学園において、最高学年の先輩の名前を忘れる等、極刑に値する。
誇張した表現と思われても仕方ない。だが、連呼させてもらうが、"この学園において"はの話だ。
『あー、お腹空いた』
食堂の外から声が聞こえると、意識が現実世界に引き戻された。
その際、箸で摘んでいた煮豆を皿の上に落としてしまう。机の上や床に落ちなかった事を幸運に思えば、何も問題はない。
「なはは! ○○は相変わらず、食の事しか考えていないな!」
「もそ…いつもと変わりない」
僕は思わず、肩を震わせた。
顔を見ずとも、特徴的な豪快な笑いに続き、聞き取るのが困難なボソボソ声がしたのだから。
(六年生の七松小平太先輩に、中在家長次先輩……!、………、あれ、お二人と一緒に歩いている人は………)
深緑の忍装束を身に纏い、六年生であると誰もが分かる。七松先輩の様な手入れの行き届いていない毛でも、六年は組の立花仙蔵先輩の様なサラサラストレートでもなく、これといった特徴が見られない黒髪を束ねている。さらに、一緒に歩いている先輩二人と比べ、小柄だ。
(六年生の先輩方は、実習に向かわれていた筈だが……実習を終えて、学園に戻られたのだろう)
食堂のおばちゃんお手製のご飯が乗せられた盆を受け取り、先輩方は空いている机を発見すると、盆を置いた。腰を下ろすと、ご飯を食べ始めていく。
「午後からの委員会活動は、裏々 山のマラソンで、いけいんどんどんに走ろうと思っている」
久しぶりだから、腕が鳴るな……、と、ケロッとした様子の七松先輩だ。食堂内に居た体育委員はその言葉を聞くや否や、七松先輩から見えない様、顔を青ざめる。
「図書委員は、雷蔵や下級生達が委員としての勤めを果たしたと聞いた。念の為、本の修補が必要な物を確認をする」
「おぉ。長次が所属する図書委員会は、しっかり者の忍たまが多いな」
「だが小平太、お前の本の返却期限は、とうに過ぎている。あまり待たせるなら、本の貸出を禁ずるぞ」
「細かい事を気にするな。そう急かさずとも、返しに行くさ」
二人の会話を他所に、○○先輩は気にする素振りを一切見せず、黙々とご飯を食べ進める。
(七松先輩と中在家先輩が一触即発になるかもしれないのに、○○先輩は、呑気にご飯を食べてる……)
先輩方の関係性は、微塵も理解出来ない。ましてや編入したばかりの僕なら尚更だ。
『火薬委員会も、五年い組の久々知兵助が真面目に取り組んでくれただろうし、豆腐パーティーでも提案するかなぁ』
「委員長がそんなだから、火薬委員会は"そんな事でいいんかい"と揶揄されるんだぞ」
ご飯を飲み込んでから、そう発言した○○先輩の前に、盆を両手に持った六年い組の潮江文次郎先輩が現れた。
「おっ、文次郎に仙蔵。お前達も、これからご飯か」
「そんな所だ」
七松先輩が、潮江先輩の後ろに立つ立花先輩に向けて手を上げ、声を掛ける。
「あれ? 皆、もう来てたんだ」
今度は、六年は組の善法寺伊作先輩・食満留三郎が現れ、隅の卓に六年生が集う。
「留三郎! どうやら今日は、お前らが最後に着いたみたいだなぁ!」
「ふんっ、文次郎! まさか、食堂に到着した順番でしか俺と張り合えないとはなぁ!」
「何だと、やる気かぁ!?」
「どこからでも、かかってこい!」
「あぁ! もう、二人共! 下級生も居るし、おばちゃんに叱られちゃうよ〜!」
犬猿の仲とも言われる、潮江先輩と食満先輩が喧嘩を開始する。
二人の間に入ろうとする善法寺先輩の頬に、砂埃が付着していた事を僕は知らない。食堂に来るまでに、天才トラパーが作り上げた落とし穴に掛かり、到着が遅れた事も知る筈がない。
(善法寺先輩、潮江先輩と食満先輩を沈める役割を任されて……、でも、あの六年生が勢揃いするなんて、早々に見れた物じゃない……!)
六年生と言えば、下級生達の憧れの存在。
豊富な知識を持ち合わせ、実戦経験も重ねており、十数人の足軽相手でも朝飯前だと噂を聞いた。
『ぬはは、もっとやれー』
「火に油を注いでどうする」
『珍しく意気投合して、雨が降られたら溜まったもんじゃないから』
立花先輩が、野次を飛ばす○○先輩に小言を漏らす。潮江先輩と食満先輩のどちらかの腹部から、腹の音が聞こえてくると、それが喧嘩終了の合図であった。
双方、納得のいかない様子であったが、腰を下ろしてから食満先輩はご飯を食べ始め、潮江先輩は熱々のご飯に一切、手をつけない。
(どうして、ご飯に手を付けないんだろう……)
《文次郎は、冷や飯しか食べない主義なんだ》
へっ?……、と、声が漏れた。
矢羽根が飛ばされたと時間差で気づいたものの、既に遅かった。
《いつまで盗み見ている? 悪いが、見世物じゃない》
声の主が○○先輩であると分かると、心臓の鼓動が速まる。食器の中身が空になっている事を確認してから、僕は席を立つ。盆を返却して、逃げる様に食堂を後にする。
(いつから気づいていた? 潮江先輩を見ていたから? 潮江先輩と食満先輩が喧嘩をした時から? 七松先輩と中在家先輩が一触即発になりかけた時から? そもそも、背を向けて座っていて筈なのに、どうして……)
そこまで考えた時、僕は根本的な事が抜け落ちていた事に気がつく。
"若手のプロ忍者と比較しても、差し支えのない実力の持ち主が勢揃いで、正に黄金世代"………、尊敬する六年生の中に、○○先輩も含まれている事を。
(六年生で、火薬委員会の委員長を勤めていて、周りで何が起きてようが、気にしない七松先輩や中在家先輩と同じ六年ろ組の………そうだ、あの人は…………、………………)
_______、名無し ○○先輩だ。
・
「もそ…行ったか」
「あれだけ目立っていたら、下級生達の注目の的にもなるだろう」
「私達が食堂に入ってきた時から、ずっとこちらに意識を向けていたしな」
『人の顔を覚えられていないのは、忍者を目指す奴として致命的だけど、忍たまなりたてなら仕方ないか』
「あぁ、さっきまでご飯を食べていた彼かい? ○○の言う通り、編入してきたばかりで、授業で怪我をする事が多いみたいだから、すっかり顔見知りになってたよ」
「○○、お前が送った矢羽根に怯えていたぞ。あまり下級生を脅すなよ」
『何だ、留三郎。文次郎が冷や飯になるまで待っている姿を見世物にされる前に、俺が教えたんだ』
「誰が見世物だ、バカタレ。しかし、いくら編入生といえ、鍛錬が足りんな」
.
◆モブ視点からの六年生の話(あらすじの様な物と思ってくれて構いません)。
◆読者様から見て、登場人物の口調の乖離(と思われるもの)・解釈違いがあるかと思われます。
・
近畿地方の山奥____、忍者の教育機関として存在する全寮制の学校、忍術学園。
その学園に現在、在籍している最高学年の方々をご存知だろうか。
忍術学園一、ギンギンに忍者している。潮江文次郎先輩。
忍術学園一、クールで冷静。立花仙蔵先輩。
忍術学園一、寡黙で優しい。中在家長次先輩。
忍術学園一、人間離れした体力を身につけている。七松小平太先輩。
忍術学園一、武道派忍者且つ、巻き込まれ体質。食満留三郎先輩。
忍術学園一、不運体質。善法寺伊作先輩。
若手のプロ忍者と比較しても、差し支えのない実力の持ち主が勢揃いで、正に黄金世代。
校外実習で学園を離れていた期間内に、編入した忍たまになりたての僕は、先輩方と顔を合わせた機会はそう多くはない。
(そういえば、先輩方の中で誰かを忘れている様な……)
先輩の、あまつさえ学年間のヒエラルキーが存在する忍術学園において、最高学年の先輩の名前を忘れる等、極刑に値する。
誇張した表現と思われても仕方ない。だが、連呼させてもらうが、"この学園において"はの話だ。
『あー、お腹空いた』
食堂の外から声が聞こえると、意識が現実世界に引き戻された。
その際、箸で摘んでいた煮豆を皿の上に落としてしまう。机の上や床に落ちなかった事を幸運に思えば、何も問題はない。
「なはは! ○○は相変わらず、食の事しか考えていないな!」
「もそ…いつもと変わりない」
僕は思わず、肩を震わせた。
顔を見ずとも、特徴的な豪快な笑いに続き、聞き取るのが困難なボソボソ声がしたのだから。
(六年生の七松小平太先輩に、中在家長次先輩……!、………、あれ、お二人と一緒に歩いている人は………)
深緑の忍装束を身に纏い、六年生であると誰もが分かる。七松先輩の様な手入れの行き届いていない毛でも、六年は組の立花仙蔵先輩の様なサラサラストレートでもなく、これといった特徴が見られない黒髪を束ねている。さらに、一緒に歩いている先輩二人と比べ、小柄だ。
(六年生の先輩方は、実習に向かわれていた筈だが……実習を終えて、学園に戻られたのだろう)
食堂のおばちゃんお手製のご飯が乗せられた盆を受け取り、先輩方は空いている机を発見すると、盆を置いた。腰を下ろすと、ご飯を食べ始めていく。
「午後からの委員会活動は、
久しぶりだから、腕が鳴るな……、と、ケロッとした様子の七松先輩だ。食堂内に居た体育委員はその言葉を聞くや否や、七松先輩から見えない様、顔を青ざめる。
「図書委員は、雷蔵や下級生達が委員としての勤めを果たしたと聞いた。念の為、本の修補が必要な物を確認をする」
「おぉ。長次が所属する図書委員会は、しっかり者の忍たまが多いな」
「だが小平太、お前の本の返却期限は、とうに過ぎている。あまり待たせるなら、本の貸出を禁ずるぞ」
「細かい事を気にするな。そう急かさずとも、返しに行くさ」
二人の会話を他所に、○○先輩は気にする素振りを一切見せず、黙々とご飯を食べ進める。
(七松先輩と中在家先輩が一触即発になるかもしれないのに、○○先輩は、呑気にご飯を食べてる……)
先輩方の関係性は、微塵も理解出来ない。ましてや編入したばかりの僕なら尚更だ。
『火薬委員会も、五年い組の久々知兵助が真面目に取り組んでくれただろうし、豆腐パーティーでも提案するかなぁ』
「委員長がそんなだから、火薬委員会は"そんな事でいいんかい"と揶揄されるんだぞ」
ご飯を飲み込んでから、そう発言した○○先輩の前に、盆を両手に持った六年い組の潮江文次郎先輩が現れた。
「おっ、文次郎に仙蔵。お前達も、これからご飯か」
「そんな所だ」
七松先輩が、潮江先輩の後ろに立つ立花先輩に向けて手を上げ、声を掛ける。
「あれ? 皆、もう来てたんだ」
今度は、六年は組の善法寺伊作先輩・食満留三郎が現れ、隅の卓に六年生が集う。
「留三郎! どうやら今日は、お前らが最後に着いたみたいだなぁ!」
「ふんっ、文次郎! まさか、食堂に到着した順番でしか俺と張り合えないとはなぁ!」
「何だと、やる気かぁ!?」
「どこからでも、かかってこい!」
「あぁ! もう、二人共! 下級生も居るし、おばちゃんに叱られちゃうよ〜!」
犬猿の仲とも言われる、潮江先輩と食満先輩が喧嘩を開始する。
二人の間に入ろうとする善法寺先輩の頬に、砂埃が付着していた事を僕は知らない。食堂に来るまでに、天才トラパーが作り上げた落とし穴に掛かり、到着が遅れた事も知る筈がない。
(善法寺先輩、潮江先輩と食満先輩を沈める役割を任されて……、でも、あの六年生が勢揃いするなんて、早々に見れた物じゃない……!)
六年生と言えば、下級生達の憧れの存在。
豊富な知識を持ち合わせ、実戦経験も重ねており、十数人の足軽相手でも朝飯前だと噂を聞いた。
『ぬはは、もっとやれー』
「火に油を注いでどうする」
『珍しく意気投合して、雨が降られたら溜まったもんじゃないから』
立花先輩が、野次を飛ばす○○先輩に小言を漏らす。潮江先輩と食満先輩のどちらかの腹部から、腹の音が聞こえてくると、それが喧嘩終了の合図であった。
双方、納得のいかない様子であったが、腰を下ろしてから食満先輩はご飯を食べ始め、潮江先輩は熱々のご飯に一切、手をつけない。
(どうして、ご飯に手を付けないんだろう……)
《文次郎は、冷や飯しか食べない主義なんだ》
へっ?……、と、声が漏れた。
矢羽根が飛ばされたと時間差で気づいたものの、既に遅かった。
《いつまで盗み見ている? 悪いが、見世物じゃない》
声の主が○○先輩であると分かると、心臓の鼓動が速まる。食器の中身が空になっている事を確認してから、僕は席を立つ。盆を返却して、逃げる様に食堂を後にする。
(いつから気づいていた? 潮江先輩を見ていたから? 潮江先輩と食満先輩が喧嘩をした時から? 七松先輩と中在家先輩が一触即発になりかけた時から? そもそも、背を向けて座っていて筈なのに、どうして……)
そこまで考えた時、僕は根本的な事が抜け落ちていた事に気がつく。
"若手のプロ忍者と比較しても、差し支えのない実力の持ち主が勢揃いで、正に黄金世代"………、尊敬する六年生の中に、○○先輩も含まれている事を。
(六年生で、火薬委員会の委員長を勤めていて、周りで何が起きてようが、気にしない七松先輩や中在家先輩と同じ六年ろ組の………そうだ、あの人は…………、………………)
_______、名無し ○○先輩だ。
・
「もそ…行ったか」
「あれだけ目立っていたら、下級生達の注目の的にもなるだろう」
「私達が食堂に入ってきた時から、ずっとこちらに意識を向けていたしな」
『人の顔を覚えられていないのは、忍者を目指す奴として致命的だけど、忍たまなりたてなら仕方ないか』
「あぁ、さっきまでご飯を食べていた彼かい? ○○の言う通り、編入してきたばかりで、授業で怪我をする事が多いみたいだから、すっかり顔見知りになってたよ」
「○○、お前が送った矢羽根に怯えていたぞ。あまり下級生を脅すなよ」
『何だ、留三郎。文次郎が冷や飯になるまで待っている姿を見世物にされる前に、俺が教えたんだ』
「誰が見世物だ、バカタレ。しかし、いくら編入生といえ、鍛錬が足りんな」
.
