ドクタケ忍者隊 最強の軍師
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八宝斎の根城付近まで移動した六年生の五人は、柵が備え付けられた窓から侵入しようと試みた。
文次郎、仙蔵は用意していた縄を使用して、柵のある場所まで降りていく。
長次は得意武器の縄鏢を使い、同じ様に降りていく。
○○は左腕を負傷していた為に、無理な事は止めておこうと、文次郎と仙蔵と同じ手段で降りる。
小平太は二丁苦無を使い、崖登りをする要領で、重力を無視した異次元な動きを見せていた。
柵の前に辿り着いた五人は、目の前に広がる光景を前にして、土井の名前を揃って口にした。
同時に、天鬼の居る部屋まで到着した山田が見たのは、乱太郎、きり丸、しんベヱを斬首しようと、襲いかかる胃痛に抗う天鬼の姿だった。
「半助!」
山田は隠し持っていた鉛玉を取り出すと、指鉄砲で天鬼に向けて、飛ばしていく。
鉛玉が飛んできた事に気がついた天鬼は、太刀で弾き返す。天鬼の視線をこちらに向けさせ、教え子達から意識を逸らせようとしたのだ。
乱太郎、きり丸、しんベヱを斬首しようとする天鬼を止めるべく、山田はドクタケ忍者の抵抗を跳ね除け、近づこうとする。
同じく、天鬼の排除を目論む雑渡の姿もあった。だが、それを把握している者は居ない。
毒手裏剣を構え、投げ込もうとしたが、背後から右腕を掴まれた。
「はぁ……っ、はぁ………」
そこに居たのは、雑渡の足止めを依頼されていた利吉だった。
桜木と若王寺の三人で雑渡と対峙したものの、まるで歯が立たなかった。それでも、利吉は単身で八宝斎の根城に潜り込み、雑渡を止めに来たのだ。
柵の外に居た文次郎、仙蔵は土井の名を呼ぶ。長次は、乱太郎、きり丸、しんベヱを斬首されかけていた光景に、怒りを覚える。
小平太は、二丁苦無で柵を破壊しようと冷静さを保っている。
○○は、負傷していない右手で柵の根元を思いきり叩き始めた。
『くそ……っ!』
だが、柵はビクともしない。ヒビが入っている様子もなく、○○一人の力では不可能に近い。
(土井先生に、あの三人を斬首させる訳にはいかない!!)
○○は、天鬼に斬首されかけている乱太郎、きり丸、しんベヱを救うべく、土井に教え子を殺させる訳にはいかないと、必死に叩き続けた。
「地獄の沙汰も銭次第!!」
「だけど払ってたまるか、六文銭!!」
きり丸の目からは、ボロボロと大きな涙の粒が零れていた。
「ぐおおぉぉっっ!!」
その時、長次の火事場の馬鹿力が発動した。
小平太と○○が必死に壊そうとしてた柵を、自らの腕力で破壊したのだ。
部屋に入った文次郎、仙蔵、長次、小平太、○○は、乱太郎、きり丸、しんベヱの元へと向かおうとする。
「土井先生!!」
天鬼に向けて、声を上げた乱太郎としんベヱの目にも大粒の涙が溜まっていた。粒が弾け、空中を飛んでいく。
「忍術学園を斬り捨てよーーーっっ!!」
八宝斎が、高らかに声を上げた。
天鬼は頭を抑えながら、胃痛に抗う。太刀の先端が上に向けられ、乱太郎、きり丸、しんベヱの三人に振り下ろされようとしていた。
「先生……、一緒に帰ろう……っ」
きり丸は、涙を流しながらも天鬼から目を逸らさず、自分の思いを告げた。
かつて、土井がきり丸に向けて言った言葉。それを今度は、きり丸が土井に向けて、共に暮らしている長屋に、忍術学園に帰ろうと。
その時、天鬼は太刀を乱太郎、きり丸、しんベヱに向けて、振り下ろした。
八宝斎の高らかな声も、六年生達の土井を呼ぶ声も、柵を壊そうとする動きも、全てが止まる。
「半助……お前……っ」
後方に倒れた乱太郎、きり丸、しんベヱを見て、山田は土井の名前を呼びながら、天鬼を見つめた。
教え子である三人を天鬼が、自らの意思で斬首したと分かると、八宝斎は静かな空間で一人、高笑いを上げたのだった。
・
あるところに、瀬戸内の福原に住む豪族の若君が居た。
若君は、幼き頃に天涯孤独となった。
その後、若君は仏門で修行と勉学に励んだ。一人で生きる術を身につける為、兵法と忍術を学んだ。
成長した若君は、忍者になった。
だがある日、忍務に失敗した若君は敵忍に追われてしまう。
もう駄目だと思った時、家族旅行に出掛けていた山田一家と出会った。
山田は若君の事情をあえて聞かず、妻は若君の手当をした。幼い頃の利吉は、家族旅行を台無しにされたと憤慨した。
若君は、山田一家で暮らす事となった。
若君は、利吉と手裏剣のキャッチボールをした。沢蟹 を捕まえた。
若君は、山田家に置かれた兵法書を読み漁った。
そんな時、若君は山田が教師を務める、忍者の教育機関、忍術学園の教師を務めないかと話を受けた。
山田の妻が利吉への接し方から、若君に教師の適性があると山田に伝えた。
若君は、抜け忍だから、名前を名乗れなかった。仮の名前として、"若い人"と呼ばれた。
若い人は、水色の忍装束を着た一年生と出会う。
若い人は、自分を慕い、自分の元に集まる一年生を見て、嬉しかった。
若い人は、半人前だからという意味で、"土井半助"という名前を名乗る様になった。
土井半助は、一年は組の教科担当担任となった。
土井半助は、一年は組の生徒達の物覚えの悪さ、授業の進行率の悪さ等から、胃痛を訴える様になる。
土井半助は、それでも一年は組の生徒達を"良い子"と言い続けた。
土井半助は、自分と似た様な境遇の摂津のきり丸に帰る場所を作った。
土井半助は、学費の為に生きる為にと、アルバイトに勤しむきり丸の背中を見ていた。
土井半助は、果たし状を送ってきた諸泉尊奈門の果し合いに応じて、裏々山のススキ野原に訪れた。
土井半助は、果し合いの中で、鳥の巣を見つけた。巣の中には、三つの卵があった。
土井半助は、鳥の巣を踏まない様にと諸泉尊奈門に伝えた。
土井半助は、ススキ野原を離れ、渓谷へと落ちていく。
土井半助は、天鬼は、きり丸の言葉を思い出した。
"先生……、一緒に帰ろう……っ"
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八宝斎の根城付近まで移動した六年生の五人は、柵が備え付けられた窓から侵入しようと試みた。
文次郎、仙蔵は用意していた縄を使用して、柵のある場所まで降りていく。
長次は得意武器の縄鏢を使い、同じ様に降りていく。
○○は左腕を負傷していた為に、無理な事は止めておこうと、文次郎と仙蔵と同じ手段で降りる。
小平太は二丁苦無を使い、崖登りをする要領で、重力を無視した異次元な動きを見せていた。
柵の前に辿り着いた五人は、目の前に広がる光景を前にして、土井の名前を揃って口にした。
同時に、天鬼の居る部屋まで到着した山田が見たのは、乱太郎、きり丸、しんベヱを斬首しようと、襲いかかる胃痛に抗う天鬼の姿だった。
「半助!」
山田は隠し持っていた鉛玉を取り出すと、指鉄砲で天鬼に向けて、飛ばしていく。
鉛玉が飛んできた事に気がついた天鬼は、太刀で弾き返す。天鬼の視線をこちらに向けさせ、教え子達から意識を逸らせようとしたのだ。
乱太郎、きり丸、しんベヱを斬首しようとする天鬼を止めるべく、山田はドクタケ忍者の抵抗を跳ね除け、近づこうとする。
同じく、天鬼の排除を目論む雑渡の姿もあった。だが、それを把握している者は居ない。
毒手裏剣を構え、投げ込もうとしたが、背後から右腕を掴まれた。
「はぁ……っ、はぁ………」
そこに居たのは、雑渡の足止めを依頼されていた利吉だった。
桜木と若王寺の三人で雑渡と対峙したものの、まるで歯が立たなかった。それでも、利吉は単身で八宝斎の根城に潜り込み、雑渡を止めに来たのだ。
柵の外に居た文次郎、仙蔵は土井の名を呼ぶ。長次は、乱太郎、きり丸、しんベヱを斬首されかけていた光景に、怒りを覚える。
小平太は、二丁苦無で柵を破壊しようと冷静さを保っている。
○○は、負傷していない右手で柵の根元を思いきり叩き始めた。
『くそ……っ!』
だが、柵はビクともしない。ヒビが入っている様子もなく、○○一人の力では不可能に近い。
(土井先生に、あの三人を斬首させる訳にはいかない!!)
○○は、天鬼に斬首されかけている乱太郎、きり丸、しんベヱを救うべく、土井に教え子を殺させる訳にはいかないと、必死に叩き続けた。
「地獄の沙汰も銭次第!!」
「だけど払ってたまるか、六文銭!!」
きり丸の目からは、ボロボロと大きな涙の粒が零れていた。
「ぐおおぉぉっっ!!」
その時、長次の火事場の馬鹿力が発動した。
小平太と○○が必死に壊そうとしてた柵を、自らの腕力で破壊したのだ。
部屋に入った文次郎、仙蔵、長次、小平太、○○は、乱太郎、きり丸、しんベヱの元へと向かおうとする。
「土井先生!!」
天鬼に向けて、声を上げた乱太郎としんベヱの目にも大粒の涙が溜まっていた。粒が弾け、空中を飛んでいく。
「忍術学園を斬り捨てよーーーっっ!!」
八宝斎が、高らかに声を上げた。
天鬼は頭を抑えながら、胃痛に抗う。太刀の先端が上に向けられ、乱太郎、きり丸、しんベヱの三人に振り下ろされようとしていた。
「先生……、一緒に帰ろう……っ」
きり丸は、涙を流しながらも天鬼から目を逸らさず、自分の思いを告げた。
かつて、土井がきり丸に向けて言った言葉。それを今度は、きり丸が土井に向けて、共に暮らしている長屋に、忍術学園に帰ろうと。
その時、天鬼は太刀を乱太郎、きり丸、しんベヱに向けて、振り下ろした。
八宝斎の高らかな声も、六年生達の土井を呼ぶ声も、柵を壊そうとする動きも、全てが止まる。
「半助……お前……っ」
後方に倒れた乱太郎、きり丸、しんベヱを見て、山田は土井の名前を呼びながら、天鬼を見つめた。
教え子である三人を天鬼が、自らの意思で斬首したと分かると、八宝斎は静かな空間で一人、高笑いを上げたのだった。
・
あるところに、瀬戸内の福原に住む豪族の若君が居た。
若君は、幼き頃に天涯孤独となった。
その後、若君は仏門で修行と勉学に励んだ。一人で生きる術を身につける為、兵法と忍術を学んだ。
成長した若君は、忍者になった。
だがある日、忍務に失敗した若君は敵忍に追われてしまう。
もう駄目だと思った時、家族旅行に出掛けていた山田一家と出会った。
山田は若君の事情をあえて聞かず、妻は若君の手当をした。幼い頃の利吉は、家族旅行を台無しにされたと憤慨した。
若君は、山田一家で暮らす事となった。
若君は、利吉と手裏剣のキャッチボールをした。
若君は、山田家に置かれた兵法書を読み漁った。
そんな時、若君は山田が教師を務める、忍者の教育機関、忍術学園の教師を務めないかと話を受けた。
山田の妻が利吉への接し方から、若君に教師の適性があると山田に伝えた。
若君は、抜け忍だから、名前を名乗れなかった。仮の名前として、"若い人"と呼ばれた。
若い人は、水色の忍装束を着た一年生と出会う。
若い人は、自分を慕い、自分の元に集まる一年生を見て、嬉しかった。
若い人は、半人前だからという意味で、"土井半助"という名前を名乗る様になった。
土井半助は、一年は組の教科担当担任となった。
土井半助は、一年は組の生徒達の物覚えの悪さ、授業の進行率の悪さ等から、胃痛を訴える様になる。
土井半助は、それでも一年は組の生徒達を"良い子"と言い続けた。
土井半助は、自分と似た様な境遇の摂津のきり丸に帰る場所を作った。
土井半助は、学費の為に生きる為にと、アルバイトに勤しむきり丸の背中を見ていた。
土井半助は、果たし状を送ってきた諸泉尊奈門の果し合いに応じて、裏々山のススキ野原に訪れた。
土井半助は、果し合いの中で、鳥の巣を見つけた。巣の中には、三つの卵があった。
土井半助は、鳥の巣を踏まない様にと諸泉尊奈門に伝えた。
土井半助は、ススキ野原を離れ、渓谷へと落ちていく。
土井半助は、天鬼は、きり丸の言葉を思い出した。
"先生……、一緒に帰ろう……っ"
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