短編
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アニメ版 七松小平太×夢主
卒業後、新しい家庭を築く○○と再会した小平太の話。
◆最初から最後まで、卒業後の小平太視点となります。
◆卒業後の○○や小平太の様子が描かれていますが、あくまで、この短編のみの設定となります。
◆上記の設定や、既存キャラ視点の話が地雷の方は、ブラウザバック推奨。
・
忍術学園を卒業して以来、会う事のなかった○○は、私の記憶の片隅に残っていた○○では、なくなっていた。
背丈は十五の時よりか、心做しか伸びていた。
声色も低くなっていた。妻を娶っていた。まだ幼い女子 が、自分よりも大きな手をしている○○の手を繋いでいる。
・
事の発端は、私が仕えている城と友好関係を築いていた××城の内部崩落が起きた事だ。
××城に現れた△△城の忍が、"蛍火の術"を用いて、××城に仕える者達を疑心暗鬼に陥らせ、戦力が削がれた隙を突かれたという。
××城の内部崩落を招いた△△城に仕える忍というのが、××城の忍軍の追跡をものともせず、一瞬にして姿を消したという情報を小耳にした。それを聞いた私は、忍術学園一、足の速かった同室を思い出した。
(私をはじめ、互いの勤め先である城は知らない。仮に特定出来たとしても、戦で出会っても一線を交えはしないだろうし)
伊賀忍者は、友好関係を築いた同胞と戦で対面しても一線を交えず、説得をして、生き延びた者も居たと風の噂で聞く程だ。
(そうだ。私は近々、××城が敵と見なした△△城の城下町に赴くんだ。そこで暮らして、情報収集をする中で、△△城の弱みを握るために)
その一月後、私は△△城の城下町に赴いた。
町の外れにある、華やかな城下町とは一転して、どこか寂れた土地に建てられた一室の長屋を借り、生活をしていた。
近隣に住む住民からは、"溌剌 とした笑顔が特徴である、若くて活きのいい男"と認識を持たれており、今の今まで悪印象は抱かれていない。昔から使用している口癖は、ここでは発していない。
その日も、城下町に出ていた私は△△城の情報を集めようと、町中を歩く若者の振りをしていた。小腹が空き、人混みの少ない団子屋を発見して、店内に入ったのが、私の運命の分かれ道だったと、今ならはっきりと言える。
「父上のお好きな三色団子、私も大好きでございます」
幼い女子 の声が聞こえた。父親に話しかけたのだろうと、そこで終われば良かった。
次に聞こえたのは、父親の声だった。どことなく懐かしく感じた。けれど、声色は低い。
何故だろう、この親子を逃してはいけないと、本能が訴えている。
店主から受け取った三色団子を味わう暇もなく、私はすぐに店を出ていく。
女子 と手を繋いで、笑いながら歩く父親は、私が後をつけている事に気づいている。同業者であるのは確定だ。
女子 の黒髪は、記憶の片隅に残る同室を思い出す。父親が浮かべている笑顔は、どことなく、あの時見た、あの学園で見た______、
「○○か?」
私は、記憶の片隅に残されていた者の名前を告げた。女子 は、背後から見知らぬ男に父親が声を掛けられたのもあってか、私を見るなり、父親の手を握る力を強めた。
父親は、私に声を掛けられると、ゆっくりとこちらを振り向いた。
『……、………小平太?』
・
○○は、忍術学園を卒業して数年後、家同士の仲を取り持つ為、△△城の領地内に住む今の妻を娶り、子供を授かったという。所謂、政略結婚。
「お家騒動か」
『言い方を変えてしまえば、そうなる』
今はもう、名無し○○と名乗っていない。
私は○○の新しい苗字には、慣れそうになかった。六年もの間、私の前に居たのは確かに名無し○○だったから。
「似てるのは、お前の黒髪だけだったな」
私は、○○とその妻の子供である、小さな彼女について触れた。
ここでは、彼女と明記した方が分かりやすいのだろうか。何だか人の子供をそう呼ぶのは、疚 しい気持ちがあるのかと疑われかねない。
『顔つきや目は、見ての通り。でも、可愛いだろう?』
いつの間にか、子煩悩と化していた○○を見て、私は笑った。
私の知っている、自分勝手で悩みも自分で解決してしまうようなお前に、今では自分の子供を愛でているぞと伝えたら、どんな顔をするのだろうか。
「嫌じゃなかったのか」
○○は、私の質問の意図を簡単に見抜いた。
私は何を口に出した? 嫌じゃなかった? 馬鹿な事をぬかすな。
政略結婚など、家同士の繋がりを保つ為に行われているから、珍しくもない。私の勤め先の忍者にも、政略結婚をした者も少なくないのに。
『俺は、好いてるよ』
私の心中を知ってか知らずか、○○は笑みを見せた。自然と顔が綻びたのを見て、心からそう思っているのだと理解させられた。
今だって、小さな彼女は傍に居ない。
自分の家に帰り、偽りの姿をしている護衛の忍が、小さな彼女の遊び相手でついているに違いない。
私に○○の弱点になり得る、小さな彼女を攫われてはと、たまったものではないのだろう。
私はもう、○○と以前のような関係では無くなったのだと、言葉を介さずとも伝わってくる。
「邪魔をしたな」
『いや、卒業以来だったから。俺も会えて嬉しかった』
守る者が居る○○の笑顔は、いやに眩しく見えた。私は、その笑顔から目を背けたかったが、溌剌 とした笑顔を見せて、後にしていく。
・
生活拠点である長屋に戻るまで、私はいかに自分が浅ましく愚かな人間なのかと、らしくない自分を表出して考えては、そう思った。
忍者である以上、戦で命を落として、妻と小さな彼女よりも先に旅立ってしまう事もある筈だ。
お前が守りたいと思う家族を、お前が壊してしまうのだぞ。
何でお前は、婿入りなどしたのだ。
何でお前は、あの時のお前のままで居てくれなかった。
何でお前は、お前は、何で、何で………、………あぁ、そうか。
(私、○○を好いていたのだな)
だから、お前の事となった途端に、私は冷静さを欠いてしまったのか。
それを思えば、先程までの淀んだ感情がすうっと消えていく様な感覚が襲う。
私とて、悩みが無い訳ではない。
可愛い弟や妹と一族の子を置いて、自分は先に召されてしまうのだろうと考えてしまう。
私にとって、可愛い弟や妹と一族の子が弱点。今の○○には、妻と小さな彼女が弱点。対象が違うだけで、共に何かを守っている事に変わりない。
(○○。お前の守りたい者は、私が壊してしまう形となるだろうな)
私が上手く事を運ばせてしまえば、私の仕える城による、△△城の内部崩落だけに留まらず、陥落させる事も容易いだろう。
△△城の陥落は、城下町だけでなく、△△城の領地内全てに影響が出る。○○とその妻、小さな彼女の住む家も。
(お前と対面したなら、説得で終わっただろうな。けれど、国同士の争いとなれば、説得で済む訳がない)
若き頃の私が言った、"忍者は、いつも生きるか死ぬか"_____。
△△城を陥落させた暁には、私は○○に殺されるのか。もし、そうなれば全力で抵抗させて貰おう。いくら私が○○を好いていると自覚しようが、私にも守りたい者が居るのでな。
いつか来る△△城の陥落の日まで、生き延びなくてはならない……、生活拠点の長屋に到着して、そう思った頃に、夕立ちが降ってきた。
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アニメ版 七松小平太×夢主
卒業後、新しい家庭を築く○○と再会した小平太の話。
◆最初から最後まで、卒業後の小平太視点となります。
◆卒業後の○○や小平太の様子が描かれていますが、あくまで、この短編のみの設定となります。
◆上記の設定や、既存キャラ視点の話が地雷の方は、ブラウザバック推奨。
・
忍術学園を卒業して以来、会う事のなかった○○は、私の記憶の片隅に残っていた○○では、なくなっていた。
背丈は十五の時よりか、心做しか伸びていた。
声色も低くなっていた。妻を娶っていた。まだ幼い
・
事の発端は、私が仕えている城と友好関係を築いていた××城の内部崩落が起きた事だ。
××城に現れた△△城の忍が、"蛍火の術"を用いて、××城に仕える者達を疑心暗鬼に陥らせ、戦力が削がれた隙を突かれたという。
××城の内部崩落を招いた△△城に仕える忍というのが、××城の忍軍の追跡をものともせず、一瞬にして姿を消したという情報を小耳にした。それを聞いた私は、忍術学園一、足の速かった同室を思い出した。
(私をはじめ、互いの勤め先である城は知らない。仮に特定出来たとしても、戦で出会っても一線を交えはしないだろうし)
伊賀忍者は、友好関係を築いた同胞と戦で対面しても一線を交えず、説得をして、生き延びた者も居たと風の噂で聞く程だ。
(そうだ。私は近々、××城が敵と見なした△△城の城下町に赴くんだ。そこで暮らして、情報収集をする中で、△△城の弱みを握るために)
その一月後、私は△△城の城下町に赴いた。
町の外れにある、華やかな城下町とは一転して、どこか寂れた土地に建てられた一室の長屋を借り、生活をしていた。
近隣に住む住民からは、"
その日も、城下町に出ていた私は△△城の情報を集めようと、町中を歩く若者の振りをしていた。小腹が空き、人混みの少ない団子屋を発見して、店内に入ったのが、私の運命の分かれ道だったと、今ならはっきりと言える。
「父上のお好きな三色団子、私も大好きでございます」
幼い
次に聞こえたのは、父親の声だった。どことなく懐かしく感じた。けれど、声色は低い。
何故だろう、この親子を逃してはいけないと、本能が訴えている。
店主から受け取った三色団子を味わう暇もなく、私はすぐに店を出ていく。
「○○か?」
私は、記憶の片隅に残されていた者の名前を告げた。
父親は、私に声を掛けられると、ゆっくりとこちらを振り向いた。
『……、………小平太?』
・
○○は、忍術学園を卒業して数年後、家同士の仲を取り持つ為、△△城の領地内に住む今の妻を娶り、子供を授かったという。所謂、政略結婚。
「お家騒動か」
『言い方を変えてしまえば、そうなる』
今はもう、名無し○○と名乗っていない。
私は○○の新しい苗字には、慣れそうになかった。六年もの間、私の前に居たのは確かに名無し○○だったから。
「似てるのは、お前の黒髪だけだったな」
私は、○○とその妻の子供である、小さな彼女について触れた。
ここでは、彼女と明記した方が分かりやすいのだろうか。何だか人の子供をそう呼ぶのは、
『顔つきや目は、見ての通り。でも、可愛いだろう?』
いつの間にか、子煩悩と化していた○○を見て、私は笑った。
私の知っている、自分勝手で悩みも自分で解決してしまうようなお前に、今では自分の子供を愛でているぞと伝えたら、どんな顔をするのだろうか。
「嫌じゃなかったのか」
○○は、私の質問の意図を簡単に見抜いた。
私は何を口に出した? 嫌じゃなかった? 馬鹿な事をぬかすな。
政略結婚など、家同士の繋がりを保つ為に行われているから、珍しくもない。私の勤め先の忍者にも、政略結婚をした者も少なくないのに。
『俺は、好いてるよ』
私の心中を知ってか知らずか、○○は笑みを見せた。自然と顔が綻びたのを見て、心からそう思っているのだと理解させられた。
今だって、小さな彼女は傍に居ない。
自分の家に帰り、偽りの姿をしている護衛の忍が、小さな彼女の遊び相手でついているに違いない。
私に○○の弱点になり得る、小さな彼女を攫われてはと、たまったものではないのだろう。
私はもう、○○と以前のような関係では無くなったのだと、言葉を介さずとも伝わってくる。
「邪魔をしたな」
『いや、卒業以来だったから。俺も会えて嬉しかった』
守る者が居る○○の笑顔は、いやに眩しく見えた。私は、その笑顔から目を背けたかったが、
・
生活拠点である長屋に戻るまで、私はいかに自分が浅ましく愚かな人間なのかと、らしくない自分を表出して考えては、そう思った。
忍者である以上、戦で命を落として、妻と小さな彼女よりも先に旅立ってしまう事もある筈だ。
お前が守りたいと思う家族を、お前が壊してしまうのだぞ。
何でお前は、婿入りなどしたのだ。
何でお前は、あの時のお前のままで居てくれなかった。
何でお前は、お前は、何で、何で………、………あぁ、そうか。
(私、○○を好いていたのだな)
だから、お前の事となった途端に、私は冷静さを欠いてしまったのか。
それを思えば、先程までの淀んだ感情がすうっと消えていく様な感覚が襲う。
私とて、悩みが無い訳ではない。
可愛い弟や妹と一族の子を置いて、自分は先に召されてしまうのだろうと考えてしまう。
私にとって、可愛い弟や妹と一族の子が弱点。今の○○には、妻と小さな彼女が弱点。対象が違うだけで、共に何かを守っている事に変わりない。
(○○。お前の守りたい者は、私が壊してしまう形となるだろうな)
私が上手く事を運ばせてしまえば、私の仕える城による、△△城の内部崩落だけに留まらず、陥落させる事も容易いだろう。
△△城の陥落は、城下町だけでなく、△△城の領地内全てに影響が出る。○○とその妻、小さな彼女の住む家も。
(お前と対面したなら、説得で終わっただろうな。けれど、国同士の争いとなれば、説得で済む訳がない)
若き頃の私が言った、"忍者は、いつも生きるか死ぬか"_____。
△△城を陥落させた暁には、私は○○に殺されるのか。もし、そうなれば全力で抵抗させて貰おう。いくら私が○○を好いていると自覚しようが、私にも守りたい者が居るのでな。
いつか来る△△城の陥落の日まで、生き延びなくてはならない……、生活拠点の長屋に到着して、そう思った頃に、夕立ちが降ってきた。
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