ドクタケ忍者隊 最強の軍師
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口布によって隠された素顔が露わになった男は、土井半助と全く同じ顔つきをしていたのだ。
「土井先生……?」
六年生の面々が土井の名前を呼ぶも、男は訝しげな目を向ける。まるで、自分は土井半助では無いと言っている様だった。
「あ、あんただよ……、忍術学園一年は組、教科担当担任、土井半助先生……あんたの事だよ!」
文次郎は、袋槍の穂先を向けながら、男に向けて土井半助の名前を呼ぶ。それと同時に、気の緩みから、自分達が忍術学園の生徒であると口を滑らせてしまう。
仙蔵、長次、小平太、○○、留三郎、伊作も恩師である土井の顔を見て安心したからか、頭巾を首元に下ろし、素顔を晒す。
最後に、頭巾を首元に下ろした文次郎の隣に立つ仙蔵が、袋槍に触れる。一見、何ら変わりない笑顔であると思うも、文次郎はそれが冷笑であると分かり、袋槍を後ろに隠す。
"恩師に、武器である袋槍の穂先を向けるな"、と、仙蔵は言葉無しで伝えたのだ。
「貴様ら……忍術学園の手の者か……」
男が視線を下げると、前髪によって顔に影が出来る。どことなく、声色も六年生の面々と遭遇した当初よりも、低くなっていた。
「ならば、我らの敵だ」
顔を上げた男の両目には、先程まで見えなかった赤茶色が彩られている。
男は、八相の構えを見せた。
相手から刀身が見えず、間合いを悟らせない。六年生全員の位置からは刀身が見えておらず、今も六年生の誰一人も土井が攻撃を仕掛けてこようなど、気づけていないのだ。
「……先生?」
「きり丸や、は組の皆が待って……ます……よ……?」
留三郎と伊作を初め、六年生の面々は事態が読み込めなかった。
土井の名前を出しても、一年は組、きり丸の名前を出しても、何も反応を示さないのだから。
「何が……あったんです?」
真っ先に、男の異変と危険を察知したのは、仙蔵であった。
次に、小平太が仙蔵の様子が変わった事に気がつく。そして、○○も仙蔵の焦りようから、まだ戦いは終わっていないのだと気付かされた。
男は八相の構えを崩す事無く、六年生の元へと勢いよく走り出してきた。
初めに男が狙ったのは、伊作の首だ。太刀は、伊作の首元を斬ろうとする。
「うわぁ!」
伊作は咄嗟の判断で、太刀を避ける為にその場に屈む。斬首されずに済んだものの、代わりに総髪 の半分が無くなっていた。
二番目に狙いを定めたのは、○○だ。
太刀が来ると踏んでいた○○であったが、男はジャンプし、空中から右膝が飛んでくると、○○の目の前にまで迫っていた。
『ひゅ、っ』
息を短く吸い上げた。○○は、左腕を上げて防御の構えをした直後、男の飛び膝蹴りが入る。
威力は半減したものの、○○は後ろによろめき、後頭部が竹林に直撃した。
『ゔ……ッ、っ…、……』
○○の両膝の力が抜け、真っ直ぐに倒れた。
世界が、ぼやける。○○の意思と関係なく、意識が遠のきかけている。
俊敏な○○の動きを止めるため、男はまず飛び膝蹴りを喰らわせたのだ。○○の目を潰そうと、太刀を振るうと、長次が姿を見せた。
意識が遠のき、動けない○○を長次が引っ張り上げる。だが、○○の左腕が切られ、一度目よりも深い傷を負ってしまう。
○○の意識が遠のかない様、長次が○○の右手を握りしめる。
防御する武器を持たない長次の首を狙い、太刀を下から上へと振り上げた時、小平太が駆け付けた。二丁苦無で、男の太刀を受ける。
「ぐうぅ……ッッ!」
長次と意識が遠のきかけている○○を庇うも、太刀は苦無を弾く。
「うあ゙あぁッ!」
小平太の右肩から胸にかけて、大きな傷が出来上がる。小平太はその場に蹲 り、右肩にソッと手を当てる。
すかさず、長次は小平太を引っ張った。小平太と○○の二人は、長次に守られる形で胸の中に居た。
男は留三郎に向けて、太刀を下ろす。斬首されない様にと、留三郎は体の向きを変えた。
「くっ……!」
後ろ手になりながら、鉄双節棍 で太刀を受ける。留三郎の横から文次郎が現れ、袋槍で太刀を抑え込もうとした。
男はこの場で文次郎の視覚を奪おうと、左手の人差し指を突き出し、左目を狙う。
「……ッ!」
文次郎は完全には避けきれず、人差し指が自身の左目を掠 める。
留三郎が鉄双節棍 を振り、太刀を払ったものの、文次郎が持つ袋槍の柄が切断されていた。
「どりゃあぁ!」
留三郎が再び、鉄双節棍 を振るうものの、男はジャンプして攻撃を回避する。
「土井先生!」
もはや、誰が土井の名前を発したのかさえ、分からなかった。
男は変わらず、土井という名を呼ばれても反応を示さない。自分の攻撃にただ翻弄されている愚かな七人を"敵である憎き忍術学園の忍者"と見なし、この場で全員を葬ろうとするだけだ。
その時、長次の右手に小さく力が込められた。
○○の意識が、現実 へと戻ってきていた証拠だ。三重、二重とぼやけていた視界も元に戻っていた。
男は、深手を負う小平太と○○と居た長次に再び、狙いを定めた。
長次は、小平太と○○に覆い被さる。これ以上、二人が男からの攻撃を受けない様にと、長次の優しさ故の行動だ。だが同時に、この場に適した行動でないとも言える。
男と長次の距離が縮まろうとした時_____、双方の間、導火線に火が付けられた煙玉が投げ入れられる。
これは、仙蔵の謀 りだ。男に焙烙火矢であると思い込ませる為のもの。
見事に、男は仙蔵の謀 りに掛かった。男は焙烙火矢 の餌食にならない様にと、六年生の面々から離れていく。
「皆、逃げろ!」
仙蔵自身も、この場では焙烙火矢 でなく、煙玉であるとは皆に伝達しない。
仙蔵に続き、文次郎と留三郎もこの場から離れようと、走り出す。深手を負った小平太は、長次に支えられる形となっている。
○○は伊作に支えられながら、立ち上がった。今は短距離が限界だったが、走る事は出来る。○○は伊作の隣に居る形で、他の面々同様に、走り出していく。
「伏せろ!」
先頭を走っていた仙蔵の言葉を聞き、全員がその場に伏せた。
竹林に放たれた煙玉から、白色の煙が放出する。
焙烙火矢 だと思っていた男は、仙蔵の謀 りに嵌っていたのだと気付かされた。
「煙玉……、謀 ったか……」
逃走を図る六年生の面々を追いかけようとした矢先、煙に紛れて焙烙火矢 を投げ込まれた。今度こそ、本物だ。
「……っ!」
焙烙火矢が着火された。
竹林内で、大規模な爆発音が響く。それらが収まった頃には、六年生全員の姿は消えていた。
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口布によって隠された素顔が露わになった男は、土井半助と全く同じ顔つきをしていたのだ。
「土井先生……?」
六年生の面々が土井の名前を呼ぶも、男は訝しげな目を向ける。まるで、自分は土井半助では無いと言っている様だった。
「あ、あんただよ……、忍術学園一年は組、教科担当担任、土井半助先生……あんたの事だよ!」
文次郎は、袋槍の穂先を向けながら、男に向けて土井半助の名前を呼ぶ。それと同時に、気の緩みから、自分達が忍術学園の生徒であると口を滑らせてしまう。
仙蔵、長次、小平太、○○、留三郎、伊作も恩師である土井の顔を見て安心したからか、頭巾を首元に下ろし、素顔を晒す。
最後に、頭巾を首元に下ろした文次郎の隣に立つ仙蔵が、袋槍に触れる。一見、何ら変わりない笑顔であると思うも、文次郎はそれが冷笑であると分かり、袋槍を後ろに隠す。
"恩師に、武器である袋槍の穂先を向けるな"、と、仙蔵は言葉無しで伝えたのだ。
「貴様ら……忍術学園の手の者か……」
男が視線を下げると、前髪によって顔に影が出来る。どことなく、声色も六年生の面々と遭遇した当初よりも、低くなっていた。
「ならば、我らの敵だ」
顔を上げた男の両目には、先程まで見えなかった赤茶色が彩られている。
男は、八相の構えを見せた。
相手から刀身が見えず、間合いを悟らせない。六年生全員の位置からは刀身が見えておらず、今も六年生の誰一人も土井が攻撃を仕掛けてこようなど、気づけていないのだ。
「……先生?」
「きり丸や、は組の皆が待って……ます……よ……?」
留三郎と伊作を初め、六年生の面々は事態が読み込めなかった。
土井の名前を出しても、一年は組、きり丸の名前を出しても、何も反応を示さないのだから。
「何が……あったんです?」
真っ先に、男の異変と危険を察知したのは、仙蔵であった。
次に、小平太が仙蔵の様子が変わった事に気がつく。そして、○○も仙蔵の焦りようから、まだ戦いは終わっていないのだと気付かされた。
男は八相の構えを崩す事無く、六年生の元へと勢いよく走り出してきた。
初めに男が狙ったのは、伊作の首だ。太刀は、伊作の首元を斬ろうとする。
「うわぁ!」
伊作は咄嗟の判断で、太刀を避ける為にその場に屈む。斬首されずに済んだものの、代わりに
二番目に狙いを定めたのは、○○だ。
太刀が来ると踏んでいた○○であったが、男はジャンプし、空中から右膝が飛んでくると、○○の目の前にまで迫っていた。
『ひゅ、っ』
息を短く吸い上げた。○○は、左腕を上げて防御の構えをした直後、男の飛び膝蹴りが入る。
威力は半減したものの、○○は後ろによろめき、後頭部が竹林に直撃した。
『ゔ……ッ、っ…、……』
○○の両膝の力が抜け、真っ直ぐに倒れた。
世界が、ぼやける。○○の意思と関係なく、意識が遠のきかけている。
俊敏な○○の動きを止めるため、男はまず飛び膝蹴りを喰らわせたのだ。○○の目を潰そうと、太刀を振るうと、長次が姿を見せた。
意識が遠のき、動けない○○を長次が引っ張り上げる。だが、○○の左腕が切られ、一度目よりも深い傷を負ってしまう。
○○の意識が遠のかない様、長次が○○の右手を握りしめる。
防御する武器を持たない長次の首を狙い、太刀を下から上へと振り上げた時、小平太が駆け付けた。二丁苦無で、男の太刀を受ける。
「ぐうぅ……ッッ!」
長次と意識が遠のきかけている○○を庇うも、太刀は苦無を弾く。
「うあ゙あぁッ!」
小平太の右肩から胸にかけて、大きな傷が出来上がる。小平太はその場に
すかさず、長次は小平太を引っ張った。小平太と○○の二人は、長次に守られる形で胸の中に居た。
男は留三郎に向けて、太刀を下ろす。斬首されない様にと、留三郎は体の向きを変えた。
「くっ……!」
後ろ手になりながら、
男はこの場で文次郎の視覚を奪おうと、左手の人差し指を突き出し、左目を狙う。
「……ッ!」
文次郎は完全には避けきれず、人差し指が自身の左目を
留三郎が
「どりゃあぁ!」
留三郎が再び、
「土井先生!」
もはや、誰が土井の名前を発したのかさえ、分からなかった。
男は変わらず、土井という名を呼ばれても反応を示さない。自分の攻撃にただ翻弄されている愚かな七人を"敵である憎き忍術学園の忍者"と見なし、この場で全員を葬ろうとするだけだ。
その時、長次の右手に小さく力が込められた。
○○の意識が、
男は、深手を負う小平太と○○と居た長次に再び、狙いを定めた。
長次は、小平太と○○に覆い被さる。これ以上、二人が男からの攻撃を受けない様にと、長次の優しさ故の行動だ。だが同時に、この場に適した行動でないとも言える。
男と長次の距離が縮まろうとした時_____、双方の間、導火線に火が付けられた煙玉が投げ入れられる。
これは、仙蔵の
見事に、男は仙蔵の
「皆、逃げろ!」
仙蔵自身も、この場では
仙蔵に続き、文次郎と留三郎もこの場から離れようと、走り出す。深手を負った小平太は、長次に支えられる形となっている。
○○は伊作に支えられながら、立ち上がった。今は短距離が限界だったが、走る事は出来る。○○は伊作の隣に居る形で、他の面々同様に、走り出していく。
「伏せろ!」
先頭を走っていた仙蔵の言葉を聞き、全員がその場に伏せた。
竹林に放たれた煙玉から、白色の煙が放出する。
「煙玉……、
逃走を図る六年生の面々を追いかけようとした矢先、煙に紛れて
「……っ!」
焙烙火矢が着火された。
竹林内で、大規模な爆発音が響く。それらが収まった頃には、六年生全員の姿は消えていた。
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