ドクタケ忍者隊 最強の軍師
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六年は組の長屋には、集められた六年生全員が腰を円の形を作る様にして、腰を下ろしていた。
「これで全員、集まった様だな」
目を合わせない様にと、ソワソワとした動きを見せる文次郎と留三郎。二人が部屋から脱走しない様、文次郎の隣には長次、留三郎の隣には小平太が座っている。仙蔵の右隣に伊作、左隣に○○の姿もある。
『まず、この地図を見てくれ』
○○は、バツ印の書かれている書き写した地図を床に置いた。
「このバツ印は、どこに付けられている?」
「もそ…裏々 山の山頂付近、山間部、ススキ野原の下に流れる渓流の川上に位置する小さな村。全て、私達が捜索に向かった場所だ」
「そうだ。何故、私達はその場所を中心に聞き込みを行った?」
「山で遭難した時は、下山しないで山頂を目指して登る……川で溺れても、負傷せずに自力で上がれたのなら、崖や谷のある下流じゃなくて、上流である川上を目指すから、だよね」
仙蔵の問いに対して、長次と伊作が順番に答えていく。
『俺達も先生方も、遭難した土井先生は裏々 山の山頂か渓流の川上を目指していると思っていた。だけど、それが土井先生の手掛かりを見つけられない原因になってしまってたんだ』
印の付けられていない平野部の位置を見ていた○○は顔を上げ、話し始めた。
「………川下の捜索は、御法度の筈だ」
忍術学園に戻ってから、誰とも喋る子とのなかった文次郎が、ここに来てようやく口を開き、○○の話に口を挟んだ。
『それなんだ』
まるでそれを待っていたかの様に、○○は文次郎に向けて指をさし、指摘する。
「川上の遭難は御法度である……、確かに、私達はそう教わってきた。これは、私からの提案だ」
____、土井先生の捜索範囲を、川下まで広げる。仙蔵は、そう言った。
「……私達が、最悪の事態の第一発見者になる事も想定してな」
最悪の事態となってしまった時____、溺死した土井の遺体を発見する者が、この中の誰かとなる。その覚悟も決めなくてはならないと、仙蔵は言った。
「留三郎」
伊作は一言も発さず、仙蔵の言葉を聞いて俯いている同室の名前を呼ぶ。
川下にも捜索範囲を広げる事が、水に呑まれて溺死した土井を発見する可能性もあるのだと、留三郎が土井の生存を信じている気持ちを蔑 ろにしているのではないかと思った。非情になり切れない伊作が、留三郎を気にかけたのだ。
自身の名前を呼ばれ、留三郎はゆっくりと顔を上げた。
「悪いな、伊作。お前にはここ半月の間、迷惑を掛けてきた」
「えっ? そ、そんな事ないよ。僕は、迷惑だなんて一度も思ってない」
留三郎は、ここ最近は見る事のなかった穏やかな笑みを伊作に向けた。文次郎と同様にようやく口を開いて放った言葉は、同室の伊作への謝罪。
「お前達にも、迷惑を掛けた」
今度は、伊作以外の面々に向けた謝罪の言葉が出てきた。
「俺は……俺達は、一年の時に土井先生と出会い、同じ年に、忍術学園に入った。こんな事を言うのは、烏滸 がましいとは思っている。俺達と土井先生は歩幅は違えど、右も左も判らぬ道を共に歩き、成長してきたと」
忍たまとして、入学時は忍びとは何かと、右も左も分からなかった今の六年生の面々。
同じく、教師とは何かと、右も左も分からなかった土井。
二組の共通点として、"右も左も分からない"があり、親近感を抱いていたのだ。
「土井先生が尊奈門にやられたなんて、俺は今でも信じていない。どこかで生きておられる。そう思わないと……この半月の間、不安に押し潰されるんじゃないかと堪らなかった。最悪の事態も視野に入れる……、あの時は俺の心の弱さが、それを受け入れられなかった」
どこまでも真っ直ぐで熱血漢の留三郎は、感情の波に左右される局面に立たされるのに弱い。留三郎自身が、それを一番理解している。
「仙蔵。俺はお前の仮説通りに、捜索を変更しても構わない。最悪の事態を想定しつつ……それでも一番は、土井先生の無事を祈ってな。もし、最悪の事態となっていたなら、しかと受け止める」
「……、だそうだ、文次郎。お前からも、留三郎に言いたい事があるのだろう」
留三郎の言い分を聞いた仙蔵は、両方の拳を握り締めている文次郎に向け、声を掛ける。
「留の癖に、ナヨナヨした姿を見せてんじゃねぇ」
そう言うと、文次郎は勢いよくその場から立ち上がり、留三郎を見た。
「俺だって……、俺だってなぁ! 土井先生が尊奈門に負けただなんて、信じてる訳があるか! お前だけしか、土井先生が生きてるって考えてる訳じゃねぇんだよ! 長次だって、本当は、おれ____、」
「分かった。皆 まで言うな」
文次郎の発言が過熱していた所で、仙蔵がピシャリと止めた。誰もが喋る事を止め、は組の長屋に静寂が走る。
だが、その静寂を壊すのもまた、仙蔵であった。
「お前達の意見が一致すると、天候が悪くなる」
「自分から振っといて、んな事言うんじゃねぇ!!」
文次郎と留三郎が、仙蔵に向けて同時に言い放った。あっ、また一致した…、伊作が文次郎と留三郎を見ながら、小さく言う。
「忍術学園一、ギンギンに忍者している潮江文次郎にも人の心があるのだと、皆も改めて知れたな」
「仙蔵、お前……さては、楽しんでやがるな?」
「馬鹿を言うな。私は真剣だ」
土井先生の捜索は、先生方だけでなく、六年生に課された忍務でもあるからな…、と、言葉が付け足された。
・
翌日、六年生全員で、裏々 山から離れた場所に位置する、川下付近の村へと向かう。
あれから、仙蔵の提案は賭けではあったものの、皆が乗る事にしたのだ。これで土井の行方が分からなければ、その時は……、それ以上の事は、仙蔵も話はしなかった。
再び、い組、ろ組、は組の三組に別れ、聞き込みを開始する。
(もし、土井先生の遺体を発見したのが俺となれば……、………俺も留三郎と同じだ。受け止める。土井先生が、もう忍術学園に帰って来ないのだと受け止めよう)
長次と小平太と別れた○○は、呼び込みをしている商人に声を掛けた。
"こんにちは"
"らっしゃい。兄ちゃん、この辺じゃ見ない顔だな"
"山の向こうから、来たもので"
"旅の者って訳か。そんだったら、一つ教えといてやる。夜は、あまり外を彷徨かない方が良い。少し前に変な輩が現れて、ちょっとした騒ぎになったんだ"
旅の者だと思った○○に声を掛けられ、商人は村の事情をこっそりと伝えると、○○はある事が気になった。
"変な輩? 騒ぎ?"
"夜に、サングラスを掛けた奴が大勢居てな。若い男か? そいつを担いで走っているのを見たって、村の連中が言ってたんだ。今となりゃ、あの集団は人攫いだったのかもしれねぇ。あの若い男、無事に自分の家に帰れていりゃ、良いんだけどな"
・
捜索方法の変更から二日経ち、六年生の面々は土井と思わしき人物に関する情報が得られたのだ。
そして今はら情報共有を行っている最中だった。
「満月の晩、この辺をサングラスを掛けた連中が大勢、走っていたそうだ」
「その先頭は、異様に頭が大きい奴だったとか」
「ソイツら、男を一人担いでいたらしい」
「つまり、土井先生をドクタケに連れ去った可能性がある」
文次郎、小平太、留三郎、仙蔵が順番に話し出す。長次も四人に同調しており、その証拠に頷いた。
「聞き込みの範囲を広げた甲斐があったね」
『まさか、裏々 山から離れたドクタケの領地に土井先生が攫われたなんてな。想定外っちゃ、想定外か』
伊作、○○も続けて発言する。
山頂か川上に居るかと思えば、平野部に位置するドクタケの領地に土井が攫われたなど、予想もつかない事だと○○は思った。
「連れて行かれたとすれば、ドクタケ忍者隊詰所が怪しい」
「一度、探ってみても良いんじゃないか?」
仙蔵の言葉を聞き、文次郎がそう問いかけた。
忍術学園とは、敵対関係であるドクタケ忍者隊。負傷した土井が、詰所から抜け出せない事情があるのか……、ドクタケ忍者隊詰所に潜入し、情報を得ようというのだ。文次郎の問いに、反対する者は居なかった。
「いけいけどんどーん!」
半月ぶりに、六年生の面々は小平太のお決まりの口癖を聞いたのだった。
ドクタケ忍者隊詰所のある、ドクタケの領地へと向かう為に走り出す_____、一年は組、摂津のきり丸が、その姿を遠方から捉えた事も知らずに。
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六年は組の長屋には、集められた六年生全員が腰を円の形を作る様にして、腰を下ろしていた。
「これで全員、集まった様だな」
目を合わせない様にと、ソワソワとした動きを見せる文次郎と留三郎。二人が部屋から脱走しない様、文次郎の隣には長次、留三郎の隣には小平太が座っている。仙蔵の右隣に伊作、左隣に○○の姿もある。
『まず、この地図を見てくれ』
○○は、バツ印の書かれている書き写した地図を床に置いた。
「このバツ印は、どこに付けられている?」
「もそ…
「そうだ。何故、私達はその場所を中心に聞き込みを行った?」
「山で遭難した時は、下山しないで山頂を目指して登る……川で溺れても、負傷せずに自力で上がれたのなら、崖や谷のある下流じゃなくて、上流である川上を目指すから、だよね」
仙蔵の問いに対して、長次と伊作が順番に答えていく。
『俺達も先生方も、遭難した土井先生は
印の付けられていない平野部の位置を見ていた○○は顔を上げ、話し始めた。
「………川下の捜索は、御法度の筈だ」
忍術学園に戻ってから、誰とも喋る子とのなかった文次郎が、ここに来てようやく口を開き、○○の話に口を挟んだ。
『それなんだ』
まるでそれを待っていたかの様に、○○は文次郎に向けて指をさし、指摘する。
「川上の遭難は御法度である……、確かに、私達はそう教わってきた。これは、私からの提案だ」
____、土井先生の捜索範囲を、川下まで広げる。仙蔵は、そう言った。
「……私達が、最悪の事態の第一発見者になる事も想定してな」
最悪の事態となってしまった時____、溺死した土井の遺体を発見する者が、この中の誰かとなる。その覚悟も決めなくてはならないと、仙蔵は言った。
「留三郎」
伊作は一言も発さず、仙蔵の言葉を聞いて俯いている同室の名前を呼ぶ。
川下にも捜索範囲を広げる事が、水に呑まれて溺死した土井を発見する可能性もあるのだと、留三郎が土井の生存を信じている気持ちを
自身の名前を呼ばれ、留三郎はゆっくりと顔を上げた。
「悪いな、伊作。お前にはここ半月の間、迷惑を掛けてきた」
「えっ? そ、そんな事ないよ。僕は、迷惑だなんて一度も思ってない」
留三郎は、ここ最近は見る事のなかった穏やかな笑みを伊作に向けた。文次郎と同様にようやく口を開いて放った言葉は、同室の伊作への謝罪。
「お前達にも、迷惑を掛けた」
今度は、伊作以外の面々に向けた謝罪の言葉が出てきた。
「俺は……俺達は、一年の時に土井先生と出会い、同じ年に、忍術学園に入った。こんな事を言うのは、
忍たまとして、入学時は忍びとは何かと、右も左も分からなかった今の六年生の面々。
同じく、教師とは何かと、右も左も分からなかった土井。
二組の共通点として、"右も左も分からない"があり、親近感を抱いていたのだ。
「土井先生が尊奈門にやられたなんて、俺は今でも信じていない。どこかで生きておられる。そう思わないと……この半月の間、不安に押し潰されるんじゃないかと堪らなかった。最悪の事態も視野に入れる……、あの時は俺の心の弱さが、それを受け入れられなかった」
どこまでも真っ直ぐで熱血漢の留三郎は、感情の波に左右される局面に立たされるのに弱い。留三郎自身が、それを一番理解している。
「仙蔵。俺はお前の仮説通りに、捜索を変更しても構わない。最悪の事態を想定しつつ……それでも一番は、土井先生の無事を祈ってな。もし、最悪の事態となっていたなら、しかと受け止める」
「……、だそうだ、文次郎。お前からも、留三郎に言いたい事があるのだろう」
留三郎の言い分を聞いた仙蔵は、両方の拳を握り締めている文次郎に向け、声を掛ける。
「留の癖に、ナヨナヨした姿を見せてんじゃねぇ」
そう言うと、文次郎は勢いよくその場から立ち上がり、留三郎を見た。
「俺だって……、俺だってなぁ! 土井先生が尊奈門に負けただなんて、信じてる訳があるか! お前だけしか、土井先生が生きてるって考えてる訳じゃねぇんだよ! 長次だって、本当は、おれ____、」
「分かった。
文次郎の発言が過熱していた所で、仙蔵がピシャリと止めた。誰もが喋る事を止め、は組の長屋に静寂が走る。
だが、その静寂を壊すのもまた、仙蔵であった。
「お前達の意見が一致すると、天候が悪くなる」
「自分から振っといて、んな事言うんじゃねぇ!!」
文次郎と留三郎が、仙蔵に向けて同時に言い放った。あっ、また一致した…、伊作が文次郎と留三郎を見ながら、小さく言う。
「忍術学園一、ギンギンに忍者している潮江文次郎にも人の心があるのだと、皆も改めて知れたな」
「仙蔵、お前……さては、楽しんでやがるな?」
「馬鹿を言うな。私は真剣だ」
土井先生の捜索は、先生方だけでなく、六年生に課された忍務でもあるからな…、と、言葉が付け足された。
・
翌日、六年生全員で、
あれから、仙蔵の提案は賭けではあったものの、皆が乗る事にしたのだ。これで土井の行方が分からなければ、その時は……、それ以上の事は、仙蔵も話はしなかった。
再び、い組、ろ組、は組の三組に別れ、聞き込みを開始する。
(もし、土井先生の遺体を発見したのが俺となれば……、………俺も留三郎と同じだ。受け止める。土井先生が、もう忍術学園に帰って来ないのだと受け止めよう)
長次と小平太と別れた○○は、呼び込みをしている商人に声を掛けた。
"こんにちは"
"らっしゃい。兄ちゃん、この辺じゃ見ない顔だな"
"山の向こうから、来たもので"
"旅の者って訳か。そんだったら、一つ教えといてやる。夜は、あまり外を彷徨かない方が良い。少し前に変な輩が現れて、ちょっとした騒ぎになったんだ"
旅の者だと思った○○に声を掛けられ、商人は村の事情をこっそりと伝えると、○○はある事が気になった。
"変な輩? 騒ぎ?"
"夜に、サングラスを掛けた奴が大勢居てな。若い男か? そいつを担いで走っているのを見たって、村の連中が言ってたんだ。今となりゃ、あの集団は人攫いだったのかもしれねぇ。あの若い男、無事に自分の家に帰れていりゃ、良いんだけどな"
・
捜索方法の変更から二日経ち、六年生の面々は土井と思わしき人物に関する情報が得られたのだ。
そして今はら情報共有を行っている最中だった。
「満月の晩、この辺をサングラスを掛けた連中が大勢、走っていたそうだ」
「その先頭は、異様に頭が大きい奴だったとか」
「ソイツら、男を一人担いでいたらしい」
「つまり、土井先生をドクタケに連れ去った可能性がある」
文次郎、小平太、留三郎、仙蔵が順番に話し出す。長次も四人に同調しており、その証拠に頷いた。
「聞き込みの範囲を広げた甲斐があったね」
『まさか、
伊作、○○も続けて発言する。
山頂か川上に居るかと思えば、平野部に位置するドクタケの領地に土井が攫われたなど、予想もつかない事だと○○は思った。
「連れて行かれたとすれば、ドクタケ忍者隊詰所が怪しい」
「一度、探ってみても良いんじゃないか?」
仙蔵の言葉を聞き、文次郎がそう問いかけた。
忍術学園とは、敵対関係であるドクタケ忍者隊。負傷した土井が、詰所から抜け出せない事情があるのか……、ドクタケ忍者隊詰所に潜入し、情報を得ようというのだ。文次郎の問いに、反対する者は居なかった。
「いけいけどんどーん!」
半月ぶりに、六年生の面々は小平太のお決まりの口癖を聞いたのだった。
ドクタケ忍者隊詰所のある、ドクタケの領地へと向かう為に走り出す_____、一年は組、摂津のきり丸が、その姿を遠方から捉えた事も知らずに。
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