元JKの記憶喪失空っぽ夢主は、忍たま達に囲まれて生き延びたい
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
.
根城の広間は、岩壁に囲まれた閉ざされた空間であった。天井の高みには無数の蝋燭が灯され、風の通らぬその場所では炎が不気味なまでに静止していた。
まるで囚人をあざ笑う舞台の照明の様にーーー、乱太郎くん、きり丸くん、しんベヱくん、わたしの顔を晒し出す。
(この人が……、………)
わたし達四人は、この広間の真ん中に並ばされている。縄で縛られ、後ろ手にも拘束されていた。その中で、わたしは隠し持っている忍者の必需品の一つ、錣を使う場面を見計らっている。
「この三人を斬れ」
平時とは異なり、冷酷を身に纏った稗田八方斎の隣には、ドクタケ忍者隊の軍師だという、天鬼(土井先生)の姿もあった。感情を殺しているのに、目だけが異様に研ぎ澄まされ、何かを探る様に見据えている。
「その隣に居る女もだ」
冷徹に下された言葉に、部屋の空気が軋む。天鬼(土井先生)は一歩、音もなく前へ出てくるも、その動きには人間らしい逡巡が見られない。
「こんな子供に、女子を……?」
どうやら、無関係と思わしき子供や女子相手を斬首する行為に、躊躇いを見せている様だ。
「このガキンチョ共と女は、忍術学園の手の者だぞ」
その一言が、呪詛のよう。"忍術学園”という音だけが、彼の奥深くに響いたのだろうか。天鬼(土井先生)の目に、一瞬だけ微かな揺らぎが走る。それは冷たい硝子に浮かぶ、一筋の熱。
「土井先生!」
「ここで、何やってるんですか!」
乱太郎くんとしんベヱくんの必死の呼びかけが木霊するが、何の反応も返ってこない。
「やっと……会えた………っ」
絞り出すように、きり丸くんが呟いた。揺れる視線の先には、ようやく見つけた土井先生の姿がある。その目を潤み、声を震わせていた。
「私は、土井先生ではない」
しかし、まるで冷水を叩きつける様に言い放った言葉は、きり丸くんの表情から色を奪う。希望が砕けた音すら、はっきり聞こえた気がした。
「先生……ぼくの事、分からないの?」
縋るように問うきり丸くんの声は、限界まで細く震えている。
「……、お前など知らぬ」
眉を僅かに下げながらも、天鬼(土井先生)はその冷酷な言葉を投げた。それは、きり丸くんに残されていたほんの僅かな希望を打ち砕くには、充分過ぎる。
(でも…、土井先生なら、そんな事は絶対に言わない)
きり丸くんは言葉を失い、項垂れる。肩はかすかに震え、俯いた顔には、堪えきれない絶望が滲んでいた。
血は繋がっていなくとも、家族の様に慕っていた人が、目の前で自分を否定するーーー、その事実は、あまりに残酷だ。
「あっ、分かった!」
「何? しんベヱ」
そんな中、しんと静まり返ったこの状況に似合わぬ、明るい声を上げたしんベヱくんと乱太郎くん。
「先生は今、ある術をドクタケに使ってるんだよ。敵に自分を信用させた後、突然裏切ってやっつける……」
「あぁ、あったね。確か……手のひら返しの術!!」
「袋返しの術だ!」
不意に、その場に似つかわしくない軽いやり取りが飛び出す。
二人の言葉に反応して、言い放った一言。それは“先生”としての記憶の断片。あまりにも微細な、けれど確かに“先生"の輪郭だった。
「天鬼! こいつらの言葉に、耳を貸すな!」
それには、稗田八方斎も想定外の行動の様であったのか、慌てた様子で天鬼(土井先生)に声を掛ける。
「えー? そうでしたっけ?」
「それは聞いた事、ないような……そうか! まだ習ってないんだ!!」
「教えた筈だ!」
ぽつりと落ちた言葉。それは明らかに、天鬼の口調ではなく、"先生”の口癖。またしても、一年は組の授業中、放課後での三人と土井先生の会話劇の模倣が繰り広げられた。
「うっ……!」
すると、天鬼(土井先生)は腹部に痛みを感じ始めたのか、手を当てる。その光景もまた、忍術学園の関係者からしたら、見覚えがある。
「どうした! 天鬼!」
「急に胃が……っ!」
腹部を押さえる手が、微かに震えている。奥底に眠る"先生"が、肉体を通して訴えかけているのではないかと、錯覚してしまう。
「しっかりしろ! こいつらを斬れば、その痛みも無くなる!」
耳元で何か囁かれ、天鬼(土井先生)の瞳に、新たに赤茶色が歪に彩られた。感情を押し込めた無の表情を取り繕い太刀を構えると、乱太郎くん・きり丸くん・しんベヱくん・わたしに、太刀の先端を向けてきた。
(……、…………)
わたしは、稗田八方斎の掌の上に乗せられ、彼から伝達される命令のみで行動する天鬼の姿に、悶々と胸を苛んでいた思いが、じわじわと輪郭を持ち始めていく。
「己の命より、銭大事!」
突然、きり丸くんが言い放った言葉。それは、土井先生が怒鳴りつけている光景を見かけた事があり、それに呼応するかの様に、天鬼の動きが止まった。
「バイト一番、宿題二番!」
「テストの点数、目の検査!」
「予習、何それ美味しいの?」
乱太郎くんとしんベヱくんも、きり丸くんに続いて、土井先生ならば、怒声を発するだろう言葉を羅列していく。次々に放たれる三人の言葉は、まるで呪文のように、土井先生の記憶の断片を呼び起こそうとしていた。
そしてそれは、間違いなく届いていた。襲いかかる胃痛に耐えようと、手から伝わる僅かな震え。胃を押さえるその仕草ーーー、それは、私たちが知っている“先生”その人の証だった。
「天鬼! 忍術学園の、卑劣な手段に負けるな!」
稗田八方斎の怒号が飛び、天鬼は太刀を握る手に再び力を込める。揺れかけた意思をねじ伏せ、刃先をこちらへと向ける。
(……あぁ、そうか………、天鬼は…、この人も………)
先程から抱いていた悶々とした思いの正体が、わたしはようやく理解出来た。まさか、それが自分の命日で分かるだなんて。
「掴んだ銭は、離しません!」
「四里先の銭落つる音!」
「スペシャル雑炊、バッタ入り!」
「卵売るときゃ、烏骨鶏!」
「手裏剣は、勿体なくて打てません!!」
「まきびしは、勿体なくて巻けません!!」
「地獄の沙汰も銭次第!!」
「だけど払ってたまるか、六文銭!!」
きり丸くんの叫びは、魂を削るような声だった。目尻には涙が滲み、声は掠れ、それでも彼は叫び続ける。そこにあるのは、哀願でも、説得でもない。ただひたすら、眠りについている“先生”が再び、目覚めるのを信じ抜く強さだけ。
それとは対称的に、依然として治まる事の無い胃痛に抗い、天鬼は自らの首領である稗田八方斎の命に背く訳にはいかないと、必死の思いで太刀を下ろそうとする。
『貴方も、空っぽで寂しいんだね』
言葉は静かに、自分でも気づかぬほど深い傷を、そっと撫でるような声。かつての自分にも向けられた、癒しと告白を天鬼に向けていた。
『誰にも肯定されなくて、異質な存在って思われるのは、辛いよね』
「何を言っておる、この女は! 天鬼! そやつの言葉に、惑わされるのではない!」
その時、部屋の入口から気配を感じ取った。それも、忍術学園で馴染みのある、あの方だ。
「半助!」
「土井先生!!」
山田先生が放った鉛玉が天鬼に向かって飛ばされ、それと同時に、柵の外から潮江くん・立花くん・中在家くん・七松くんの四人が声を張り上げ、土井先生の名を呼び掛ける。
「忍術学園を斬り捨てよーーーっっ!!」
稗田八方斎の声が、高らかに響いた。
天鬼は、空いている片方の手で頭を抑えながら、ゆらゆらと太刀を空中で動かしているのみ。
『でもね、貴方はここで消えて。本当の帰るべき場所に、待っている子が居るから』
隠し持っていた錣で、両手首を拘束していた縄を解いていく。黒色のスカートのポケット部分に手を差し込む。そこにしまわれた、"とっておきの秘密兵器"を取り出した。
「………ッッ!?」
わたしが掲げた小さな物体を見て、天鬼の目が大きく見開かれ、怯んだ。それは、昔の彼がかつて、練り物の"はんぺん”と間違えた、"すまあとほん"。
怯みの隙を見逃さず、"すまあとほん"を宙へと放り投げた。そして、片足を思いきり上へと上げて、天鬼にめがけて蹴り上げていく。
(届け……っ!)
"狙いを定めた物を必ず命中またはその方角通りに投げられる"……、忍術学園で得られた自身の力を今、自分の命日にて発揮出来たなんて。
(わたしの命をもって、忍術学園に……きり丸くんの元に……、土井先生が帰って来て下さい。もうきり丸くんを……、悲しませないで下さい)
自らの元へ飛ばされた"すまあとほん"を、太刀で弾き返そうとした天鬼。
(えっ……!?)
しかし、突如として、"すまあとほん"に大量の光の粒子が集まり出した。何事かと思った次の瞬間、ぱりんと小さく割れた音が聞こえ、わたしの意識が闇に飲まれようとしていく。
ーーー先生……、一緒に帰ろう……っ
きり丸くんの、土井先生の帰りを待つ言葉が耳に残ると、そこでぷつりと意識が途切れ、暗闇のみが目の前に広がっていた。
.
根城の広間は、岩壁に囲まれた閉ざされた空間であった。天井の高みには無数の蝋燭が灯され、風の通らぬその場所では炎が不気味なまでに静止していた。
まるで囚人をあざ笑う舞台の照明の様にーーー、乱太郎くん、きり丸くん、しんベヱくん、わたしの顔を晒し出す。
(この人が……、………)
わたし達四人は、この広間の真ん中に並ばされている。縄で縛られ、後ろ手にも拘束されていた。その中で、わたしは隠し持っている忍者の必需品の一つ、錣を使う場面を見計らっている。
「この三人を斬れ」
平時とは異なり、冷酷を身に纏った稗田八方斎の隣には、ドクタケ忍者隊の軍師だという、天鬼(土井先生)の姿もあった。感情を殺しているのに、目だけが異様に研ぎ澄まされ、何かを探る様に見据えている。
「その隣に居る女もだ」
冷徹に下された言葉に、部屋の空気が軋む。天鬼(土井先生)は一歩、音もなく前へ出てくるも、その動きには人間らしい逡巡が見られない。
「こんな子供に、女子を……?」
どうやら、無関係と思わしき子供や女子相手を斬首する行為に、躊躇いを見せている様だ。
「このガキンチョ共と女は、忍術学園の手の者だぞ」
その一言が、呪詛のよう。"忍術学園”という音だけが、彼の奥深くに響いたのだろうか。天鬼(土井先生)の目に、一瞬だけ微かな揺らぎが走る。それは冷たい硝子に浮かぶ、一筋の熱。
「土井先生!」
「ここで、何やってるんですか!」
乱太郎くんとしんベヱくんの必死の呼びかけが木霊するが、何の反応も返ってこない。
「やっと……会えた………っ」
絞り出すように、きり丸くんが呟いた。揺れる視線の先には、ようやく見つけた土井先生の姿がある。その目を潤み、声を震わせていた。
「私は、土井先生ではない」
しかし、まるで冷水を叩きつける様に言い放った言葉は、きり丸くんの表情から色を奪う。希望が砕けた音すら、はっきり聞こえた気がした。
「先生……ぼくの事、分からないの?」
縋るように問うきり丸くんの声は、限界まで細く震えている。
「……、お前など知らぬ」
眉を僅かに下げながらも、天鬼(土井先生)はその冷酷な言葉を投げた。それは、きり丸くんに残されていたほんの僅かな希望を打ち砕くには、充分過ぎる。
(でも…、土井先生なら、そんな事は絶対に言わない)
きり丸くんは言葉を失い、項垂れる。肩はかすかに震え、俯いた顔には、堪えきれない絶望が滲んでいた。
血は繋がっていなくとも、家族の様に慕っていた人が、目の前で自分を否定するーーー、その事実は、あまりに残酷だ。
「あっ、分かった!」
「何? しんベヱ」
そんな中、しんと静まり返ったこの状況に似合わぬ、明るい声を上げたしんベヱくんと乱太郎くん。
「先生は今、ある術をドクタケに使ってるんだよ。敵に自分を信用させた後、突然裏切ってやっつける……」
「あぁ、あったね。確か……手のひら返しの術!!」
「袋返しの術だ!」
不意に、その場に似つかわしくない軽いやり取りが飛び出す。
二人の言葉に反応して、言い放った一言。それは“先生”としての記憶の断片。あまりにも微細な、けれど確かに“先生"の輪郭だった。
「天鬼! こいつらの言葉に、耳を貸すな!」
それには、稗田八方斎も想定外の行動の様であったのか、慌てた様子で天鬼(土井先生)に声を掛ける。
「えー? そうでしたっけ?」
「それは聞いた事、ないような……そうか! まだ習ってないんだ!!」
「教えた筈だ!」
ぽつりと落ちた言葉。それは明らかに、天鬼の口調ではなく、"先生”の口癖。またしても、一年は組の授業中、放課後での三人と土井先生の会話劇の模倣が繰り広げられた。
「うっ……!」
すると、天鬼(土井先生)は腹部に痛みを感じ始めたのか、手を当てる。その光景もまた、忍術学園の関係者からしたら、見覚えがある。
「どうした! 天鬼!」
「急に胃が……っ!」
腹部を押さえる手が、微かに震えている。奥底に眠る"先生"が、肉体を通して訴えかけているのではないかと、錯覚してしまう。
「しっかりしろ! こいつらを斬れば、その痛みも無くなる!」
耳元で何か囁かれ、天鬼(土井先生)の瞳に、新たに赤茶色が歪に彩られた。感情を押し込めた無の表情を取り繕い太刀を構えると、乱太郎くん・きり丸くん・しんベヱくん・わたしに、太刀の先端を向けてきた。
(……、…………)
わたしは、稗田八方斎の掌の上に乗せられ、彼から伝達される命令のみで行動する天鬼の姿に、悶々と胸を苛んでいた思いが、じわじわと輪郭を持ち始めていく。
「己の命より、銭大事!」
突然、きり丸くんが言い放った言葉。それは、土井先生が怒鳴りつけている光景を見かけた事があり、それに呼応するかの様に、天鬼の動きが止まった。
「バイト一番、宿題二番!」
「テストの点数、目の検査!」
「予習、何それ美味しいの?」
乱太郎くんとしんベヱくんも、きり丸くんに続いて、土井先生ならば、怒声を発するだろう言葉を羅列していく。次々に放たれる三人の言葉は、まるで呪文のように、土井先生の記憶の断片を呼び起こそうとしていた。
そしてそれは、間違いなく届いていた。襲いかかる胃痛に耐えようと、手から伝わる僅かな震え。胃を押さえるその仕草ーーー、それは、私たちが知っている“先生”その人の証だった。
「天鬼! 忍術学園の、卑劣な手段に負けるな!」
稗田八方斎の怒号が飛び、天鬼は太刀を握る手に再び力を込める。揺れかけた意思をねじ伏せ、刃先をこちらへと向ける。
(……あぁ、そうか………、天鬼は…、この人も………)
先程から抱いていた悶々とした思いの正体が、わたしはようやく理解出来た。まさか、それが自分の命日で分かるだなんて。
「掴んだ銭は、離しません!」
「四里先の銭落つる音!」
「スペシャル雑炊、バッタ入り!」
「卵売るときゃ、烏骨鶏!」
「手裏剣は、勿体なくて打てません!!」
「まきびしは、勿体なくて巻けません!!」
「地獄の沙汰も銭次第!!」
「だけど払ってたまるか、六文銭!!」
きり丸くんの叫びは、魂を削るような声だった。目尻には涙が滲み、声は掠れ、それでも彼は叫び続ける。そこにあるのは、哀願でも、説得でもない。ただひたすら、眠りについている“先生”が再び、目覚めるのを信じ抜く強さだけ。
それとは対称的に、依然として治まる事の無い胃痛に抗い、天鬼は自らの首領である稗田八方斎の命に背く訳にはいかないと、必死の思いで太刀を下ろそうとする。
『貴方も、空っぽで寂しいんだね』
言葉は静かに、自分でも気づかぬほど深い傷を、そっと撫でるような声。かつての自分にも向けられた、癒しと告白を天鬼に向けていた。
『誰にも肯定されなくて、異質な存在って思われるのは、辛いよね』
「何を言っておる、この女は! 天鬼! そやつの言葉に、惑わされるのではない!」
その時、部屋の入口から気配を感じ取った。それも、忍術学園で馴染みのある、あの方だ。
「半助!」
「土井先生!!」
山田先生が放った鉛玉が天鬼に向かって飛ばされ、それと同時に、柵の外から潮江くん・立花くん・中在家くん・七松くんの四人が声を張り上げ、土井先生の名を呼び掛ける。
「忍術学園を斬り捨てよーーーっっ!!」
稗田八方斎の声が、高らかに響いた。
天鬼は、空いている片方の手で頭を抑えながら、ゆらゆらと太刀を空中で動かしているのみ。
『でもね、貴方はここで消えて。本当の帰るべき場所に、待っている子が居るから』
隠し持っていた錣で、両手首を拘束していた縄を解いていく。黒色のスカートのポケット部分に手を差し込む。そこにしまわれた、"とっておきの秘密兵器"を取り出した。
「………ッッ!?」
わたしが掲げた小さな物体を見て、天鬼の目が大きく見開かれ、怯んだ。それは、昔の彼がかつて、練り物の"はんぺん”と間違えた、"すまあとほん"。
怯みの隙を見逃さず、"すまあとほん"を宙へと放り投げた。そして、片足を思いきり上へと上げて、天鬼にめがけて蹴り上げていく。
(届け……っ!)
"狙いを定めた物を必ず命中またはその方角通りに投げられる"……、忍術学園で得られた自身の力を今、自分の命日にて発揮出来たなんて。
(わたしの命をもって、忍術学園に……きり丸くんの元に……、土井先生が帰って来て下さい。もうきり丸くんを……、悲しませないで下さい)
自らの元へ飛ばされた"すまあとほん"を、太刀で弾き返そうとした天鬼。
(えっ……!?)
しかし、突如として、"すまあとほん"に大量の光の粒子が集まり出した。何事かと思った次の瞬間、ぱりんと小さく割れた音が聞こえ、わたしの意識が闇に飲まれようとしていく。
ーーー先生……、一緒に帰ろう……っ
きり丸くんの、土井先生の帰りを待つ言葉が耳に残ると、そこでぷつりと意識が途切れ、暗闇のみが目の前に広がっていた。
.
