短編

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◆自分以外に、良い人が居るのではないかと色々考えた[#da=1#]とそんな事を知る由もないヨッシーの話。
◆[#da=1#]のヨッシーに対する態度が、自分勝手だと思われる描写が見られます。
◆前編は全年齢対象ですが、後編はR18指定となるので、そちらはR指定短編集に掲載します。









ヨッシーがキノコ王国に来てから、数ヶ月もの月日が経った。


始めは、城下町で売られている食べ物を長い舌で取って、食べてしまう事も珍しくなかった。その度に、[#da=1#]がヨッシーの頭を無理やり下げて、店主のキノピオに謝罪し、金を支払う事もザラにあった。他にも、キノピオ達の頭部が食べられるか噛み付こうとする事もあり、マリオとルイージの三人がかりで止めに入る光景も見られた。

しかし、キノコ王国での生活に慣れたヨッシーも街中を歩けば、キノピオ達から声を掛けられる事も増え、談笑している姿も増えていた。





「ヨッシーさん、最初はちょっと怖いと思ってたけど……話してみると、意外と面白いよね」
「うんうん。オマケに強くて、クッパの手下達も一口で食べちゃうから、マリオさん達みたいに頼りになるしね」


日用品の買い物をしに、城下町に出かけていた[#da=1#]は偶然、キノピオ達がヨッシーの話題に触れていたのを聞いてしまった。


「[#da=1#]さんの事が好きみたいだけど……、他の人は気にならないのかな?」


悪気なくそう言ったキノピオの言葉に、[#da=1#]はチクリと胸に棘が刺さった。[#da=1#]は人間であり、ヨッシーは恐竜(またはカメ族)。異種間恋愛もこの世界では珍しくない事だが、否定派が混じっているのも事実であった。

[#da=1#]はキノピオ達に見つからない様にと、城下町を抜けて自宅への岐路を辿っていく。









(確かに恐竜ランドから、キノコ王国にやって来たヨッシーも……、色々な人と関わる事が増えてきたなぁ………、他の女の子とも)


恐竜ランドに住んでいた頃は、観光客もほとんど来ない事もあり、人間の女の子に「可愛い」と言われるのは珍しいと言われた事を思い出した。

ピーチ姫を救出する旅の序盤で、[#da=1#]がヨッシーに「可愛い」と言われた事をきっかけに、好意を持たれたが___、それはあくまで、そういった状況下で居たからこそ、好意を持ち出したのではないかと[#da=1#]は考えた。



[#da=1#]の脳裏に、ヨッシーの姿が現れると____、隣には人間でない別の種族の女の子も一緒に居て、仲睦まじい様子を隠すこと無く見せつけていた。



"実は、わたし……[#da=1#]さんよりも好きな人が出来たんです。だから、[#da=1#]さんとは今日でお別れします。あっ……、でも、冒険とかには、前と変わらず同行させて貰いますね"
"わたしが、[#da=1#]さんよりもヨッシーさんを幸せにしてみせますね♡"



(うぅ……、胸が痛いしモヤモヤする………けど、わたしよりも可愛い子はごまんと居るし、それに強い子だって………、……………)











「[#da=1#]さん。今度は、いつお休みなんですか?」



リビングにて、いつもの様に夕飯を食べていたヨッシーが[#da=1#]に声を掛けた。


『ん? そうだな〜……、しばらくは、町の手伝いとかが入ってるからなぁ……、どうして?』


[#da=1#]は、数週間先までの自身のスケジュールを確認してから、ヨッシーに問いかけた。


「最近は、クッパがピーチ姫を攫いに来る事もないし、ゆっくり出来る時に……、二人でお出かけしたいなぁって思っていたんです」


ヨッシーはニッコリと笑顔を浮かべ、頬を赤く染めていくとモジモジとしている様子でいた。[#da=1#]がスケジュールの関係上、すぐには二人で出掛けるのは難しいと思っていた時___、ある考えが浮かんだ。


『友達と一緒に行けば、良いんじゃない?』
「へっ?」
『ヨッシーもキノコ王国に来てから、マリオ達以外にも仲の良い人が出来た感じだしさ。良かったら、わたしの分も楽しんできてよ』
「そ……、それも、そうですね………」


友人を遊びに誘ってもいいのではないかとそれっぽい理由を[#da=1#]に言われ、ヨッシーは同意せざるを得ない雰囲気に持ち込まれてしまう。



(ごめんね、ヨッシー。わたしやマリオ達以外の人とも、関わりを持って欲しいのもあるし……、もっと良い人が居るかもしれないからさ)



[#da=1#]は心の中で、自分の都合の良い様にそう唱えていた。だが、時間が経ってから___、それがただの言い訳であると、自虐するのであった。











数日後、ヨッシーは友達のキノピオ達と共にハイキングに出掛けた。

荷物を抱えて、家を出ていくヨッシーを見届けた[#da=1#]も仕事先へ向かう為に____、クローゼットに隠していたキャリーケースを取り出した。





家を出て、城下町を抜けた先のキノコステーションに到着すると___、待ち合わせ場所には、マリオとルイージの二人が立っていた。


『おーい、マリオー。ルイージ』
「おぉ、やっと来たか」
「珍しく遅かったね」


[#da=1#]に、名前を呼ばれたマリオとルイージが顔を上げると、声を掛けていく。


『ちょっと、準備に時間が掛かっちゃって……』
「あれだろ? ヨッシーがハイキングに行くとか言ってたから、その準備の事か」
「そういえば、今日はキノコ山に出掛けるって言ってたね」


事前に、ヨッシーからハイキングに出掛ける事を伝えられていた二人は、それとなく話題を[#da=1#]に提供していった。


「アイツ、[#da=1#]とハイキングに行きたいって言ってたのに……、お前、おれ達の仕事の手伝いに行って良いのかよ」
『ヨッシーも友達が出来たんだし、せっかくならもっと親交を深めればって思ってさ』
「[#da=1#]がそれなら良いけど……、マメーリア王国の仕事、一週間近くこっちに戻って来れないんだよ? ちゃんとヨッシーに伝えた?」
『うん。ちゃんと伝えたよ』



置き手紙を書いて、どこに行ったかは伏せておいたけど_____、と、までは幼馴染の二人相手でも伝える事は出来なかった。



「兄さん、[#da=1#]。列車が来たよ」
「お前ら、忘れ物は無いな? 弁当とか遊び道具とか……」
『遊びに行くんじゃないんだからっ』











マリオ達が、マメーリア王国行きの列車に乗車していた頃____、ヨッシーとキノピオ達はキノコ山の頂上に辿り着いていた。



「わ〜〜! てっぺんからの景色は、絶景ですね〜〜!」


ヨッシーは展望台に向かうと、小さく見えていたピーチ城をはじめに、城下町やマリオ兄弟ブラザーズも[#da=1#]の家を一望出来た。


「ヨッシー、ボクらを誘ってくれてありがとね」
「久しぶりに登山出来て、わたしも楽しいわ」


あかキノピオとキノピコに感謝の言葉を述べられると、ヨッシーは満更でもない様子で笑顔を見せた。


「いや〜……、キノピオさん達とも、一緒に出掛けるのも良いなと思いまして………」



[#da=1#]さんから、そう言われたんですけどね____、と、さすがのヨッシーもデリカシーのない発言をする事はなかった。


「せっかくだし、ここでお昼を食べようよ」


あおキノピオの提案に、一番に賛成の意を示したのはヨッシーであった。


レジャーシートを敷いていき、キノピオ達はリュックサックから弁当箱を取り出していく。蓋を開けると、それぞれの個性が溢れた色とりどりのおかずが入っており、ヨッシーは涎を垂らしていた。


「ヨッシーは、何を持ってきたの?」


あかキノピオが問いかけると、ヨッシーは___、リュックサックに詰めていた巨大サイズの具沢山のおにぎりを取り出した。


「特製スペシャルおにぎりですよ♪」
「いや、デカすぎ! よくリュックサックに入ったね!」


おにぎりのサイズに圧倒されたあおキノピオは、ヨッシーにツッコミを入れた。



「ヨッシー、[#da=1#]さんとは上手くいってるの?」



他人の恋愛話が好きなキノピコは、ヨッシーと[#da=1#]の関係について興味が湧いていた為に、ヨッシー本人に話を聞こうとしていた。


「勿論ですよ♡ 毎日、一緒にご飯を食べて、一緒のベッドで寝てますもん。時々、お風呂も一緒に入ったりも……♡」
「きゃ〜! すっごいラブラブじゃない!」


ヨッシーが笑顔を浮かべながら、嘘偽りなく話していくと、キノピコは黄色い声を上げ、両頬に手を当てて興奮していた。


「でも、しばらく離れ離れだと寂しくない?」
「ん? 離れ離れって……何の事ですか?」
「あれ、知らないの?」


あかキノピオの言葉に、キョトンとしていたヨッシーを見て、おおキノピオが思わず声を掛けた。



「[#da=1#]さん……しばらくの間は、仕事でキノコ王国を離れるんじゃないの?」
(………は?)



あおキノピオからそう言われると、ヨッシーの動きが止まり、食べ途中のおにぎりが口から零れていく。普段ならば、3秒ルールと言い切って意地汚く食べる事もあるのだが、ヨッシーはそれをしなかった。


キノピオ達の視線が自分に向けられていた事に気がつくと___、ヨッシーは違和感が無いように、いつもの調子で話し出した。


「あ……、あぁ、それですか!勿論、わたしも知ってましたよ! ご飯の事で、頭がいっぱいになっていましたから、つい………」
「ヨッシーは色恋より、食い意地が凄いね」


あかキノピオは汗を垂らして呆れた様子で、ヨッシーにツッコミを入れた。だが、ヨッシーはそれに対して言い返す事はない。モグモグとおにぎりを食べながら、先程のあおキノピコの発言が頭の中で何度も繰り返されていた。



(仕事があるってのは、聞いてましたけど………、キノコ王国の外だなんて聞いてません! [#da=1#]さん……言い忘れてたのかなぁ?)










夕方となり、空の色も茜色へと変わっていた。キノコ山を下山したヨッシー達は、城下町へと戻ってから解散し、自分達の家へと帰っていく。


ヨッシーも同じく、[#da=1#]の家へと向かう為に城下町の外れの道を通っていく。


自宅前に到着したヨッシーだが、部屋の灯りは灯されていない事が分かると、しょんぼりとした。


「[#da=1#]さん……、ホントに、キノコ王国の外まで出掛けちゃったんですね………」


鍵が空いているはずもなく、郵便ポストの中に入っている予備の鍵を取り出して、ヨッシーは玄関の扉を開けていく。



ヨッシーが部屋の灯りを付けていくと、テーブルに____、一枚の置き手紙が置かれていたのを発見した。




"一週間近く、仕事で家を留守にします。前もって言わないで、ごめんなさい。マリオとルイージが一緒だから、何も心配いらないです。 もし何かあれば、ピーチ姫やキノピコちゃんの所に行って、ご飯を食べさせて貰ってね [#da=1#]"




(な、何ですか……これ………、いつもなら、前もって伝えてくれる筈なのに……マリオさんとルイージさんが居るって言っても……いくら幼馴染の二人でも、男の人なのは変わりないのに………、けど、何でピーチ姫とキノピコさんの名前が?)




手紙を読み進めていく内に、プルプルと手が震えていたヨッシーであったが、文末にピーチ姫とキノピコの名前が出された事を不思議に思った。

食事を取るなら、果物やクリボーやノコノコといって敵キャラでも充分であるのは、[#da=1#]も知っている事だった。それなのに、わざわざ名指しで女性の名前しか記載されていない………、そこまで考えた時、ここ最近の[#da=1#]の不審な行動が今になって脳裏に浮かぶ。




"重そうな荷物ですね。わたしも一緒に運びますよ"
"ううん、大丈夫。ヨッシーのその優しさは……、わたしより、他の人の為に使ってあげて"


"[#da=1#]さ〜ん、おやすみのちゅーを……"
"ごめんね……、明日も早いから、もう寝たくて……それに毎日、無理してキスしなくても大丈夫だよ"


"今日、キノピオさん達をイジめてたノコノコ達をやっつけたんです!"
"へぇ〜……、ヨッシーは、カッコイイね。みんなにモテモテになっちゃうね"
"わたしは、[#da=1#]さんだけにモテモテで充分ですよ?"
"………、ヨッシーのカッコイイ所、気づいてくれる人は、わたし以外にも居るよ"





[#da=1#]との会話は、どこか噛み合わない部分があった。自分が欲しい答えを一切、話してくれない。まるで、自分から遠ざけている様な………、その理由が、手紙に女性の名前だけが書かれていた事とリンクしていくと、ヨッシーはクシャリ…、と、音を立て、手紙の端を強く握っていた。









一週間が経ち、マリオ達はマメーリア王国での仕事を終えてから_____、キノコ王国行きの列車に乗車し、のんびりと過していた。


「いや〜、今回も報酬貰えたね」
「ホントホント、こんなにマメがいっぱい……、って、これはキノコ王国じゃ使えねーんだよ!」


ルイージが笑顔を浮かべていた中、マリオは袋に詰め込まれたマメを見ながら、ノリツッコミを披露した。


「ヨッシーも一週間ぶりに[#da=1#]と会えて、嬉しいだろうね」


二人のボケとツッコミに笑っていた[#da=1#]は、ルイージが何気なく言い放った言葉を耳にすると、自然な笑みが引き攣った笑みへと変わっていく。


「なんだよ。あんまり嬉しそうじゃねーな」
『そ、そんな事ないよ。ほら、マメが沢山あるから、ヨッシー食べちゃうかもしんないし……』
「マメなら、いくらでも食べさせてやるよ」


[#da=1#]が、いつもの調子を取り繕いながら言うと、マリオはマメが入った袋を取り出し、笑顔でそう言った。



(あの置き手紙、見てくれたかな……、まぁ、ヨッシーなら大して気にしてないだろうし、いつもと変わらずに過ごしてたんだろうなぁ……)



ヨッシーから離れる為に、マメーリア王国で仕事をしていた[#da=1#]であったが___、オフ時になると、どうしてもヨッシーの事が頭から離れなかったのである。自分で蒔いた種に苦しむ羽目となり、自業自得であるとは[#da=1#]も自覚していた。

列車がキノコステーションに停車すると、マリオ達は荷物を纏めて、ホームへと降りていく。





改札口を抜けていくと___、マリオはある人物の姿を見つけて、声を上げた。



「あっ、ヨッシーじゃん!」



マリオの言葉を聞いた[#da=1#]は、ビクッと肩を震わせてから、マリオの視線の先に居る人物をゆっくりと見た。



「皆さん、おかえりなさい!」



マメーリア王国から帰ってきた三人を出迎えたヨッシーは、いつもと変わらないニコニコとした笑顔を見せてから、挨拶の言葉を述べた。


「ヨッシー、おれ達が居なくて寂しかったんだろ」
「そりゃあ、いつものメンバーが居ないとなっちゃ、お腹が空いて空いて……」
「その割には、凄い元気そうだね」


マリオとルイージがヨッシーと会話していた中に、[#da=1#]は自然に入る事が出来なかった。


何を話せば良いんだ……、そう思っていた時___、ヨッシーの手が伸びてきた。


「じゃあ、わたしは[#da=1#]さんと一緒に帰りますね!」
「おぉ、気をつけてな」
「[#da=1#]もゆっくり休んでね」
『う、うん! またね!』


強引に手を繋がれた[#da=1#]は、マリオとルイージに挨拶をしてから、自宅へ帰る為に歩き出していく。



「今回のお仕事は、どうだったんですか?」
『へ?』



正面を向いて歩いたまま、ヨッシーは[#da=1#]に声を掛けてきた。置き手紙の事を触れてくるかと思った[#da=1#]は、拍子抜けしたものの、質問に答える為に口を開いた。


『い、いっぱい報酬貰えたよ』
「そうなんですね。あっ、手紙もちゃんと見ましたよ」
『見てくれたんだね……』
「ハイキングから帰ってきたら、ビックリしちゃいましたもん」


何ら変わらない日常会話を交わしている筈であったが、[#da=1#]は、ぎこちない返事しか出来なかった。



城下町を抜けて、町の外れへと移動していくと___、ヨッシーの手を握る力が強くなった事に、[#da=1#]は気がついた。


『あの、ヨッシー……』
「どうしたんですか?」
『手紙にも書いたけど……、ごめんね。何も言わないで、留守にして』
「別にいいですよ。わたし、それは全然気にしてませんから。伝え忘れちゃう事ぐらい、ありますもん」
『それと……、家に着いたら、話したい事があって』
「わぁ、奇遇ですね! 実は、わたしも[#da=1#]さんに話したい事があったんですよ!、……、あっ、お話してたら着いちゃいましたね」


こちらを一切見ずに話し続けていたヨッシーに、[#da=1#]は違和感と少しばかりの恐怖を覚えた。そんな[#da=1#]の心中を知ってか知らずか、いつもと変わらぬ穏やかな口調で、家に着いた事を告げると、ヨッシーは郵便ポストから鍵を取り出し、玄関を開けていく。


「荷物もありますし、[#da=1#]さんから先に入って下さい」


手が離されると、握られていた箇所に赤みが残っていた事に[#da=1#]は気がついた。ヨッシーがジッとこちらを見ているのが分かると、[#da=1#]は一週間ぶりに玄関を潜り、靴を脱いでいく。




[#da=1#]の背後に佇んでいたヨッシーも、[#da=1#]の家へと足を踏み入れてから_____、キキィ…、と、音を立てて、玄関の扉を閉めていく。


衣類や報酬品の入ったキャリーケースを一旦、壁に立て掛けると、[#da=1#]は自身が書いた置き手紙がテーブル上に置かれたままであるのを発見した。


(これ、もう置いとかなくてもいいのに……、…………あっ)


ゴミ箱に丸めて捨ててもいいのに……、と、思っていた[#da=1#]であったが、端の部分に折り目が出来ていたのを発見した。それも偶然出来たものでなく、明らかに力を込めて握らないと生まれないものであった。



「[#da=1#]さん」



折り目の付いた手紙の端を見つめていた[#da=1#]は、ヨッシーに声を掛けられ、現実に引き戻された。




ゴクン…、と、唾を飲み込んでから、ヨッシーの方へと振り向いた[#da=1#]は____、目の前に、青色の渦巻き模様のアイテムが突き出されていた。

ヨッシーが持っていると分かってすぐ、[#da=1#]の視界がぐにゃり、と歪んだ。勢いよく床に倒れ込むかと思われたが、ヨッシーが[#da=1#]の体を受け止め、ケガを負わずに済んだ。


(は……ぇ……?、な、なに………すごい、めが……、ぐるぐる、して…………)


視界が上手く定まらずに、脳みそをスプーンでぐちゃぐちゃに掻き回されているのかと錯覚した[#da=1#]であったが____、実際は、ヨッシーが戦闘用アイテムの"グルグルめまわし"を[#da=1#]相手に使用したのであった。


「ちょっと強引でしたけど、こうでもしないと……、[#da=1#]さんが暴れるかもしれませんからね」


ヨッシーに抱き抱えられ、そう言われたものの、今の[#da=1#]には言葉も上手く聞き取れず、問いかける事すら出来なかった。抵抗出来ない[#da=1#]を連れて、ヨッシーは灯りの灯されていない階段を登っていく。





寝室に入ると、"グルグルめまわし"の効果が薄まり、[#da=1#]の意識が戻りつつあったが_____、ベッドの上や床の至る所に、[#da=1#]の衣類がクシャクシャになり、乱雑に置かれていた有り様を見て、[#da=1#]は言葉を失った。



「さぁ、お話しましょ」



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