短編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
.
◆単行本24巻「ヨッシー先輩の里帰り!!」より
◆ヨッシーストーリー編後/前編ギャグのみ
◆メタ発言あり。苦手な方はブラウザバック推奨。また、"ヨッシーストーリー編"ネタが出てきます。
※ちびヨッシーズの簡単な設定紹介
みどり:しっかり者のリーダー
あか:熱血漢だが、短気。
あお:クールな皮肉屋。
みずいろ:お利口で、発明が得意。
きいろ:一番の大ボケ。心優しい
ピンク:女の子の心を持っている。
・
キノコ王国は、今日もいつも通りの朝を迎えていた。町の外れに住んでいる🌸は玄関の扉を開けて外に出ると、腕を伸ばして日光を浴びる。
「お届け物で〜す」
空上から声が聞こえてから顔を上げると____、キノコ王国で郵便配達員として働いているパレッタの姿が見えた。"マリオストーリー編"において、マリオの仲間として冒険に同行したパタパタでもある。
『あ、パレッタちゃん。おはよ〜」
「おはようございます。🌸さん宛に、手紙をお届けに参りました〜」
パレッタは肩に掛けていた鞄から手紙を出すかと思いきや、🌸宛のメッセージボトルを取り出した。
『え、何これ?』
「メッセージボトルです」
『見りゃ分かるよ! 何でこんな形で……?』
瓶の中には、一通のボトルメールが入っていた。しかし、紙はどことなく湿っていた様で、端の部分はヘロヘロの状態となっている。
「ヨッシーアイランドに住んでいるちびヨッシーさん達からです。ポストが無いから、海を渡ってここまで届いたみたいです」
『いや、凄いね! よく届いたなぁ!』
メッセージボトルか漂流する事無く、キノコ王国に届いた事により🌸はツッコミを入れつつ、感服している様子であった。
手紙を渡したパレッタは、次の届け先に向かう為に羽を広げて、キノコ王国の方角へと飛んでいく。
🌸もリビングに戻り、メッセージボトルに入っていた手紙を取り出した。
"🌸さんへ ヨッシーアイランド招待券"
"お久しぶりです、お元気ですか?もし良かったら、ヨッシーアイランドに遊びに来て下さい。みんな🌸さんに会いたがっています。(手紙を書いたのは、みどりヨッシーだよ)
T.C.Y みどり あか きいろ ピンク みずいろ あお
(みどりとみずいろの字は読みやすくてキレイに書けてるね……、あかの字は誰よりも大きいなぁ……、きいろは何て書いてるか上手く読めないし……、ピンクはまる文字を使いこなしてる………、ふふっ、あおってば小さく書いてある)
「そんなにニヤニヤしてて、どうしたんですか?」
リビングに降りてきたヨッシーは、ニヤニヤと笑みを浮かべながら手紙を読んでいた🌸を見ると、不思議そうな顔をして声を掛ける。
『手紙が届いたの、ヨッシーアイランドに住んでるちびちゃん達から。もし良かったら、遊びに来て下さい……、だって』
「へぇ……、実はわたしも近々、ヨッシーアイランドに帰省しようと思ってたんですよ。美味しいフルーツがいっぱいあって、思い出しただけで……我慢出来ませ〜〜ん!」
『食べないで!』
ヨッシーは、ヨッシーアイランドにある新鮮なフルーツを思い出すと🌸の頭部に噛み付こうとしたが、必死に抵抗された事で未遂に済んだ。
『そしたら、一緒にヨッシーアイランドに行く?』
「えへへっ、そうしましょ。ちびちゃん達にしーっかりと紹介しないといけませんもんね」
("ヨッシーストーリー編"で、マリオがわたしとヨッシーの事はそれとなく言ってくれたからなぁ……今更か)
目的地が同じであり、行くと決まれば🌸とヨッシーは起きて早々に、旅行の準備を始めるのであった。
『ちびちゃん達にも、メッセージボトルで返信しなきゃ♪』
「届くのに、どんだけ掛かると思ってるんですかっ!」
・
キノコ王国から、何度も船を乗り換えて🌸とヨッシーはようやくヨッシーアイランドに到着した。島の中央に聳 える山々はニッコリと笑顔を浮かべ、木々には新鮮なフルーツが実っている。
島に上陸した二人は、T.C.Y が住んでいる家まで、手紙に記載された地図を頼りに向かっていく。
『えーっと……、あった』
「ここですね」
ジャングルの中に小さな一軒家が構えており、玄関の扉には"ちびヨッシーズ"と表札が掲げられていた。
🌸がインターホンを押そうとした時に、待ってください……、と、ヨッシーが声を掛けた。
「何も言わずに飛び込んで、みんなを驚かせてやりましょ」
ヨッシーは悪戯っ子の様な笑みを浮かべると、インターホンを押す事もなく、玄関の扉を思いきり開いた。
「わあっ!!」
「来たぞーーーっ!!」
驚かそうと大声を上げたヨッシーだが、🌸はそれよりもT.C.Y の面々の大声に驚いてしまったのだ。
みどりヨッシーをはじめに、他のちびヨッシー達は出迎える所かハンマーや弓、包丁などの道具でヨッシーに攻撃を仕掛けたのであった。
(えっ……、ど、どういう事??)
騒然たる状況に🌸は言葉を失った。ヨッシーへの攻撃を止めたT.C.Y が🌸に視線を移すと_____、先程の攻撃的な様子から打って代わり、歓迎ムード全開にして走り出していく。
「🌸さんだ!!」
「"ヨッシーストーリー編"ぶりだなー!」
「久しぶりねー!」
「会いたかった〜〜!」
「お久しぶりです! 🌸さん!」
みどりヨッシー、あかヨッシー、ピンクヨッシー、きいろヨッシー、みずいろヨッシーが🌸の周りを囲む様にして集まると、再会を喜ぶ。あおヨッシーは、少し離れた位置に立ち、🌸の姿をジッと見ていた。
『え〜っと……、ちびちゃん達の足元に………』
T.C.Y の面々が、自分達の先輩にあたるヨッシーを踏んでいる状況を目の当たりにして、🌸は素直に再会を喜べずにいた。
「酷い目に遭っちゃったねー」
ボロボロの状態で床に伏せていたヨッシーの元に、きいろヨッシーが歩み寄った。
「きいろ………」
「そんな傷だらけで、どうしたんですか〜〜?」
「アンタ達がやったんでしょーー! わたしは、キミ達よりゲームデビューの早い先輩なんですよ。こういう出迎えはないでしょ」
「わりぃわりぃ」
いきなり攻撃を仕掛けられたヨッシーが苦言を呈すると、あかヨッシーが汗を垂らしながらそう言った。
「ぼくは、てっきりベビィクッパかと思って……」
「リーダーの早とちり」
「最近アイツ、また悪さ始めたのよねー」
「でも、先輩が戻ってきてくれたから心強いです。🌸さんも一緒なら尚更です」
みどりヨッシー、あおヨッシー、ピンクヨッシー、みずいろヨッシーが順番に発言をした中で、🌸は気になる話題を耳にした。だが、歓迎ムードの中で話すべきでないと思うと、この場で口にする事はなかった。
「先輩にこれあげる」
ピンクヨッシーはボールを二つ取り出してから渡すと、ヨッシーは胸の位置にボールをセットした。
「見事なおっぱいですね………って、おっぱいじゃありません!先輩 です!」
「じゃあ、これ」
きいろヨッシーは、先輩の印であるとヨッシーに蝶ネクタイを渡した。それを受け取ったヨッシーは、首元の位置に蝶ネクタイを付ける。
「いいですね。先輩の印」
「カッコイイぞ〜〜。リーダーみたい」
何気ない言い放ったきいろヨッシーの言葉に_____、リーダーである、みどりヨッシーは分かりやすくカチンと来て、苛立ちが芽生え始める。
「リーダーは、ぼくなんだけど……」
「先輩の方が素敵」
「先輩、頼りにしてるぜ」
みどりヨッシーは自分がリーダーである事をアピールするも、ピンクヨッシーとあかヨッシーは、すっかりと先輩のヨッシーを頼りにしている様子を見せる。
それを目の当たりにしたみどりヨッシーは、更に苛立ちが募っていく。
「ヨッシーさん! 急に帰ってきて、あまり先輩面しないで下さい!!」
リーダーという立場を取られたと嫉妬心を露わにしたみどりヨッシーは、先輩に当たるヨッシーに対して当たるも____、当人は、ケロッとした様子で向き合った。
「みどり……先輩面してませんけど」
「思いっきりしてるじゃん!!」
"せんぱい"と書かれたヅラを被って笑顔を浮かべていたヨッシーに対し、みどりヨッシーがツッコミを入れた。
(…………、…………………)
ここまで沈黙を貫いていた🌸は、ヨッシーに対して嫉妬心を見せていたみどりヨッシーに視線を向けた。
「先輩の歓迎会を兼ねて、みんなでお花見に行こうよ」
「いいですね」
「行こう行こう!」
みずいろヨッシーの提案に、ヨッシーとあかヨッシーが賛成の意を示した。
みどりヨッシー以外のちびヨッシー達とヨッシーは、花見に出かける為に家の外へと出ていく。
『みどり』
二人きりになったタイミングを見計らい、🌸がみどりヨッシーに声を掛けた。みどりヨッシーは、ヨッシーに対して露骨な嫉妬心を出してしまったのを🌸に見られたと恥ずかしくなるも、何とか取り繕って向き合うのだった。
『"スーパーしあわせのツリー"を取り戻した後の事とか色々、みどりに教えて貰いたいな』
生まれた時からの付き合いである🌸はT.C.Y の扱いに長けていた。
先輩として頼られているヨッシーでなく、リーダーとして一生懸命に頑張っているみどりに話を聞く事で、嫉妬心を和らげて安心させようという囁 かな目論見 があった。
嫉妬心から不機嫌であったみどりヨッシーも、🌸に頼られたと分かると次第に笑顔を浮かべ始める。
「勿論です! 何から話せばいいかな……」
『ゆっくりで大丈夫だよ』
また🌸自身も、生まれてから別れた時までの成長を見守っていた名残りで、T.C.Y に対しては甘い一面を出してしまうのであった。
・
「____でね、その時にきいろが………、あかが………、なんだよ………」
『みんな、相変わらずなんだね』
"ヨッシーストーリー編"以降の出来事を知らなかった🌸は、みどりヨッシーが楽しそうに話している姿を見ると、つられて楽しくなって笑うのであった。
「🌸さんは、ヨッシーさんの所に行かなくていいの?」
みどりヨッシーは、先頭付近を歩いているヨッシーを見ると眉を下げて、声のトーンが下がった。
『え、何で?』
「だってみんな……、リーダーのぼくより先輩のヨッシーさんに夢中だから。🌸さんもホントは……」
先程の出来事もあり、みどりヨッシーはリーダーとしての立ち位置が危ぶまれていると一人で思っていたのだ。🌸もそれとなくみどりヨッシーの思考を読み取ると、口を開いた。
『わたしは、みんなから招待券を貰ってここに来たんだよ? みんなに会いたかったから。それにアレって……、先輩のヨッシーに初めて会ったから、興奮してるだけなのもあるよ。みどりだって、くろヨッシーに会えた時は夢中になってたでしょ?』
「う、うん………、🌸さんもマリオさんばっかり目立ってたら、やっぱり嫉妬とかするの?」
『うーん……、まぁ最初の頃は、嫉妬する事もあったけどね、今はそれを通り過ぎちゃったかな。主役で目立つだけが全てじゃないし』
あ、キレイな花畑だね……、と🌸が正面を見ながら言い、みどりヨッシーも顔の向きを正面に変えた。
着いた場所には沢山の花畑に囲まれた木々があり、桜が満開であった。木々の下にビニールシートを敷いていき、花見の準備を進めた所で皆は食事を摂り始める。
『ピンクの料理は、やっぱり美味しいよ』
「褒めても何も出ないわよ〜」
「ぼくも作ったですよ〜〜。このおにぎりとか」
『歪な形してるんだけど……、けど、きいろも頑張って作ってくれたんだね』
「🌸さんは、しばらくここに滞在するんですか?」
『うん。でもそんなに長くは居ないかな』
「おっしゃー! だったら、おれと勝負しろよ! 前よりは、強くなったと思うんだ!」
「またズルするんじゃない?」
『だーかーら、あの特訓でズルなんかしてないっての。あかもどれぐらい、強くなったのかなー』
食事を摂りながらも、ちびヨッシー達の相手を器用にこなしている🌸の姿をヨッシーはジッと見ていた。
「おちびちゃん達の相手に慣れてるんですね」
「一緒に旅してただけは、あるからな」
ヨッシーの呟きに、あかヨッシーがそう返答した。かつて、マリオと🌸は絵本の世界に変えられたヨッシーアイランドにて、産まれたばかりのちびヨッシー達と旅をした事がある。卵から孵 った時から、🌸と付き合いのあるちびヨッシー達も、人となりはそれとなく理解していた。
「🌸さんは、ぼく達のお母さんなんだよ〜」
「マリオがパパなのよ」
「あっ……、きいろ、ピンク…………」
きいろヨッシーとピンクヨッシーの発言に、みずいろヨッシーは汗を垂らして言葉を遮ろうとした。
🌸の想い人であるヨッシーの前で、不用意に父母関係の話題を出さない様に配慮していたみずいろヨッシーだが、それも間に合わずにヨッシーの耳は全て聞き取っていたのである。
「へ、……へっ……?🌸さんが……、お母さんで………、マリオさんが………マリオさんがお父さんですかっ!?」
「すげー汗かいてるぜ」
食事を摂りつつも、額を中心に大量の汗をかき始めたヨッシーを見て、あおヨッシーが呟く。
会話の輪に入っていなかったみどりヨッシーは、焦り始めるヨッシーを見つめていた。
(あー……、だから、🌸さんは前にお母さんになってって言われた時に言葉が詰まったんだ)
大好きって言ってたヨッシーさんがこんな反応を見せるんだったら、🌸さんも簡単に自分の頼みに頷くなんて難しかったんだろうなぁ……、と、みどりヨッシーはしみじみと思った。
「でも、🌸さんとヨッシーさんはラブラブなんですよね?」
助け舟として、焦った様子を隠しきれていないみどりヨッシーは先輩にあたるヨッシーに声を掛けた。
「そ、そ……、そうですよ〜〜♡ わたしと🌸さんはラブラブだし、絆も強いんですからね♡ マリオさんなんか目じゃないですよっ。マリオさんには、ピーチ姫が居ますからね〜」
『ヨッシー、食べながら喋んないでって……』
「やだ〜♡ 二人ってば、ホントにラブラブじゃん」
「先輩、🌸にデレデレしてる」
ピンクヨッシーとあおヨッシーは、デレデレの態度を隠さないヨッシーを見ながらそう言った。そんな中、みずいろヨッシーはみどりヨッシーに声を掛けた。
「リーダー、ちょっと大人になった感じだね」
「そうかな?」
「ぼくからはそう見えたよ。なんか余裕がある感じ……、🌸さんの事で悩んでたのが懐かしいね」
「うん……、ぼくは、二人が仲良く居てくれるのが幸せって分かったからね」
みずいろヨッシーの言葉に、みどりヨッシーが笑顔を浮かべて返答すると_____、🌸達の背後にソッと物音を立てない様に移動してきた、ある人物の姿が見えた。
.
◆単行本24巻「ヨッシー先輩の里帰り!!」より
◆ヨッシーストーリー編後/前編ギャグのみ
◆メタ発言あり。苦手な方はブラウザバック推奨。また、"ヨッシーストーリー編"ネタが出てきます。
※ちびヨッシーズの簡単な設定紹介
みどり:しっかり者のリーダー
あか:熱血漢だが、短気。
あお:クールな皮肉屋。
みずいろ:お利口で、発明が得意。
きいろ:一番の大ボケ。心優しい
ピンク:女の子の心を持っている。
・
キノコ王国は、今日もいつも通りの朝を迎えていた。町の外れに住んでいる🌸は玄関の扉を開けて外に出ると、腕を伸ばして日光を浴びる。
「お届け物で〜す」
空上から声が聞こえてから顔を上げると____、キノコ王国で郵便配達員として働いているパレッタの姿が見えた。"マリオストーリー編"において、マリオの仲間として冒険に同行したパタパタでもある。
『あ、パレッタちゃん。おはよ〜」
「おはようございます。🌸さん宛に、手紙をお届けに参りました〜」
パレッタは肩に掛けていた鞄から手紙を出すかと思いきや、🌸宛のメッセージボトルを取り出した。
『え、何これ?』
「メッセージボトルです」
『見りゃ分かるよ! 何でこんな形で……?』
瓶の中には、一通のボトルメールが入っていた。しかし、紙はどことなく湿っていた様で、端の部分はヘロヘロの状態となっている。
「ヨッシーアイランドに住んでいるちびヨッシーさん達からです。ポストが無いから、海を渡ってここまで届いたみたいです」
『いや、凄いね! よく届いたなぁ!』
メッセージボトルか漂流する事無く、キノコ王国に届いた事により🌸はツッコミを入れつつ、感服している様子であった。
手紙を渡したパレッタは、次の届け先に向かう為に羽を広げて、キノコ王国の方角へと飛んでいく。
🌸もリビングに戻り、メッセージボトルに入っていた手紙を取り出した。
"🌸さんへ ヨッシーアイランド招待券"
"お久しぶりです、お元気ですか?もし良かったら、ヨッシーアイランドに遊びに来て下さい。みんな🌸さんに会いたがっています。(手紙を書いたのは、みどりヨッシーだよ)
T.C.Y みどり あか きいろ ピンク みずいろ あお
(みどりとみずいろの字は読みやすくてキレイに書けてるね……、あかの字は誰よりも大きいなぁ……、きいろは何て書いてるか上手く読めないし……、ピンクはまる文字を使いこなしてる………、ふふっ、あおってば小さく書いてある)
「そんなにニヤニヤしてて、どうしたんですか?」
リビングに降りてきたヨッシーは、ニヤニヤと笑みを浮かべながら手紙を読んでいた🌸を見ると、不思議そうな顔をして声を掛ける。
『手紙が届いたの、ヨッシーアイランドに住んでるちびちゃん達から。もし良かったら、遊びに来て下さい……、だって』
「へぇ……、実はわたしも近々、ヨッシーアイランドに帰省しようと思ってたんですよ。美味しいフルーツがいっぱいあって、思い出しただけで……我慢出来ませ〜〜ん!」
『食べないで!』
ヨッシーは、ヨッシーアイランドにある新鮮なフルーツを思い出すと🌸の頭部に噛み付こうとしたが、必死に抵抗された事で未遂に済んだ。
『そしたら、一緒にヨッシーアイランドに行く?』
「えへへっ、そうしましょ。ちびちゃん達にしーっかりと紹介しないといけませんもんね」
("ヨッシーストーリー編"で、マリオがわたしとヨッシーの事はそれとなく言ってくれたからなぁ……今更か)
目的地が同じであり、行くと決まれば🌸とヨッシーは起きて早々に、旅行の準備を始めるのであった。
『ちびちゃん達にも、メッセージボトルで返信しなきゃ♪』
「届くのに、どんだけ掛かると思ってるんですかっ!」
・
キノコ王国から、何度も船を乗り換えて🌸とヨッシーはようやくヨッシーアイランドに到着した。島の中央に
島に上陸した二人は、
『えーっと……、あった』
「ここですね」
ジャングルの中に小さな一軒家が構えており、玄関の扉には"ちびヨッシーズ"と表札が掲げられていた。
🌸がインターホンを押そうとした時に、待ってください……、と、ヨッシーが声を掛けた。
「何も言わずに飛び込んで、みんなを驚かせてやりましょ」
ヨッシーは悪戯っ子の様な笑みを浮かべると、インターホンを押す事もなく、玄関の扉を思いきり開いた。
「わあっ!!」
「来たぞーーーっ!!」
驚かそうと大声を上げたヨッシーだが、🌸はそれよりも
みどりヨッシーをはじめに、他のちびヨッシー達は出迎える所かハンマーや弓、包丁などの道具でヨッシーに攻撃を仕掛けたのであった。
(えっ……、ど、どういう事??)
騒然たる状況に🌸は言葉を失った。ヨッシーへの攻撃を止めた
「🌸さんだ!!」
「"ヨッシーストーリー編"ぶりだなー!」
「久しぶりねー!」
「会いたかった〜〜!」
「お久しぶりです! 🌸さん!」
みどりヨッシー、あかヨッシー、ピンクヨッシー、きいろヨッシー、みずいろヨッシーが🌸の周りを囲む様にして集まると、再会を喜ぶ。あおヨッシーは、少し離れた位置に立ち、🌸の姿をジッと見ていた。
『え〜っと……、ちびちゃん達の足元に………』
「酷い目に遭っちゃったねー」
ボロボロの状態で床に伏せていたヨッシーの元に、きいろヨッシーが歩み寄った。
「きいろ………」
「そんな傷だらけで、どうしたんですか〜〜?」
「アンタ達がやったんでしょーー! わたしは、キミ達よりゲームデビューの早い先輩なんですよ。こういう出迎えはないでしょ」
「わりぃわりぃ」
いきなり攻撃を仕掛けられたヨッシーが苦言を呈すると、あかヨッシーが汗を垂らしながらそう言った。
「ぼくは、てっきりベビィクッパかと思って……」
「リーダーの早とちり」
「最近アイツ、また悪さ始めたのよねー」
「でも、先輩が戻ってきてくれたから心強いです。🌸さんも一緒なら尚更です」
みどりヨッシー、あおヨッシー、ピンクヨッシー、みずいろヨッシーが順番に発言をした中で、🌸は気になる話題を耳にした。だが、歓迎ムードの中で話すべきでないと思うと、この場で口にする事はなかった。
「先輩にこれあげる」
ピンクヨッシーはボールを二つ取り出してから渡すと、ヨッシーは胸の位置にボールをセットした。
「見事なおっぱいですね………って、おっぱいじゃありません!
「じゃあ、これ」
きいろヨッシーは、先輩の印であるとヨッシーに蝶ネクタイを渡した。それを受け取ったヨッシーは、首元の位置に蝶ネクタイを付ける。
「いいですね。先輩の印」
「カッコイイぞ〜〜。リーダーみたい」
何気ない言い放ったきいろヨッシーの言葉に_____、リーダーである、みどりヨッシーは分かりやすくカチンと来て、苛立ちが芽生え始める。
「リーダーは、ぼくなんだけど……」
「先輩の方が素敵」
「先輩、頼りにしてるぜ」
みどりヨッシーは自分がリーダーである事をアピールするも、ピンクヨッシーとあかヨッシーは、すっかりと先輩のヨッシーを頼りにしている様子を見せる。
それを目の当たりにしたみどりヨッシーは、更に苛立ちが募っていく。
「ヨッシーさん! 急に帰ってきて、あまり先輩面しないで下さい!!」
リーダーという立場を取られたと嫉妬心を露わにしたみどりヨッシーは、先輩に当たるヨッシーに対して当たるも____、当人は、ケロッとした様子で向き合った。
「みどり……先輩面してませんけど」
「思いっきりしてるじゃん!!」
"せんぱい"と書かれたヅラを被って笑顔を浮かべていたヨッシーに対し、みどりヨッシーがツッコミを入れた。
(…………、…………………)
ここまで沈黙を貫いていた🌸は、ヨッシーに対して嫉妬心を見せていたみどりヨッシーに視線を向けた。
「先輩の歓迎会を兼ねて、みんなでお花見に行こうよ」
「いいですね」
「行こう行こう!」
みずいろヨッシーの提案に、ヨッシーとあかヨッシーが賛成の意を示した。
みどりヨッシー以外のちびヨッシー達とヨッシーは、花見に出かける為に家の外へと出ていく。
『みどり』
二人きりになったタイミングを見計らい、🌸がみどりヨッシーに声を掛けた。みどりヨッシーは、ヨッシーに対して露骨な嫉妬心を出してしまったのを🌸に見られたと恥ずかしくなるも、何とか取り繕って向き合うのだった。
『"スーパーしあわせのツリー"を取り戻した後の事とか色々、みどりに教えて貰いたいな』
生まれた時からの付き合いである🌸は
先輩として頼られているヨッシーでなく、リーダーとして一生懸命に頑張っているみどりに話を聞く事で、嫉妬心を和らげて安心させようという
嫉妬心から不機嫌であったみどりヨッシーも、🌸に頼られたと分かると次第に笑顔を浮かべ始める。
「勿論です! 何から話せばいいかな……」
『ゆっくりで大丈夫だよ』
また🌸自身も、生まれてから別れた時までの成長を見守っていた名残りで、
・
「____でね、その時にきいろが………、あかが………、なんだよ………」
『みんな、相変わらずなんだね』
"ヨッシーストーリー編"以降の出来事を知らなかった🌸は、みどりヨッシーが楽しそうに話している姿を見ると、つられて楽しくなって笑うのであった。
「🌸さんは、ヨッシーさんの所に行かなくていいの?」
みどりヨッシーは、先頭付近を歩いているヨッシーを見ると眉を下げて、声のトーンが下がった。
『え、何で?』
「だってみんな……、リーダーのぼくより先輩のヨッシーさんに夢中だから。🌸さんもホントは……」
先程の出来事もあり、みどりヨッシーはリーダーとしての立ち位置が危ぶまれていると一人で思っていたのだ。🌸もそれとなくみどりヨッシーの思考を読み取ると、口を開いた。
『わたしは、みんなから招待券を貰ってここに来たんだよ? みんなに会いたかったから。それにアレって……、先輩のヨッシーに初めて会ったから、興奮してるだけなのもあるよ。みどりだって、くろヨッシーに会えた時は夢中になってたでしょ?』
「う、うん………、🌸さんもマリオさんばっかり目立ってたら、やっぱり嫉妬とかするの?」
『うーん……、まぁ最初の頃は、嫉妬する事もあったけどね、今はそれを通り過ぎちゃったかな。主役で目立つだけが全てじゃないし』
あ、キレイな花畑だね……、と🌸が正面を見ながら言い、みどりヨッシーも顔の向きを正面に変えた。
着いた場所には沢山の花畑に囲まれた木々があり、桜が満開であった。木々の下にビニールシートを敷いていき、花見の準備を進めた所で皆は食事を摂り始める。
『ピンクの料理は、やっぱり美味しいよ』
「褒めても何も出ないわよ〜」
「ぼくも作ったですよ〜〜。このおにぎりとか」
『歪な形してるんだけど……、けど、きいろも頑張って作ってくれたんだね』
「🌸さんは、しばらくここに滞在するんですか?」
『うん。でもそんなに長くは居ないかな』
「おっしゃー! だったら、おれと勝負しろよ! 前よりは、強くなったと思うんだ!」
「またズルするんじゃない?」
『だーかーら、あの特訓でズルなんかしてないっての。あかもどれぐらい、強くなったのかなー』
食事を摂りながらも、ちびヨッシー達の相手を器用にこなしている🌸の姿をヨッシーはジッと見ていた。
「おちびちゃん達の相手に慣れてるんですね」
「一緒に旅してただけは、あるからな」
ヨッシーの呟きに、あかヨッシーがそう返答した。かつて、マリオと🌸は絵本の世界に変えられたヨッシーアイランドにて、産まれたばかりのちびヨッシー達と旅をした事がある。卵から
「🌸さんは、ぼく達のお母さんなんだよ〜」
「マリオがパパなのよ」
「あっ……、きいろ、ピンク…………」
きいろヨッシーとピンクヨッシーの発言に、みずいろヨッシーは汗を垂らして言葉を遮ろうとした。
🌸の想い人であるヨッシーの前で、不用意に父母関係の話題を出さない様に配慮していたみずいろヨッシーだが、それも間に合わずにヨッシーの耳は全て聞き取っていたのである。
「へ、……へっ……?🌸さんが……、お母さんで………、マリオさんが………マリオさんがお父さんですかっ!?」
「すげー汗かいてるぜ」
食事を摂りつつも、額を中心に大量の汗をかき始めたヨッシーを見て、あおヨッシーが呟く。
会話の輪に入っていなかったみどりヨッシーは、焦り始めるヨッシーを見つめていた。
(あー……、だから、🌸さんは前にお母さんになってって言われた時に言葉が詰まったんだ)
大好きって言ってたヨッシーさんがこんな反応を見せるんだったら、🌸さんも簡単に自分の頼みに頷くなんて難しかったんだろうなぁ……、と、みどりヨッシーはしみじみと思った。
「でも、🌸さんとヨッシーさんはラブラブなんですよね?」
助け舟として、焦った様子を隠しきれていないみどりヨッシーは先輩にあたるヨッシーに声を掛けた。
「そ、そ……、そうですよ〜〜♡ わたしと🌸さんはラブラブだし、絆も強いんですからね♡ マリオさんなんか目じゃないですよっ。マリオさんには、ピーチ姫が居ますからね〜」
『ヨッシー、食べながら喋んないでって……』
「やだ〜♡ 二人ってば、ホントにラブラブじゃん」
「先輩、🌸にデレデレしてる」
ピンクヨッシーとあおヨッシーは、デレデレの態度を隠さないヨッシーを見ながらそう言った。そんな中、みずいろヨッシーはみどりヨッシーに声を掛けた。
「リーダー、ちょっと大人になった感じだね」
「そうかな?」
「ぼくからはそう見えたよ。なんか余裕がある感じ……、🌸さんの事で悩んでたのが懐かしいね」
「うん……、ぼくは、二人が仲良く居てくれるのが幸せって分かったからね」
みずいろヨッシーの言葉に、みどりヨッシーが笑顔を浮かべて返答すると_____、🌸達の背後にソッと物音を立てない様に移動してきた、ある人物の姿が見えた。
.