空中スタジアム


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[#da=1#]は、スタジアムまでジャンプして難なく着地した。


「ペポ、さっきのお客さんだ!」


プリムを撃破したカービィが声を上げると、マリオ達も時間差で現れた[#da=1#]に視線を向けた。若干の警戒心を持ち、いつでも戦闘態勢が入れる様にしていたマリオが口を開けた。


「キミは、アイツらの仲間か?」


マリオの問いかけに、[#da=1#]は言葉を発さずに首を横に振る。


「ボクらの敵か、味方か……、どっち?」
『敵ではない』


今度は即答し、先程の反応も嘘ではないのかもしれないとマリオ達は思い始める。


『私から見れば、奴らは倒すべき相手だ』


紫色の粒は依然として減少せず、敵の兵士達もこちらに歩き出していく。


「新しいファイターの方で、ございますの?」
「ファイターの追加は何も聞いてないけど……けど、倒す相手が同じなら目的も一緒だね」
『…………そのように伝えられている』


ピーチ姫とマリオの言葉に[#da=1#]は反応したが、どこか噛み合っていない様にも思える。しかし共通の敵であれば、一時的に共戦してこの場を乗り切るのも手であった。


「今は一緒にアイツらを倒すのが得策だよ」
『……あぁ、構わない』


[#da=1#]は襲いかかってくるプリムの攻撃を避けるのでなく難なく受け止めてから、隙をついて足蹴りをかました。


「キミ、つっよいね!」
『ファイター……という奴等は、私よりもっと強いだろう?』
「うーん。カービィ、あんまり分かんない」


ハンマーでプリムの大群を場外へと吹き飛ばし、カービィは笑顔を浮かべながら答えた。









戦艦ハルバードが放った紫色の粒は全て[#da=1#]達の手により、塵と化して消え去った。一難去った事で[#da=1#]を除いたマリオ達ファイターは息を整え、休息を取る。


「お強いのですね。えっと………お名前をまだ聞いてませんでしたわ」
『……… [#da=1#]だ』
「この辺じゃ見ない顔だけど、"マスターハンド"に命を吹き込まれたばかりかい?」
『………?、あ……今さっき』


どこかぎこちなく答えた様子を見て、マリオは怪訝そうな表情を浮かべたが、カービィは目を輝かせた。


「だから、あそこでぼくとマリオが戦ってる所観てたんだね!」


カービィが指したのは、[#da=1#]が先程まで二人の乱闘を観戦していた場所である。


命を吹き込まれたばかりなら、ここがどこで大乱闘やファイターが何なのか実際に目にしてないと分からない所が如何せん多い為、[#da=1#]の受け答えがぎこちないのはそのせいだったのだろうと、マリオは一人で解釈した。


「最初はあまり慣れないものです。"この世界"では、スポーツの一つとして捉えて頂ければ構いません」


ゼルダ姫の言葉を聞き、[#da=1#]は本人でも気が付かなかった緊張の糸が解けていく。


和やかな雰囲気が流れ出した時____、上空から、緑色の魔導師の服を見に纏った人物が現れた。


「どちら様ですか?」
「ピ、ピーチ姫、今はそんな状況じゃ………」
「私の名は、エインシャント卿。ですが貴方がたとの顔合わせは、これが最初で最後となります」


[#da=1#]はエインシャント卿と目が合うが、無表情のまま沈黙を貫く。


エインシャント卿が乗っているボードの下部に付けられていた"亜空間爆弾"がスタジアムに落とされた。


「あの方は、何を落とされたのですか?」
「メカメカしいねっ」


ゼルダ姫とカービィが反応したが、何に使うのかは誰にも分からなかった。二体のロボットが現れて腕をはめ込むと、爆弾が出てくる。紫色の核から電気が発せられている。


「あれは、もしかして………!」


爆弾に設定されていたタイマーが起動し始めた所で、マリオはあれが"時限爆弾"である事に気がついた。


「マリオ……? どうしたのです?」
「早く爆弾を止めないと!」


ピーチ姫の問いかけに答える余裕もなく、マリオは爆弾の設置されているスタジアムの中央を目指して走り出した。



しかしどこからともかなく鉄球が飛んでくると、マリオに直撃した。為す術もなく、場外へと吹き飛ばされていく。



「ペポ? マリオ、飛んでっちゃった」


カービィと[#da=1#]はマリオが飛ばされた方向を眺めていると、背後から物音が聞こえた。



「きゃああぁぁ!!」
「くっ……魔法が使えません………っ」



ピーチ姫とゼルダ姫の声が聞こえ、二人は振り向いた。


『何だコイツ………』


スタジアムの中央には、ボスパックンの姿があった。両手に持っている籠にはピーチ姫、ゼルダ姫の二人の姿があり、囚われの身である。



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