.



その後、クッパとの戦いを終えたマリオ達はピーチ姫を連れて、ヨースター島へと戻って行った。

一先（ひとま）ず、ホテルに到着してドッと疲れに襲われたマリオ・ルイージ・🌸は、そのままベッドに誘われて就寝してしまった。




そして翌日からは、ヨッシーも交えて中断されていたバカンスを満満喫（まんきつ）した。


水着に着替えて海を泳ぎ、果樹園で新鮮な果物を食（しょく）し、ヨースター島名物のかっぱ山を登山した。遠出をした日には、せんべい山を双眼鏡で見たり、ソーダの湖にも訪れた。





「いやぁ、今回の冒険も長かったなぁ」
「でも、バカンスも楽しめたわね。マリオ」
「そうですねぇ、ピーチ姫の水着も見れて……、むふっ♡」
「やだっ、マリオったら♡」


マリオは海辺で見たピーチ姫の水着姿を思い出すと、手で口元を隠してニヤニヤとした。それに対してピーチ姫は頬を紅潮させると、マリオの頬にビンタする形で照れ隠しをした。


「今日は、ヨッシーの家でパーティやるんだろ？」


マリオとピーチ姫が盛り上がっている中、ルイージがヨッシーに今日の予定について聞いていた。


「皆さんは恐竜ランドの英雄（ヒーロー）ですから！ 島をあげて、パーティを開催しますよ！！」
『それは楽しみだね〜』




・




空は茜色に染まり、夕暮れ時となっていた。各島からマリオ達を祝福しようと、恐竜ランドの住人達がヨースター島に集まっていた。


「随分と沢山集まったのね」


想定していた人数の倍以上が集まっていた事に、ピーチ姫は驚いていた。


「皆さんの顔を一目見たいのと……、美味しそうなご飯達ですねっ」
「タダ飯目当てかよっ！」


ヨッシーがヨダレを垂らしながら言うと、マリオがツッコミを入れた。


「マリオたん！ 🌸たん！」


声を掛けられて振り向くと______、8面にて出会った、チョコレー島のお化け屋敷に住んでいる子供テレサだった。


「お前、あの時の迷子テレサか！」
『今日は、お母さんも一緒なんですね』
「いつぞやは、坊やがお世話になりました。皆さんのご活躍を聞いて、坊やもお祝いしたいと言って聞かないものでしたから……」


今回は母親同伴で、お祝いパーティに参加するとの事だった。


「可愛い子ね」
「ほ、本物のピーチ姫でち。やっぱり可愛いでちね」
「あら、そう言われると嬉しいわ」


ピーチ姫と子供テレサの間に、和やかな空気が流れたが_____、マリオ達は、迷子騒動の出来事が脳裏に過る。


「ピーチ姫、気をつけて下さいね」
「どうしたの？ルイージ」
「アイツ、泣き出すと色々な物を壊しちゃうんです」


最悪の事態を恐れたルイージは、前もってピーチ姫にその事を伝えた。


「それならご心配はいりませんよ。今日は私も居ますから、坊やが何かしでかしたら。お仕置をさせて頂きますわ」
「頼もしいですねぇ」


子供テレサに散々な目に遭わされたヨッシーは、笑顔を浮かべて母親テレサを見た。


「おーい！ ヨッちゃーーん！」


ヨッシーの名前を呼ぶ声が聞こえると_____、大きなリュックを背負ったドラボンがヨッシーの元へやって来た。


「ドラちゃん！ 待ってたよ！」
「知り合いか？」
「わたしの幼馴染なんです！ ドラちゃんに頼んで、たっくさん料理を準備して貰いましたよ！」


ヨッシーの友達であるドラボンは、クッパの魔の手から逃れて迷いの森にて、ひっそりと暮らしていた。

しかし、クッパの支配が無くなった今は英雄（ヒーロー）のマリオ達の為に得意の料理を作り、ここまでやって来たのだ。


「マリオさん達の為に、腕によりをかけましたから」
「へぇ、そりゃ楽しみだな」


笑顔を浮かべるドラボンを見て、マリオの期待値は一方的に上がっていく。


「ドラちゃん、せっかくですから……、ちょっとだけでも見せて…………」
「ヨッちゃん絶対、食べちゃうでしょ！ これはパーティが始まったら！」
『やっぱ幼馴染は、何をしでかすのかすぐに分かるんだね』


ヨッシーとドラボンのやり取りを見て、🌸は幼馴染ならではと共感していた。



.