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『まだ、むしばあるよー』
「近づくなって、言ったばっかじゃねーか！」


マリオのツッコミの声が響いた時____、巨大ウナギは大きく息を吸い込み出した。それはマリオとポンプ、🌸の三人を巻き込む程の吸収力でもあった。


『わーっ！』
「マズい、🌸がウナギの虫歯に……！」


🌸の体が残されていた虫歯に直撃すると、巨大ウナギの痛みが神経を伝っていき、次第に体全体にまで及んでいく。


そして、痛みで我を忘れた巨大ウナギはじたばたと動き始め、意図せぬ形でマリオ達に襲いかかると____、マリオのヘルメットに噛みつき、ヒビの割れる音が聞こえた。



「やべぇ！ ヘルメットが割れちまった！」



ヘルメットが割れた事により、毒素の溢れる水中面では、電撃が地上に居る時よりもよりダイレクトに伝わってくる。

マリオが悲鳴を上げながら、電撃を受けていた姿を見て、🌸は言葉も出ずにオロオロとし出す。



（わたしのせいで、マリオがおぼれちゃう……このままじゃ、マリオがしんじゃう………っ）



自分が無闇に巨大ウナギに近づき、虫歯に直撃して巨大ウナギを暴れさせた結果、マリオがピンチに陥ってしまったと🌸は思った。



『マリオ……、………これかぶって！』



🌸は、自分のヘルメットを勢いよく脱ぐと、マリオに装着させた。それにより、マリオはダメージを受ける事が無くなり、悲鳴も収まった。


「🌸！ 大丈夫か！？」
『むぐぐぐ〜〜っ！ むぐ〜〜っ！』


電撃を浴びながらも、🌸はマリオの言葉にしっかりと反応を示していた。しかし、いくらヨッシーの催眠で活発になった🌸でも、毒素の溢れる水中面では、すぐに限界を迎えてしまう。


"マ、マリオさん！ 🌸さんに何があったんですか！ "大丈夫か"って、どういう事ですか！？"


マリオの声のみが聞こえるだけで、🌸の様子が分からず焦ったヨッシーが、通信機越しにマリオに問いかけた。


「ひえ〜！ どうすりゃいいんだよ〜！」


だが、今のマリオはヨッシーに問いかけに答える余裕は無く、🌸を連れて暴れ出す巨大ウナギから逃げるしかなかった。


"気合い"
「無理だー！」
"じゃあ、釣り上げろ……、って、師匠がおっしゃっています"
「もっと無理だー！」


釣老マーレにツッコミを入れていたマリオだったが___、電撃を浴び続けていた🌸の、自身の手を握る力が弱まっていた事に気がついた。



「偉そうな事ばかり言ってないで……、お前が釣り上げてみろよーーっ！！」



仲間の🌸がピンチに陥っている中でも、ろくなアドバイスをくれない釣老マーレに対しての苛立ちが限界を迎え、マリオは通信機越しだけでなく、地上にも届く様にと大声を上げた。



すると____、巨大ウナギは何かに吸い寄せられる様に、地上へと持ち上げられていた。何事かと思ったマリオは、🌸を連れて巨大ウナギの皮膚を掴む。


勢いよく上昇していくと、地上へ戻ってきたマリオは、釣老マーレが自前の釣竿を使い、巨大ウナギを釣り上げた姿を目撃した。


「ホントに釣り上げたのかよーーっ！！」
「お見事です！」
「凄いです！ 師匠！！」


ヨッシーと弟子マーレの歓喜の声が聞こえてから、マリオと🌸は巨大ウナギが地上に着地した衝撃で、地面へと投げ出された。


「師匠、アンタって人は……！」
「うむ〜」


自分達が苦戦していた巨大ウナギを、いとも簡単に釣り上げた釣老マーレの姿にマリオは感服していた様子であった。


「🌸さ〜〜ん！ 大丈夫でしたか〜！？ 暗い海は、怖くなかったですか〜！？」
『がんばったよ！』


🌸のヘルメットがマリオに渡されてから、声を聞く事が出来ずにいたヨッシーは、ずぶ濡れとなった🌸の元へと駆け寄っていく。


「えへへ……♡ そんな頑張った🌸さんに……、愛情たっぷりのわたしのちゅーを____、」
『あめちゃんほしい！』
「えぇー！ どんだけ好きなんですかー！、……もうっ、しょうがないですね」


頑張った褒美という口実で、🌸とのキスを目論んだヨッシーだったが、代わりにオレンジ味の飴を取り出し、🌸に渡していく。







その後、巨大ウナギの口内に残された虫歯を全て取り除いた事により、"マーレのいりえ"の汚染された海は、元の青く澄んだ綺麗な海へと戻っていったのであった。



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