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その頃____、桟橋（さんばし）の上で、赤コイン集めに出たマリオと老人イカの帰りを待つ🌸とヨッシーの姿があった。


「大丈夫かなぁ、マリオさん……わたし、心配で心配で……食べ物も喉に通りません〜！」


口ではそう言いながらも、ヨッシーは集めてきた食べ物や果物を口に含み、モグモグと食べ進めていく。


そんな中____、🌸は、スタート地点である海上を眺めながら、とある違和感を覚えていた。



（あれ……、他のサーフボードのイカが、いつの間にか居なくなってる………？）



マリオが老人イカと出会う前に、選定していたサーフボードに混ざっていた、白色の三匹のイカが姿を消していたのだ。


「🌸さん、どうかしたんですか？」
『さっきマリオが選んでたイカ達が、何でか居なくなってて………』
「きっと片付けられたんですよ。さっ、マリオさん達が帰ってくるのを一緒に待ちましょ♡」


さりげなくヨッシーは🌸の手を握り、桟橋（さんばし）のスタート地点まで一緒に戻っていく。


（港町なのは、まぁ仕方ないですけど……マリオさんが居ない今、🌸さんと二人きりで………まさに、デートじゃないですか！ やっぱり占いは当たっています！ 絶好調ですね♡）
（サーフボードのイカ、片付けられたのかなぁ？ でも……、色付きのイカは、ちゃんと残ってたしなぁ………）


占いの結果が当たったと、一人で有頂天になるヨッシーであったが、🌸は忽然と姿を消したイカの行方を気にしていたのであった。





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「ダメだ……あと三枚なのに、コインが見つからない……！」
〈マリオさん、もう時間が……！〉



あれから、のろのろと海上を泳いでいたマリオ達だったが、残りの赤コインの姿が見つからず、終了時刻が刻一刻と迫っていた。



「ここにあるよー！」
「ボク達が取ったんだー！」



水中から、少年の声が聞こえてくると____、残りの三枚の赤コインを抱える三匹の白色のイカがマリオ達の前に現れた。


「アイツら、さっきの活きのいいイカじゃないか……」
「わしの孫じゃよ」


自分が選定していたイカだと気がつくも、老人イカの孫であるとも明かされると、マリオは驚きの声を上げた。


「じいさんの孫達が何で……！？」
〈そんな事を考えてる場合じゃないデスよ……アイツら、こっちに突っ込んできマス！〉


それぞれ一枚ずつ赤コインを持った三匹の少年イカは、三方向からマリオ達の元へと突っ込もうと、海上を走り出してくる。


「そのコインも貰ったー！」
「もう諦めろー！」
「ボク達の勝ちだー！」


「もうダメだ……」と、弱気になる老人イカの声が下方から聞こえてくると、マリオは喝を入れる為にとポンプのレバーに手を伸ばした。


「じいさん、しっかりしやがれ！おれに任せろ！」


レバーを勢いよく引いていくと、ポンプは"ロケットノズル"へと変形し、口部分が下を向いた。


「ロケットジャーンプッ！！」


勢いよく水が噴射されると、マリオと一緒に老人イカも水の力でジャンプし、三匹の少年イカの突進を回避した。

マリオ達が、海上から姿を消したにより、少年イカ達は頭から衝突し、持っていた赤コインが宙にばら撒かれていく。


「これで、コイン全部ゲットだぜー！」


少年イカ達よりも先に、マリオが残りの赤コインを回収した。これで全ての赤コインが集まり、後はスタート地点まで戻れば、シャインを獲得出来る。


「じいさん、行けるか！？」
「おう……ここで頑張らなきゃ、男じゃねーだろ！ 死に物狂いで、すっ飛ばしてやらぁ！！」


少年イカから、自分を助けてくれたマリオの言葉を聞いた老人イカは、スタート地点を目指して、勢いを止める事も無く、泳ぎ出していく。








『マリオ！』
「マリオさーん！ もうちょっとですー！」



🌸とヨッシーの声が聞こえてくると、マリオ達はスタート地点目前である事に気がつく。

そして、制限時間ギリギリにマリオ達は何とか戻る事が出来た。モンテ族に集めた赤コインを見せると、マリオは賞品のシャインを獲得した。



『ねぇマリオ、あのイカ達って………』



🌸に声を掛けられ、海上に目を向けると____、先程、自分達の妨害を計ろうとした三匹の少年イカの姿があった。


「どうして、じいさんの邪魔をしたんだよ？」


桟橋に上がって、老人イカの元へ近づこうとした少年イカ達にマリオが問いかけた。


「じいちゃん、もう年だし引退して……楽して貰いたかったんだよ」
「ゴール出来なきゃ、諦めがつくかと思って……」
「でも、じいちゃんは凄いや！ まだまだ現役でいけるね！」


老人イカの体を気遣い、わざとマリオ達の妨害に走ったと正直に告げてから、少年イカ達は老人イカの泳ぎに感服した様子を見せたが____、老人イカは慎重な面持ちのままだった。


「いや……、わしは引退するよ。ヒゲの旦那の力が無ければ、ゴール出来なかった……これからはお前達の時代じゃよ」
「じいちゃん！」
「やっぱりカッコイイや！」


イカサーフィンから引退する事を宣言してから、老人イカは孫の少年イカ達と抱擁を交わしていく。


「じいさん、カッコイイじゃん」
『とにかく、ハッピーエンドで終わったみたいだね』



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