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「あー！ 大変です！」



すると、今度は____、太陽の塔に残っていたマーレ族の住民が驚いた様子を見せて、声を上げた。


「どうした？」
「"おおすなどり"のタマゴが早く孵化する様に、鏡でタマゴを温めているんですけど……、鏡の上で、チュウハナがウロウロしてるんです！」


太陽の塔を取り囲む様に、設置された鏡のうちの一つに____、"マンマビーチ"に出没するポイハナの仲間であり、赤色の体に吸盤の付いた足が特徴的なチュウハナの姿があった。


「あれじゃ、タマゴを温められないし……鶏の丸焼きが食えなくなるじゃないか！」
「そういう事じゃないでしょー！ 早く退治して下さいよー！」


"おおすなどり"でなく、食料としての"おおすなどり"の心配をするマリオに、マーレ族の住民がツッコミを入れた。


"マンマビーチ"の環境保護の役割を持つ"おおすなどり"のタマゴの孵化の進行を妨げるチュウハナを追い払うべく、マリオはポンプを装着した。


「分かった、任せとけ！ ポンプ、行くぞ！」


マリオが勢いよくレバーを引き、"ホバーノズル"に変形しようと試みたが____、ポンプはくしゃみばかりを繰り返し、変形どころか放水すら出来ずにいた。


「やっぱりポンプ、使えませんね〜」
『ダ、ダマﾞゴが………、ぶぁﾞ…ぶぁﾞ……、ぶぁﾞーっﾞぐじょﾞんﾞ！！』
「ぐえ〜〜〜っ！」


フラフラになりながらも、立ち上がる🌸だったが、拳をマリオの顔面に直撃させると、メリメリ…、と、音を立ててめり込ませていく。


「お前ら二人、そこに居ろ！」
「今回は、わたし達で何とかしますから」
『うﾞ〜〜〜っﾞ』
〈ずみﾞまﾞせﾞ〜んﾞ……〉


チュウハナの追っ払いに参加させずに、マリオは🌸とポンプを太陽の塔に残る様にと告げた。


マリオとヨッシーが、鏡の上までよじ登っていくと____、"おおすなどり"の孵化を無自覚で妨害しているチュウハナが立ちはだかる。



「何だ？ おめーら」



遠目から小さく思えたチュウハナであったが、実際はマリオやヨッシーの身長の何倍もの大きさを誇っていた。


「怖がっちゃ負けですよ、マリオさん」
「おう、分かってらぁ……、ガツーンとかましてるぜ………やいやい、チュウハナ！ お前のおかげで、みんなが迷惑してんだ！」


圧倒されていたものの、ヨッシーの言葉を受けたマリオは、チュウハナに向けて人差し指を向けながら、啖呵を切り出した。


「いいか、よーく聞けよ！、………お願いします！ 鏡の上から退いて下さい！ グラグラさせないで下さい！ 何でもします！ お願いします！！」
「めちゃくちゃ弱腰じゃないですかー！」


しかし、ものの数秒でマリオは土下座の姿勢になると、ペコペコとチュウハナに向けて頭を下げていた。


「おれは、ここが気に入ってんだよー！ だから、退かねーよ！」
「そうかよ！ それなら、腕ずくで……！」


チュウハナが自ら、鏡の上から移動する意思が無い事が分かると、マリオはチュウハナは追い出そうとするも____、逆に、チュウハナがマリオとヨッシーの元へ歩き出してきた。


「腕ずくがなんだって〜？」
「わぁ！ こっちへ来るな〜！」
「危ないです〜！」


二人より重みのあるチュウハナが移動した事で、シーソーの原理でマリオとヨッシーの居る場所が下へと傾いていく。


「上へ回るぞ！」
「うろうろすんなっつーの！」


チュウハナの背後に回ろうとしたマリオとヨッシーであったが、同じ様にチュウハナも追いかけてくるせいで、またしても鏡が大きく揺れ出した。


「アイツ、何であんなに安定してるんだ……？」
「マリオさん、見て下さい。アイツの足……、吸盤みたいになってますよ！」


安定感のあるチュウハナに疑問を抱いたマリオだったが、チュウハナの足に吸盤の機能がある事に気がついたヨッシーが、マリオにそれを伝える。



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