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『うﾞぅﾞっ……、い、いっじょにﾞ、いでぐれないの……？』



マリオの足の動きが止まり、🌸に声を掛けようとしたが____、既に遅かった。🌸の目からボロボロと涙が零れ始めると、大きく口を開いた。




わあああぁぁああぁぁんっっ！！！





空上に向けて、顔を上げて泣き出した🌸の声は超音波の様に、"マーレのいりえ"の断崖絶壁の壁にも振動していく。マリオ、ヨッシー、弟子マーレは耳を塞ぐ中、釣老マーレは物怖じせず、耳を塞いでいなかった。


「分かった、分かった！おれも一緒に行くから、泣き止め！！」
『ほんと！？』


マリオの言葉を聞いた🌸は、一瞬にして泣き止むと声が収まり、笑顔を見せた。


「でも、普通に飛び込んだら……前回みたいにダメージ受けちゃうしな………」


マリオはその場に屈むと、先程よりも濃い紫色に変色した海を見て、前回の事もあってか飛び込むのを躊躇している。


「気合い」
「そこだけハッキリ言うなー！」


普段は、弟子マーレの翻訳がなければ理解できない釣老マーレの言葉が、ここに来てはっきりとそう告げられた事で、マリオは思わずツッコミを入れた。


「でも、ここは師匠の言う通りに気合いしかないですよ」
「……、分かった、やってやらぁ！」


仲間のヨッシーにもそう言われると、マリオさ腹を括って海の中を潜る事を決めた。

勢いよく飛び込みを決めていくと____、体中に電撃が走り、マリオの体は途端に痺れていく。またしても前回同様に、潜る事すら出来ずにマリオは浮き上がってきた。


「やっぱり、気合いだけじゃ無理ですね……」


プルプルと痺れているマリオを見ながら、ヨッシーが嘆いていると____、釣老マーレが🌸に、二人分の透明のヘルメットを渡した。


「ほれ」
『これなにー？』
「これを被れば、ダメージを受けずに潜れるぞ……、と、おっしゃっています」
「先に出せよー！」





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ヘルメットを装着したマリオと🌸は、"マーレのいりえ"の水質汚染を解決すべく、海の中を飛び込んでいく。


〈どうデスか？ マリオさん、🌸さん〉
『みずあそび、たのしい！』
「これ被ってると、汚い海の中も平気だぜ。全然、息苦しくもないしな」


電撃を発する汚染水の被害を受ける事もなく、スイスイと泳ぐ🌸とマリオがそう言った。


「ホントいいなー！ これー！」


マリオは、おもむろに装着していたヘルメットを外していくと___、効果が切れた事で、マリオの体全体に電撃が走り渡った。


「ぐあﾞあﾞぁぁ！ 苦し〜〜！」
〈取っちゃダメデスよー！ ホント、大ボケなんですから……〉


自らヘルメットを外すというボケを繰り出し、ポンプが呆れた様子を見せる中___、二人が被っていたヘルメットから、ザザッ……、と、ノイズ音が小さく聞こえてきた。


"マリオさん、🌸さん。聞こえますか？"
「弟子マーレか？ 聞こえるぞ」


ノイズ音が収まってから、地上に残っている弟子マーレの事が聞こえると、マリオは応答した。


『いとでんわー？』
"これは通信機で、お二人の居場所も分かりまよ。師匠からのメッセージ、伝えますね………出来れば、一口サイズのタコの形にしてくれ………、と、おっしゃっています"
「それは、ソーセージだろー！」
『おいしそ〜〜……じゅる』


釣老マーレの伝言を聞いたマリオがツッコミを入れ、🌸の口内にある涎が過剰に分泌されていく。







海の底を目指して泳ぎ続けていたマリオ達は、暗闇の中にピカピカと光る何かを発見した。

マリオ達が、光の灯る方向に導かれる様に泳いでいくと____、巨大ウナギが姿を見せた。


〈きょ……巨大なウナギデス！〉
「でも、耳が長くねーし」
〈ウサギじゃないて、ウナギデス！〉


ボケを繰り出すマリオに、ポンプがツッコミを入れていく。巨大ウナギが口を大きく開けると、歯が全て紫色に変色し、虫歯が発生していた。毒の息を吐き出ていくと、上昇していき水中の汚染が進行していくのであった。


『うえー。きもちわるー』
「アイツが、この海を汚してたんだな……」
〈口の中に、秘密がアルのかもしれませんネ〉


その時、マリオと🌸が装着していたヘルメットからノイズ音が聞こえてきた。


"汚れの原因は、巨大ウナギの虫歯の様ですね"
「どうすればいいか、指示をくれよ」
"あむ〜"
「分かるかー！」


弟子マーレに続き、釣老マーレの声が聞こえてきたものの、言葉の意味を理解出来ずにマリオからツッコミを入れられた。


『はみがき、だめなのー？』
「じゃあ、これで……」
〈……、って、どんな治療するんデスかー！〉


🌸の言葉を聞いたマリオは、どこからかトンカチ、ノコギリ、レンチ等の工具を持ち出すと、ポンプのツッコミが入る。


『これでたたくの？』
〈叩いちゃダメデスよ！ 大暴れしたら大変デスから、ホバーノズルで洗浄しまショウ〉


トンカチを持ち上げようとした🌸に、ポンプから制止の声が飛んできた。マリオがレバーを引くと、ポンプは変形し、巨大ウナギの頭上にまで上昇していく。

虫歯で変色した歯に向けて、ポンプが放水を繰り出していくと、次第に汚れが取れ始めていく。


〈二人共、危険ですから……あまりウナギに近づかよらナイで下さいネ〉
「分かってるよ」


巨大ウナギに誤って飲み込まれない様に、マリオとポンプが距離を取っていく中___、🌸は、汚れの取れきれていない虫歯を見つけると、巨大ウナギに近づいていく。



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