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🌸が目を覚ますと_______、自分が泊まっていた宿のベッドの上であった。




体を起こそうにも力が入らず、横になった状態で首だけを動かして周りを見た。エアコンの電源が入って室内は涼しくなっていた。テレビの画面も付いており、バラエティー番組が放送されていた。



（あ、あれ………あれから、わたし……、クッパ達を倒して、"コロナマウンテン"から落ちて………、………そこから一切、記憶が無い）
「あっ！ 🌸さん、やっと起きたんですね！」



奥の部屋からヨッシーの声が聞こえると、足音が近づいてきた。

そして🌸の隣に現れたヨッシーは、🌸が目を覚ました事が分かると嬉しそうに笑みを浮かべた。



「良かったです！マリオさんまで、一緒に寝ちゃったから……、あれからわたし達、ホンットーに大変だったんですよ！」
『た、大変……？』



そうして興奮気味なヨッシーから、🌸は意識を無くした後の出来事を聞いた。


クッパ親子を撃破した後、水没していたドルピックタウンから水が引いていき、また各地に散らばっていたシャインもマリオ達の活躍で太陽の門に全て集められ、島全体が本来の姿を取り戻したのだ。




モンテ族はドルピック島に再び平和をもたらしてくれたマリオと🌸に感謝を伝えようとしたが、当の二人は冒険疲れで死んだ様に眠りについていたという。


「わたし、このままずっと🌸さんが起きないんじゃないかと思ったら……、食べ物も喉に通らなくて〜〜〜！」
『……、って言いながら、めちゃくちゃ食べてるじゃん！』


そう言ったヨッシーはいつもの様に大量の果物を食べており、話の内容と行動が噛み合っていない事で🌸はツッコミを入れた。


「シャインも全部、元に戻りましたから……、これでようやく、バカンスが楽しめますね！」


相変わらず美味しそうに果物を食べるヨッシーの言葉を聞き、始めはボーッとしていた🌸であったが、時間差で旅行に出掛けた目的を思い出す。


『あっ………、そ、そうだね…………、そうだった。ホントは………、そうか………、バカンスに来てたんだっけね』
「すっかり、本来の目的を忘れちゃってますね」


ドルピック島でマリオと共にシャイン集めに明け暮れていた🌸を見て、ヨッシーは汗を垂らしてからツッコミを入れる。


『でも………、せっかく南国のリゾートに来てるんだから、ヨッシーもどこか遊びに行けば良かったじゃない』


クッパ親子を撃退し、晴れて南国の地でのバカンスを楽しむ事が出来る絶好の機会であった。恐らくヨッシーは意識を無くした自分の看病をしてくれていたと🌸は思った。

看病の間の少しでも、ドルピック島での観光を楽しんでもいいんじゃないかと、本人なりにヨッシーを思った発言であった。





だが、ヨッシー本人は🌸の意図とは異なり、その発言を聞いてから頬を膨らませて、むっとした表情を見せた。


「………、むぅ〜〜〜っ、違うでしょ！」


ヨッシーは🌸が横になっていたベッドに乗り出すと、顔だけをグイッと近づかせた。🌸とヨッシーの距離は近くなり、互いに少しでも前に出ればキスが出来てしまう程であった。


「わたしは……、わたしは、ずーーっと🌸さんとデートしたかったんです！ それをシャイン集めで潰されてましたから………、🌸さんとデートして、バカンスを楽しみたいんですっ」


ちゅーだって、🌸さんが寝てたからずっと我慢してたんです……、と伝えてからそっぽを向くと、ヨッシーの頬に赤みが出来ていた。


『ごめんね、ヨッシ〜。気になっただけだから、そんなに怒んないでよ………、キスしたいから、こっち向いて？』


🌸が、謝罪の言葉を述べて優しく声を掛けると、ヨッシーはゆっくりと顔の向きを変えて、🌸を見た。


「………、一緒にデートに行ってくれますか？」
『うん。体がしっかり治ったら、デートしようね。二人で色々な場所に出かけよ』
「……えへへっ、楽しみにしてますね。わたしがしっかり🌸さんをエスコートしますから」


その言葉を聞いた🌸は笑みを浮かべると、ヨッシーの心臓が高鳴る。近距離に居た二人の唇が重なるまでに時間は要しなかった。ぷにっと柔らかい感触がしてから、二回目のキスを交わした。


この部屋にいるのは🌸とヨッシーの二人きりであり、誰にも邪魔される事もなく、互いの愛情のこもったキスを堪能していくのであった。



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