.



「みんなー！ 金（コイン）やるから頑張ってーー！！」


ヨッシーが笑顔で金（コイン）をばら撒いていくと、小屋や茂みに隠れていた分身達は金の音を聞くなり、姿を見せて回収し始めていく。


「いやっほーーーっ！！」
「やったるでーー！！」


マリオの性格を利用したヨッシーの奇策であったが____、ポンプを所持していない分身達は、泥を踏んで電撃を浴びてしまい、バタバタと倒れていくだけであった。


「へへへっ、もうおしまいだな」
『ふふっ、気づいてないね。1upキノコとヨッシーが撒いてくれたコインのおかげで、マリオがどうなるのか……』


勝ちを確信していたマンタであったが、傷だらけの状態の🌸は笑みを浮かべていた。


そして、その背後から体力も回復したマリオとタンクの水が満タンになったポンプが現れた。


「そうさ！ おれは、体力も水も満タンだぜー！」
「なにーっ！？」
「みんな集まれ！ 一斉攻撃だっ！！」


体力が全回復し、 戦闘（バトル）モードに入っていたマリオを叩き潰そうと小型のマンタ達はマリオの周囲を囲む様にして、逃げ道を塞いだ。

だが、マリオはその戦法を読んでいた為に変わらず笑みを浮かべていた。


「それを待ってたぜ……、スプリンクラー放水で一気に片付けてやらぁ！！」


ポンプのレバーを引いたマリオは、その場で思いきり回転をしてスプリンクラーの様に水を噴射させていく。


ようやくダメージを受けた小型のマンタ達は呻き声を上げながら、姿を消していく。





マンタによって消されていた"ホテル・デルフィーノ"も復元され、元の場所に変わりなく建設されていた。


「すっかりドロドロが消えて……、"ホテル・デルフィーノ"も復元しました！ 嬉しいですー！！」


ホテルが元に戻ってきた事で、支配人も喜びの声を高らかに上げていた。興奮が収まってから、マンタを撃退したマリオ達に向き合った。


「皆さんのおかげです。しばらく、このホテルでゆっくりしていって下さい」
「そうこなくっちゃ。おれが、このホテルを救ったんだもんなー」
『ポンプちゃんもでしょ』
「マンタも居なくなった事ですし、やっとデートの方を………♡」


マリオ達は今後の予定で談笑を繰り広げていると_____、計算機を取り出した支配人の様子が変わった。

先程までの和やかな雰囲気は一気に消え去り、マリオ達の視線も支配人に釘付けであった。


「但（ただ）し……、先程のキノコ代・コイン代はたっぷり返してもらいますからね〜〜。合計で、1,000コインをお返ししてもらいますよ！」
「そういう事かよー！」
『あのキノコとコインって、ホテルの奴だったんだ……』


支配人がホテルで休んでいいという本当の理由が分かると、マリオは声を上げてツッコミを入れた。


「おれ達もこのホテルでゆっくりしようぜー」
「いいね、いいね」


先程の決闘（バトル）から居続けていたマリオの分身達は、本物のマリオの気も知らないでホテルで休息を取ろうとしていた。


「消えろー！ お前らは！！」


サンセットの美しいリゾート地の"シレナビーチ"では、呑気な様子の分身達に対してのマリオの怒声が響いたのであった______。



.



◆名所紹介
・シレナビーチ
ドルピック島の西方に位置するリゾート地。"ホテル・ディルフィーノ"はドルピック島で一番有名な高級ホテルとして知られている。


◆敵キャラ紹介
・マンタ
海から現れた敵キャラ。水をかけると、小型サイズのマンタに分裂する。



.