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腹を括ったマリオはポンプを装着し、🌸と共にマンタを倒そうとしたが____、ヨッシーと支配人の姿が見当たらなかった。


「早くマンタをやっつけて下さいね」
「ここで見てますから」
「お前ら、いつの間に避難してんだよ！」


ヨッシーと支配人は、マリオ達が知らぬ間にヤシの木の上に避難していた。高みの見物を決めていた二人にマリオはツッコミを入れた。


『ポンプちゃん。アイツ、どうやって倒せばいいの？』
〈水で攻撃すれば、マンタは倒れマス〉


ポンプから撃退法を聞いたマリオは、ポンプのレバーを引いて水を噴射させていく。


「喰らえ！ マンターーッ！」


マンタに水がかかると悲鳴を上げていたものの、小型サイズのマンタへと姿を変えて分裂していき、倒す数が増えただけだった。


〈水をかけると、分裂するようデスね〉
『聞いてた話と違うーー！』
〈ドロドロにも、気をつけてくだサイ！〉


マリオと🌸は、分裂したマンタを倒そうにも水をかけても増え続けていた。

更に至る所には泥が飛び散っており、下手に動けば電撃を浴びてダメージを受けてしまい、二人にとっては不利な状況が出来上がっていた。


『いつの間にかマンタが、あんなに分裂しちゃって……！』
「子マンタでいっぱい……、これは、こまんた〜っ」
『んな事を言ってる場合じゃないでしょ！』


大型のマンタは居なくなったものの、今度は分裂した小型のマンタが、"シレナビーチ"に溢れ返っている惨状となっていた。


「だけど……水もおれの体力も無くなってきたし……、🌸、何とかしてくれ〜！」
『変な所でバトンタッチしないでよっ！……、ポンプちゃんは装着したとしても、マリオも一緒に背負ってマンタと泥を避けるなんて………』


ポンプはベルトを巻いて装着すれば良いのだが、問題は体格差のあるマリオであった。

身長が近いといえどマリオは男性、🌸は女性だ。戦闘力があるといえど力の差はあり、🌸はその場から下手に動けなくなった。


「こうなったら……、マリオさんを増やすしかないですね」


🌸が、窮地に陥ったのをヤシの木の上から確認したヨッシーは、難しい顔を浮かべてそう言った。


『ヨッシー、何か考えがあるの？』
「勿論ですっ、ほらっ！」


その言葉通り、ヤシの木の上からヨッシーはいくつものマリオのコピーを出現させていく。


「まだまだ増やせますよー」
『ん？……、ちょっと待って』


ヨッシーが出現させたマリオのコピーに違和感を感じた🌸が目を凝らして見ると____、紙にプリントされたマリオの絵であった。

ヤシの木の影に隠されていたコピー機で、何枚ものマリオを出現させていたのであった。


「コピーかよ！」


トリックが種明かしされると、マリオは未だにコピー作業をしているヨッシーにツッコミを入れた。


ヨッシーが周囲を見渡して、逆転の鍵となるアイテムを探していると____、ある物を見つけてヨッシーが声を上げた。


「あそこに、大量の1upキノコがあります！ あれを取れば、人数が増えますよー！」
「あれは、わたしのホテルの……」


支配人も同じく1upキノコを発見するも、"ホテル・デルフィーノ"が所持していた物であったと発覚した。


『マリオ、取ってきて！』


支配人の呟きが聞こえなかった🌸は、表情を明るくさせてから、マリオを思いきり蹴り上げた。


「こ、これで……、本当におれがいっぱい……増えるのかよーーっ！」


蹴り上げられたマリオは、大量の1upキノコが入っている籠（かご）に見事命中すると、ヨッシーの言葉通りに大量のマリオが出現した。


「すげー、ホントに増えたー！ これで勝てるぞ！！」


本物のマリオが1upキノコによって生まれた分身達に指示を出すも、全員がマンタから逃げ出して泣き言を発していた。


「マンタ怖〜っ！」
「ビリビリのドロドロ怖〜い！」
「怖い怖い！」
「怖〜い！」
「……、って、みんな怖がりかよーーっ！！」
『だってみんな、マリオなんだもん』


どこまでも自分そっくりな言動を繰り出していた分身達に、マリオ本人もツッコミを入れた。


情けない姿を晒していた分身を見かねたヨッシーは、ある考えが浮かぶ。


「……、ったく、しょうがないですね。支配人さん。金（コイン）ありますか？」
「金（コイン）なら、ここに……」
「お借りします」


支配人がコインケースを開き、中に入っていた大量の金（コイン）をヨッシーに見せた。

枚数も丁度いいと思ったヨッシーは、支配人の有無を聞かずに金（コイン）を取り出した。



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