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"ピンナパーク"にてシャインを集め終えたマリオ達。次なる目的地はドルピック島の西方に位置するリゾート地の"シレナビーチ"であった。





「見事な夕焼けですね」
「あぁ、本当にキレイだ……、"ピンナパーク"じゃ、あの園長にこき使われて疲れちゃったよなぁ……」
『無茶ぶり、凄かったもんね〜』


メカクッパを撃破した後、マリオ達は人知れず"ピンナパーク"に蔓延（はびこ）る様々な問題を解決したのであった。

そのどれもな園長絡みの問題であった為に、ろくにアトラクションにも乗れずにピンナ島を後にしたのだ。


「だから、ここではのんびり休もうぜ」
『たまには、のんびりしたいよね〜』
「それならっ、わたしは🌸さんとデートしたいですっ♡ この島に来てから、まだ一回もしてませんもんっ」


シャイン集めを一旦、中断する事にしたマリオ達は各々が好きな時間を過ごそうと計画を立てていた。


「二人で楽しく行ってこいよ。おれは、のんびり休むんだもんねー」
「えへへっ♡ 夜はキレイな海を見ながら、あっついちゅーをして……、ホテルで美味しい食べ物を………あ〜っ！考えるだけで涎（よだれ）が〜〜！！」
『もう出てるじゃん』


楽しみを抑えきれずに涎（よだれ）を垂らしていたヨッシーに、🌸はツッコミを入れた。


〈ソレなら、ちょうどイイデスよ。このビーチには、ドルピック島で一番有名な……、"ホテル・デルフィーノ"がありマスから〉


ポンプは、マリオ達にホテルの場所を伝えると_____、そこには煉瓦（れんが）壁で構成されて、入口の扉や窓が通常よりも大きなサイズと作られている豪華なオーシャンビューホテルが建てられていた。


「立派なホテルですねー！」
「おれ、先にホテルで休んでよーっと！」


休息を取る場所を探していたマリオは一番にホテルに入ろうとしたが_____、入口の扉は開かずにそのまま激突してしまった。


更にホテルと思われていた建物は絵で描かれた看板であり、衝突したショックで後ろに倒れていく。


「ただの絵ですよ、これ……」
「何なんだよ一体……、ホテルなんて見当たらないしよー」


マリオ達が困惑していた中、どこからか小洒落（こしゃれ）たスーツを身にまとったモンテ族が現れると、困り眉をして倒れてしまった看板を見た。


「あーあ、ホテル壊しちゃって……」
「……、って、これはホテルじゃねーだろ！」


マリオがツッコミを入れている間も、モンテ族は懐から取り出した計算機のボタンを押して、弄っていた。


「しょうがないですね……、しめて50コイン。弁償して貰いましょうか」
「何でじゃー！」
『そもそも、あなた誰？』


突然現れると、自分達にホテル（仮）代を請求してきたモンテ族に🌸は問いかけた。


「わたしは、"ホテル・デルフィーノ"の支配人です。実は大変に困った事件が起きましてな……困った大変な事件が………」


支配人は「大変に困った事件」という言葉を誇張しながら、マリオ達を見つめていた。


その光景にデジャブを感じたマリオは体の向きを変えると、"シレナビーチ"から出ていこうとした。


「さよ〜〜なら〜〜っ」
「帰るだったら、50コイン！」


逃亡を図るマリオだったが、モンテ族に掴まれた事であっけなくその企みは打ち砕かれた。


「分かったよ！ 話だけは聞いてやるよ」


"シレナビーチ"に来て早々、トラブルに巻き込まれたも思いつつもマリオは観念して支配人から事の原因について話を聞く事とした。


「それは昨日の事です……突然、海からエイの様なペラペラした怪物が現れましてな。ソイツは、ドロドロした物を巻き散らかして……わたしの大切なホテルは、そのドロドロに飲み込まれて……」


支配人が指した先は、先程までホテルの絵が描かれた看板が立てられていた場所であった。そこには本来、豪華なオーシャンビューホテルが建設されていたという。


『ホントは、ここにホテルがあったんだね』
「それが沈んじまった訳か。このドロドロの下に……」


マリオがホテルの跡地に残されていた泥に触れると____、電撃がマリオの体全体に走っていき、痺れていく。


「それ、触るとビリビリしますよ」
「早く言えよー！」


遅れて泥の説明をされた事で、マリオは支配人にツッコミを入れた。


『にしても、ペラペラした怪物って何だろう？』
〈"マンタ"の事デスね〉
「へーっ、12月っぽいですね」
「何でだよ？」


マンタの名前が出るなり、見当違いな発言をしたヨッシーにマリオが思わず問いかけた。


「ジングルベ〜ル♪ ジングルベ〜ル♬」
『それは、サンタでしょ』
「ボケてる場合じゃないですよ」


"サンタ"と"マンタ"と文字違いのボケを繰り出したヨッシーに、🌸と支配人がツッコミを入れた。



その時____、何かが這いずってくる形で海から浜辺に上がってきた音が聞こえると、支配人の顔つきが変わった。



「来ました！ あの怪物……マンタが！！」



マリオ達に緊張が走った。リゾート地である"シレナビーチ"に甚大（じんだい）な被害をもたらしたマンタと対峙すると_____、



_____、何故か、マンタもヨッシーと同じくサンタクロースの格好をしていた。


「メリークリスマス！」
「マンタも思いっきり、ボケボケですけど」


先程のヨッシーと似た様なボケを繰り出したマンタに、マリオと🌸は思わずその場でずっこけた。


「ビリビリのドロドロを、プレゼントに来たよ〜〜ん！」


這いずってくる形でマンタはマリオ達を追いかけていく。マンタが通る道から泥が出現すると、足の踏む場所が減り始めていた。


「のんびりしに来たのに、こんな危険な所に居てられっか！」
「待って！ 行かないで下さい！ お願い！ 何とかして！！」
「嫌だ！ じゃあねー！」


巨大なマンタを前にして、マリオは支配人の助けを求める声を無視して逃げ出そうとしたが_____、至る所に泥が付着していたせいで、マリオはそれを踏んで電撃を浴びていた。


『うわ〜っ……、こりゃ地上で決闘するのは厳しいんじゃない？』
〈ドロドロだらけで、もう逃げられマセんよ。やるしかないデスね〉
「しょーがねぇな……」



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