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"リコハーバー"にて、ニセマリオに顔を汚された母親イカと戦ったマリオ達であったが、子供イカの活躍で無事に汚れは取れ、家族仲も元に戻ったのである。





〈そういえば、この間のゲッソー達はどうしてるんでしょうネ〉
『あれから、元気にやってるかな？』
「そうだな……、様子を見に行ってみよう」


あれから家族仲が戻ったイカ親子の様子が気になったマリオ、🌸、ポンプはコンテナ置き場に向かう事にした。


〈ここを泳いで渡れば行けマスよ〉


ポンプが指したのは海であったが、コンテナ置き場まで泳ぐとなれば大した距離ではなかって。


「よし……、行くぞ、ヨッシー」


ここまで会話に入ってこないヨッシーにマリオが声を掛けたが______、ヨッシーは大量の涙を流しながら、倉庫の壁にしがみついていた。


「み、み……、水怖いです〜〜〜〜っ！！」
『はっ？』


マリオとポンプはその場にずっこけると、海へと落ちていく。



🌸は突然の事に驚きつつも、7面でのヨッシーの不審な動きを思い出した。



"あの、🌸さん。手を繋いで、歩いてもらってもいいですか？"

"足場に泥が付いてて、歩きにくくって……"

"わーっ！水がかかりましたー！"



『もしかして……ヨッシー、水が苦手で泳げないの？』
「今まで平気で泳いでたろー！」


陸に上がったマリオがヨッシーに問い詰めると、ヨッシーは鼻水をかみながら話し始める。


「長い間、海を漂流していたせいで……、……って、よく考えたらマリオさんに海に落とされたせいじゃないですかーーっ！！」
「おれのせいにするなよーーっ！！」


次第に怒りが込み上げてきたのか、ヨッシーの涙はすっかりと引っ込んでいた。海に漂流する原因を作ったのはマリオだが、ヨッシーにツッコミを入れた。


「どうすんだよ、お前。これじゃ先へ進めないぞ」
『今回は留守番かな』


🌸の言葉を聞いたヨッシーはビクッと全身を震わせると再び、涙を流して🌸に思いきり抱き着く。


「イヤーーッ！ 🌸さんと離れたくないーー！」
『ちょ、ちょっと……、これじゃ、ちびちゃん達の所に行けない……』


ヨッシーのワガママが発動した事で、三人がイカ親子の元へ向かえないのを黙って見ていたポンプは_____、水面に浮かんでいるクラゲッソーを発見した。


〈マリオさん、クラゲッソーに放水してくだサイ〉
「アイツにか？」


マリオはポンプに言われるがままに、クラゲッソーに向けて放水する。

水がかかったクラゲッソー達は、体全体が平に広がっていくと、足場が出来上がっていく。


〈ほら、広がって足場になりマシた〉
「これで、わたしも進めますね。行きましょ、🌸さん♡」


泳いで向かわずに済むと分かったヨッシーは、🌸の手を繋ぐとコンテナ置き場まで鼻歌を歌いながら、クラゲッソーの上を渡っていく。


『調子がいいな〜（それでも水が怖いから、わたしの手を繋いでるのかもしれないけど……）』
「急に元気になりやがって……」


口では悪態を付きつつも、元気が戻ったヨッシーを見るとマリオは笑顔を浮かべた。




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コンテナ置き場に到着すると、仲睦（むつ）まじく家族団欒（だんらん）の時間を過ごしているイカ親子の姿が見えてきた。


「あっ、マリオさん！ 🌸さん！」


子供イカは二人の姿があったのに気がつくと、嬉しそうな声で名前を呼んだ。


「仲良くやってんじゃん」
『ちびちゃん達もママさんも元気そうだね』
「この間は迷惑かけてごめんね。せっかく来てくれたから、今日はお詫びにご馳走を作るわね。みんな、何が食べたい？」


マリオと🌸に感謝している母親イカが手料理を披露すると言うと、子供イカは再び喜びの声を上げた。


「ぼく、カレー」
「ハンバーグ」
「焼肉」
『ママさんの得意料理』
「イカ焼き」
「イカ飯（めし）」


マリオとヨッシーが悪気なくイカ料理を口にすると、母親イカはただならない様相で二人に詰め寄った。


「イカはダメよーーっ！！」
「まぁまぁ、母ちゃん堪（こら）えて、堪（こら）えて。マリオさん達は恩人なんだから」


子供イカ達が必死に宥（なだ）めたおかげで、母親イカは何とか冷静さを取り戻すと、買い物の準備を整えた。


「じゃあお買い物してくるから、みんな待っててね」
「"イカの塩辛"もお願いねー」
「ダメだってばーーっ！！」


またもやイカ料理を口にしたマリオに、子供イカ達がツッコミを入れた。






「みんな待ってるから、急がなきゃね」


"リコハーバー"に構えている巨大スーパーに向かっていく母親イカは、壁に掲示されていた一枚のチラシに目が行った。



"激安スーパーM、開店（オープン）！ すぐそこ！！"




「あら、ラッキー♡」


激安という言葉に釣られた母親イカは、開店（オープン）したばかりであるスーパーへと行先（いきさき）を変えていく。



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