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キノコ王国は今日も平穏な一日である。雲ひとつない空に太陽が顔を見せて、小鳥の囀（さえず）りが聞こえてくる。キノコタウンでは、沢山のキノピオやノコノコ等の住民達の姿があり、和気藹々（わきあいあい）と過ごしていた。





キノコ王国の中心にあるピーチ城のバルコニーでは、🌸とピーチ姫はお茶会を開いていた。


「やっぱりこうして、平和にのんびり過ごすのが良いわね」
『そうですね〜。クッキーも美味しい♡』


ティーテーブルの上には、焼きたてのクッキーが皿に乗せられていた。二人分のティーカップには紅茶が入っている。🌸はクッキーに手を伸ばし、口に入れると頬を緩ませた。


『ここの所、色々ありましたからね』
「そうね。そろそろクッパも懲りてくれれば良いんだけど」


🌸がマリオと共に、ベビークッパからヨッシーアイランドを救い______それから、様々な事があった。マリオ達はパーティゲーム、ゴルフやテニス等の大会に参加していた。

つい最近もクッパが"スターのつえ"を星の国から強奪し、ピーチ姫を城ごと攫うといった大事件も起きた。しかし、それもマリオと旅した各地で出会った仲間達の活躍により、クッパは敗れて再び平和が戻ったのである。


「ねぇ🌸。たまには、どこか旅行でも行ってみない？」
『あぁ、それ良いですね！』


ピーチ姫の突然の提案にも関わらず、🌸は断る理由もなく賛成の意思を見せた。


「マリオ達も冒険続きで疲れてると思うし、気分転換で一緒に行くのも良いと思うわ」
『ん〜……、そしたら、みんなに話してみますよ』
「どこへ行こうかしら？ 南国のリゾートもいいわね。美味しい食べ物だったり、観光名所も沢山あって……」
「キレイな海もあって、水着を着て泳ぐってのもアリですね」


二人は旅行の計画を立て始めていき、行き先の候補地の話をしているだけで____、早くも旅行している気分を味わっているのであった。




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話し合いの結果、南国のリゾート地へ旅行に行く事が二人の間で決められた。

マリオ達が一緒に行くかについては、🌸から話をすると決めてから、お茶会はお開きとなった。





自宅に帰った🌸は、クローゼットから何枚もの洋服を持ち出すと、寝室へと運んでいく。布が掛けられたスタンドミラーを移動させ、旅行用に着ていく洋服の厳選が開始される。


『南国のリゾート地かぁ……、きっと暑いだろうから半袖の動きやすい服とか………前に買った白いワンピースとかも良いかも♡』


🌸が洋服選びに夢中になっている間、玄関の扉が開くと_____用事で出掛けていたヨッシーが帰ってきた。

一階に🌸の姿が見当たらず、階段を登り二階に上がる。寝室の扉から部屋の灯りが漏れ出ていた事に気づくと、ヨッシーは勢いよく扉を開けた。




洋服を着替えていた🌸は、扉が乱暴に開かれた音にビクッと反応して、後ろを振り向いた。


「あれ？ 🌸さん、お着替え中でした？」
『ヨッシー！……、もうっ、入る時はノックしてって言ってるでしょ？』


「入るな」、「着替え中」等の張り紙を貼っておけば良かったと思う🌸であったが、ヨッシーの視線はベッドの上に置かれている服や水着に向けられていた。


「この洋服の山……、もしかして、ずーっとお着替えしてたんですか？」
『うん。ピーチ姫と旅行に行こうって話が出たから、どんな服着ていこうかなって。マリオ達も一緒にさ』
「へぇー、みんなと一緒に行くのもいいですね。美味しい物を沢山食べて、🌸さんとデートして……、最後に夜景を見ながら、ちゅ〜……って♡」


大量の涎（よだれ）を垂らし、頬を紅潮させてだらしない表情を浮かべるヨッシーを見て、🌸はいつもの事だと気にしない様子で居た。


「あっ、それでしたら……わたし、この洋服が似合うと思います」


洋服の山を漁ると、ヨッシーは好みの服を取り出した。

それを受け取った🌸であるが、ヨッシーが目を輝かせながらこちらを見ていた為に、着ざるを得ない状況が出来上がってしまった。


『わ、分かったよ。着るから待ってて、後ろ向いてっ』
「は〜い♡」


ヨッシーは🌸の着替えを見ない様に、後ろを向いた。


それを確認しから服を脱ぎ始めていき、渡された上下の服に着替えて、身だしなみを整えると、🌸は着替えを終えた事を伝える。


「うわ〜〜っ♡ 可愛いです〜〜っ♡♡」
『わっ！』


着替えた🌸を見るなり、目にハートマークを浮かべながら走ってきたせいで、🌸とヨッシーは洋服の山が積まれていたベッドの上に倒れ込む。

服に皺（しわ）が出来る前に起き上がろうとしたが、ヨッシーに強く抱きしめられていた事で、🌸は起き上がる事が出来ずにいた。



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