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『きみは、あの時のテレサちゃん！』
「へへっ……、城の中がどこもうるさくて落ち着かないから、この部屋に来てみたら🌸ちゃんが二人………えっ！ 二人も居る！！」
『今更気づいたの〜〜！？』


"テレサのホラーハウス"に居るテレサであるが、サボり癖がある為に今回の騒動には一切、加担していない。単純に、ボスキャラの居ない落ち着ける場所を探していたのであった。


「🌸、このテレサ大丈夫？味方？」
『わたしの味方だよ』


赤ボムの問いかけに笑顔で答える🌸と異なり、もう一人の🌸はテレサに怯えきっていた。


【ひぃ……テレサ、怖いです。こっちに寄るんじゃねぇです】
「こっちの🌸ちゃんは、随分と怖がりなんだね」
『仲良くしてあげてね〜』


もう一人の🌸の前に、故意的にテレサを見せるお鏡部屋で悲鳴が響いた。


『それじゃ……、New Game（再スタート）だね！！』




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🌸は音を立てない様に、ゆっくりと入口の扉を開ける。

"ちびデカアイランド"のノコノコ、ハナチャンがフロアに出ているのを確認出来た。しかし、テレサの能力で全員が透明になっていた事もあり、誰にもバレる事無く、鏡部屋から出ていく。


【こんなのにも気づけねぇなんて、アホな奴等しか居ねぇじゃないですか】
『静かにしてよ。バレちゃうじゃん』


体は透明になっても、声も隠す事は出来なかった。喋り声が聞こえてしまえば、それに気づいたボスキャラ達が襲いかかってくるだろう。



ぐうぅ〜〜〜〜っ



ぐぎゅる〜〜〜〜っ



「な、なにこの音っ！？」


突然聞こえた音に赤ボムは驚き、ボスキャラが近くに居るのかと見渡した。


『私の腹の音だ』
【お前が人の事を言いやがるなですっ！】


朝から何も食べていない🌸の腹の音であると分かると、もう一人の🌸がツッコミを入れた。


「うわーーーっ！ お、おお……、お化けだぁ〜〜〜！！」
「ノコノコの方が、ビビっちゃってるね」


🌸の腹の音と気づいていないノコノコは、フロア内に幽霊が居ると泣き出し、怯えきった様子でいるのをテレサが汗を垂らして見ていた。


「お化けなんて、居ないじゃないですか」
「だ、だって今！ お化けの声が〜〜〜！」


ノコノコが一人で騒いでるのを不快に思い、眉間に皺（しわ）を寄せたハナチャンがやって来る。


そのタイミングを見計らい_____、🌸は、自分の姿をハナチャンの前に晒した。


『こんにちは。ハナチャン』
「へっ？！」


挨拶をするや否や、🌸はハナチャンの顔面を殴った。色が変色して暴れ出す前に、赤ボムを投げつけて大ダメージを与えた。


「お前、🌸じゃねぇか！ どうやって、部屋から出た！」
『巻きで行きたいから、さっさとやっつけちゃうね〜』


ノコノコのパンチを回避した🌸は、その場でジャンプした。ヒップドロップを披露すると、ノコノコの体がひっくり返る。


「いいぞ、🌸！」
『けど、お尻が痛いよ〜〜っ』
【ざまぁみやがれですっ】


甲羅にヒップドロップした事で、臀部（でんぶ）に痛みが走っている🌸を見て、もう一人の🌸がクスクスと笑っている。


『お前も戦え〜〜っ』
【暴力反対れふ〜〜っ！】


もう一人の🌸の元に向かうと、思いきり頬を抓った。


🌸はどうするか考え_____、次は部屋に篭っているバクバクを目標（ターゲット）に定めた。


「部屋に居るって事は、水中面（ステージ）になってるはずだよ。部屋の外に引きずり出せば、有利に戦えるかもね」


バクバクに有利な水中面（ステージ）では、戦闘（バトル）に時間が掛かると赤ボムは分析し、🌸はどうしようか考えてから____、もう一人の🌸を見た。


『ねぇ、バクバクの良くない所でも言ってみなよ』
【はぁ！？ お前が言いやがれです！ わたしは怖いから、言いたくねぇです！】
『えぇ〜、つまんない〜』
【だ、誰がつまんな………っ！ あんの大食い魚！ バクバクバクバク、好き勝手に食べてんじゃねぇです！ 何でもかんでも食べていいと思ったら………】


安い挑発に乗せられたもう一人の🌸はムキになり、バクバクの部屋の前に行くと、これまで溜め込んでいたバクバクへと悪口を吐き出していく。


それを見ていた🌸は、コッソリと離れていくとテレサの隣に着く。



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