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ワンドロ参加作品

「あら、イレブン様……。虫に刺されましたか?」
「ん、どこ? 別に痒くは無いけど……」
声を掛けてきたセーニャに顔を向けると、
「この辺りですわ」
そう言いながら首筋の毛先と服の間のわずかな肌にそっと触れる。
触れられたくすぐったさで軽く身を震わせたイレブンは虫には刺されていないが、痕のできた理由に思い当たり、慌てて首筋を手で覆う。
「イレブン様…?」
突然の素早い動きに疑問符を浮かべるセーニャに、
「昨日、大きな虫に刺された事を思い出した……」
「まぁ! 大丈夫ですの? ホイミしますか?」
「それは平気!ありがとう。ちょっと用事を思い出したからグレイグの所に行ってくるね!」
「そうですか?」
それじゃあ!とにっこりと微笑み駆け出したイレブンの目は全く笑っていない事に気付かぬセーニャだった。
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